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南蛮の夢、紅毛のまぼろし 展@府中市美術館 [展覧会@日本美術]


南蛮の夢、紅毛のまぼろし 展
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/nanban/index.html

会場: 府中市美術館
会期: 2008年3月15日(土)~5月11日(日)

作品リスト(※PDFファイル) ↓
http://www.art.city.fuchu.tokyo.jp/01_Kikakuten/H19/nanban/namban-list.pdf
          


↓ チケット
スキャン0006.jpg


↓ チラシ外側

南蛮の夢、紅毛のまぼろし展_チラシ表_左.jpg南蛮の夢、紅毛のまぼろし展_チラシ表_右.jpg

↓ チラシ内側
南蛮の夢、紅毛のまぼろし展_チラシ裏_左.jpg南蛮の夢、紅毛のまぼろし展_チラシ裏_右.jpg



南蛮文化とくれば珍しい品が観れるのかもと思いつつ、そこまで強く関心があるわけでもないので、
鑑賞しようかどうかはっきり決めかねていたところに目にした1つの日本画。
鑑賞決定。

府中市美術館は、去年の動物絵画の100年展が素晴らしかったけど、
今回のもこぢんまりとしつつもバラエティに飛んでいて好企画。
企画展が大人600円で観れるというのも、物価の高い都下にあって出色。
多すぎない出品量も疲れないので個人的にはポイント高し。
(もちっと少なくてもいいぐらいだけど、それだと他の人は物足りないだろうと思われ。)

タイトルに南蛮、紅毛とあるだけあって、海外から持ち込まれた十字架やメダイ、
異人達を描いた絵や屏風、などなど、その交流が伺える品々が並ぶ。
長崎、堺に加え、仙台所蔵の品が多かった中に、
さり気なく自館の所蔵品が織り込まれていた。

絵だけでもなく資料も豊富で、
普段観ない様な品々が並ぶのが興味深い。

章立ては下記の通り。
 ・政宗と常長-歴史画の中の南蛮
 ・蘭学の風景
 ・南蛮・紅毛の追憶
 ・夢想する人々

 ・信仰、禁教


【政宗と常長-歴史画の中の南蛮】
伊達政宗にローマに派遣されて帰ってきたら
禁教令が布かれていたという、
不遇の支倉常長(はせくらつねなが)の像、
彼が率いた慶長遣欧使節関係資料のメダイや十字架等を展示。


【蘭学の風景】
当時の地図や、司馬江漢の画房を描いた作品等。


【南蛮・紅毛の追憶】
屏風 「南蛮人来朝之図」 (6曲1双  安土桃山時代・長崎歴史文化博物館蔵)
をはじめとする、渡来の様子を描いた作品や異人の姿を描いた作品に加えて
異人の食事風景を描いた絵が並ぶ。
その他、駱駝や象を描いた作品も。
また、川上澄生の木版画も幾つかあったが、まわりの品々と違う気配を感じさせたのは、
簡潔というかざっくりした線のせいか、大正~昭和という後の時代の人だからなのか。
(川上澄生はこの後の2つの章でも展示あり。)

ここで一際印象的だったのが、望遠鏡(江戸時代後期 18世紀終わり頃)。
えもいわれぬ美しさに、ガラスにへばりつく。
金属製の本体に表面を漆で仕上げ、オランダ人持参の銅版画をもとに
日本の職人が蒔絵で再現したという説明があったけれど、
ぱっと見はガラス管の表面に絵が描かれている様に見える。
装飾的な模様に加え、(額縁におさめられる様な絵の)ミニチュア版が
小さく描かれている職人技に感嘆。
しかしながら小さくてよく見えなかったのが残念。
単眼鏡があればカバーできたのだろうか。

他に、櫃螺鈿細工で作られた、絵を入れる櫃()があったのも
和洋折衷というか、不思議な感じだった。

また、ガラス絵なるものもあった。
色々な手法で描かれた作品が観られるのも今回の特色。


【夢想する人々】
後に南蛮文化に触発されて描かれた絵などが並ぶ。
前期だったので見てないのだけれど、参考までに川上澄生を1点。

川上澄生 「甲比丹散歩之図」 昭和28年(1953) 鹿沼市立川上澄生美術館
川上澄生 甲比丹散歩之図 昭和28年(1953) 鹿沼市立川上澄生美術館.jpg



幻想的な絵も味わいぶかかったけど、
額装も興味深かったのが、牛田けい村の3点。
(けい村のけいの字は、下記画像の文字。)
奚隹.JPG

額装が図録で見られるかどうかは買ってないのでわからないけど、
金地の上に絵を置き、額は漆塗りみたいな(しかも角がまるい)いう、
独特の風情が感じられるもの。
きっとこの拙い表現では実際の雰囲気は伝わらないかと・・・。
すみません。

牛田けい村 「蟹港二題 蛮船の泊」 1面 絹本着色大正15年(1926)
牛田村《蛮船の泊》「蟹港二題」より 1926年/絹本着色/63.0×113.0cm.JPG

牛田けい村 「蟹港二題 藁街の夕(中華街)」 1面 絹本着色大正15年(1926)
蟹港二題 藁街の夕(中華街).jpg



竹久夢二の作品が幾つかあったけれど、
いつもの少女趣味なイメージとは少し違う感じがして
独特の味わいが感じられた。

竹久夢二 「邪宗渡来」  2曲1隻  大正7年(1918)  夢二郷土資料館
竹久夢二 邪宗渡来 大正7年(1918) 夢二郷土資料館.jpg



【信仰、禁教】
天草四郎の肖像の他、表題どおり宗教に関するものが並ぶ。

板踏絵 キリスト像(エッケ・ホモ)
重要文化財 板踏絵 キリスト像(エッケ・ホモ)(長崎奉行所キリシタン関係資料).jpg
なんとも重々しい。



鏑木清方の「ためさるる日」は、
遊女による(行事としての)踏み絵の様子を描いた作品で、
左幅に今まさに絵を踏まんとする娘、右幅に順番待ちをする娘2人が
描かれているのだけど、なんと右幅のみの展示。
事情があるのかもしれないけれど、これは是非左幅もあわせて観たかった。
なんともふわっとした美しい筆遣いと緊張感すら漂うような空気がよかっただけに残念。

こちらが左幅か↓
http://ir.library.tohoku.ac.jp/rc/handle/123456789/29626



そしてこちら、
露千鈴 「
殉教者の娘」 1幅 絹本着色 大正15年(1926) 大阪市立近代美術館建設準備
三露千鈴 殉教者の娘 大正15年(1926) 大阪市立近代美術館建設準備室.jpg
なんとこちらは4月13日迄の展示だったとのこと。
チラシの小さい画像を見て、見逃したことをとても後悔。
大阪市、こんなよさげなものまでキープしてたとは・・・。



しかしなんといってもイチオシの一枚はこれ。
この一枚の為だけに足を運ぶ価値があるかと。

松本華羊 「伴天連お春」 大正5年(1916)頃 福富太郎コレクション
松本華羊 伴天連お春 大正5年 (1916)頃 福富太郎コレクション .jpg

処刑(殉教)前にせめて満開の桜を見たいと願った
遊女を描いたという作品。
筆遣いの細やかさはただただ素晴らしいの一言。
満開でありながら明るさではなく翳りを持つ桜の花に、
虚ろな目をした遊女のなんともいえない表情は、
まさに文字通り、もう逝ってしまったかの様。

松本華羊 伴天連お春 大正5年 (1916)頃 福富太郎コレクション 部分2.jpg

・・・と思ったら、焦点が定まらないかの様にすら思えた
その視線の先に、一つだけ花をつけてない枝がある様にも見えた。
松本華羊 伴天連お春 大正5年 (1916)頃 福富太郎コレクション 部分.jpg
まだ蕾だけなのか散ってしまったのか萼だけなのかよくわからないけど、
心ここにあらずで遠くを見ているのか、この枝に何か思いを馳せているのか、
どちらなのだろう。

展示スペースの都合上か最後から2つ目に展示されていたけれど、
この作品で最後を締めくくってもよかったかもと思う。
重いかもしれないけど。



府中市美術館、いい美術館だと改めて思った。今後にも期待。

ちなみに、去年の動物絵画の100年展の感想はコチラに↓
 ・動物絵画の100年・前期@府中市美術館
 ・動物絵画の100年・後期@府中市美術館
 ・「動物絵画の100年」展・おまけ


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ほほえみ美術館-棟方志功-@足利・龍泉寺 [展覧会@日本美術]

「ほほえみ美術館」展 仏教からみる棟方志功
http://www.ryusenji.net/hohoemi2008.pdf

会場: 足利厄除大師 龍泉寺
     
http://www.ryusenji.net/
     栃木県足利市助戸町1-652
     TEL 0284-41-5685
会期: 2008年5月3日(土)~5月5日
(月)
時間: 10時~17時(最終日16時迄)
※入場無料


スキャン.jpg


GW期間限定で、無料な上に至近距離で美術品が拝める、
ほほえみ美術館@龍泉寺。
去年は「若冲と應擧」と銘打っていたけれど、
今年のテーマは「棟方志功」だそう。

去年もタイトルの二人以外にも、
横山大観や東山魁夷、小杉放庵に下村観山らの作品が
ところ狭しと並べられていたけれど、
今年も応挙、池大雅、河合玉堂、梅原龍三郎などなどの
名前がずらりで、茶碗も並ぶ模様。


今年は行かないので、観てないのにお勧めするのもなんだけれど、
あしかがフラワーパークにも程近いので、
GWだけど予定がなくて暇をもてあましてる方がいらしたら、
ちょっとした小旅行に如何でしょうか。


昨年の様子は以下の記事でどうぞ↓
 ・
「若冲と應擧」展@足利・龍泉寺
 ・あしかがフラワーパーク@20070504
  
http://magrittian.blog.so-net.ne.jp/2007-06-07


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茶碗の美 -国宝・曜変天目と名物茶碗- 展@静嘉堂文庫美術館 [展覧会@日本美術]

 ■ 茶碗の美 -国宝・曜変天目と名物茶碗- 展
 2008年2月9日(土)~3月23日(日)
 
@静嘉堂文庫美術館


観るのはもっぱら絵ばかりで、焼物には 全く疎い身ですら、
その名を聞いて反応してしまうのが、世に名高き「曜変天目」。

一度は観たい、でもまた別の機会に観れるから今回でなくていいかも?
と逡巡してた背中を押したのが、Takさんのブログで目にした展覧会チラシの迫力。

■チラシ↓
@静嘉堂文庫美術館_チラシ表.jpg @静嘉堂文庫美術館_チラシ裏.jpg
ずばんと超直球ど真ん中!凝ったデザインなど無用の訴求力。
目の前にあるのは実物ではなく写真に過ぎないのに、なんたるオーラ。



まず最初に、曜変天目をはじめとする焼物の解説は、
是非こちらのTakさんによるサイトでどうぞ↓
http://www.icnet.ne.jp/~take/tennmoku.html
勉強になります。


≪唐物茶碗≫

「曜変天目(ようへんてんもく)」
曜変天目茶碗「稲葉天目」.jpg
展示室入口すぐ、いきなり独立したケースの中に鎮座ましましてる。
黒に見える程深い藍の中に星の様に浮かぶ紋。
この紋が 螺鈿 の様に薄く光を帯びている。
まさに小宇宙の赴き。
碗が映える様に銀の布地の上に置いたのだろうけど、
その色が反射して外側がやや見辛いのが残念だったけど、
シンプルな無地に虹色の光を薄くまとった様はやはり印象的。

「油滴天目(ゆてきてんもく)」
油滴天目茶碗.jpg

ランク的には「曜変天目」の1つ下だそうだけど、
これがまたとても素晴らしい。
一面に散った青味がかった斑点の美しさはえもいわれぬ程。
赤くて彫がはっきりした唐物漆器の台の派手さが意外だった。

「禾目天目(のぎめてんもく)」
前者に比べると一見地味だけれど、
シンプルな中に光沢を持つ美しさがまた際立っていた。

「灰被天目(はいかつぎてんもく)」
外側の全体を覆う、虹色の様な銀色の様な光沢が美しかった。

「玳玻天目(たいひてんもく)」
この味わい深さをなんと表現したらいいのか、
3D画像を連想しそうな模様がなんとも印象深くて惹きつけられる。


≪高麗茶碗≫

「御本雲鶴茶碗(ごほんうんかくちゃわん) 銘 あしべ」
外側に細い線で描かれた飛び交う鶴が見事。
内側の底にはさっとした線で雲が描かれてる。

「絵御本千鳥文筒茶碗(えごほんちどりもんつつちゃわん)」
さらっと薄書きの千鳥が数羽、碗の外側を下から上へと
斜めに連なっているのが、口から内側へと斜めに下降してる様が
みていて微笑ましい。


≪和物茶碗≫

「瀬戸唐津皮鯨茶碗(せとがらつかわくじらちゃわん)」
(これが噂の皮鯨!)
意外と大ぶりで、色もあっさり地味目。
この味わいをわかるには、まだまだ修行が必要か。

「射和万古色絵葡萄文茶碗」
白泥の上に葡萄を描いたのが、なんだかしみじみい
い感じをかもし出していた。

「呉器写茶碗(ごきうつしちゃわん)」
ベージュに近い薄いオレンジの地の上に、淡いオレンジの斑点が散る様が
曜変天目をアレンジしたかの様で印象的。
(※見た目の印象は全く異なります。)

「御本写サビ絵富士図茶碗(ごほんうつしさびえふじずちゃわん)」
墨で描いたかの様なすっとした力強い富士の姿がとても印象的。

茶碗の基礎知識を持たないものが画像なしでその味わいを
伝え様にも限界があるので、是非直にご覧頂きたい(・・・て
明日で終わりなんで役立たずで申し訳ないです)。
・・・経費節減の為、泣く泣く図録は諦めたものの、
是非記録として写真つきの資料を手元に置きたくなる、
素人にも充分楽しめる展覧会だった。さすがお宝である。
眼福。


タグ:茶碗の美
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こんぴらさん参り・其の伍@「書院の美」展 [展覧会@日本美術]

 

 「書院の美」展@金刀比羅宮

・こんぴらさんサイト↓
http://www.konpira.or.jp/event/2007_the_traveling_exhibition/index.htm

・展覧会公式サイト↓
http://www.asahi.com/konpira/


■香川展
 2007年10月1日(月)~2008年1月31日(木)
  前期: 2007年10月1日(月)~2007年12月2日(日)
  後期: 2007年12月29日(土)~2008年1月31日(木)
 @金刀比羅宮

 ■東京展
 2007年7月7日(土)~9月9日(日)
 @東京藝術大学大学美術館

■三重展
 2008年4月26日(土)~6月8日(日)
 
@三重県立美術館

■フランス展
 2008年10月15日(水)~12月8日(月)
 
@フランス国立 ギメ東洋美術館
 ・こんぴらさんサイト上の展覧会情報↓
 http://www.konpira.or.jp/info/0010/guimet.html
 ・日本語(メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス)の美術館情報↓
 http://www.museesdefrance.org/museum/special/backnumber/0711/special01-03.html


↓豪勢なチラシ

 


↓チケット
   
ちなみに右は東京藝大の時のもの。
微妙に違うんだな。
でも、数々の間といい、このチラシといい、応挙の存在も消して若冲に劣らないのに、
どうしてキャッチフレーズは「若冲はこんぴらさん」なんだろう。
応挙カワイソウだよ・・・。

と、前置きが長くなったけど、来ましたよ、こんぴらさん!
・・・と張り切って奥社まで行ったはいいものの、展覧会に朝一で突入の予定が昼前になってしまい、
神椿でお茶するどころか、肝心の展覧会を全部観てまわれるかすら危うくなってしまった。

なので、

こっから入って、
DSCN3389.jpg

田窪恭治氏作のタイルだけみて、
DSCN3388.jpg

DSCN3387.jpg

あっちから出てきて、
DSCN3390.jpg


いざ、参らん。
DSCN3204.jpg DSCN3207.jpg

この素晴らしい展示空間を写真に収められないのは残念な限りだけど、
HPやチラシで存分に喧伝してくれてるのは嬉しいところ。


【表書院】
http://www.konpira.or.jp/museum/shoin/shoin.html

まず最初に目にしたのが、円山応挙の「鶴之間」
http://www.konpira.or.jp/museum/shoin/permanent/section/crane.html
残念ながらここは室内には入れてもらえず、
入り口から覗くのみだったのだけど、にも関わらず、
何故か感極まってしまった。

そしてお次は応挙の「虎之間」
http://www.konpira.or.jp/museum/shoin/permanent/section/tiger.html
こちらは室内に入ることが許され、
人の出入りの狭間のほんの一瞬ながらも
独り占めで鑑賞することが出来たりして、
まさに本来の姿をそのままに鑑賞出来るなど贅沢の極み。
自然と背筋を伸ばして正座してしまう。

続く応挙の「七賢の間」
http://www.konpira.or.jp/museum/shoin/permanent/section/7wisemen.html
賢人の顔が汚されているのがうっすらと確認出来、微妙な気持ちに。

応挙続きの最後を飾る間が、「山水之間」と「上段之間」
http://www.konpira.or.jp/museum/shoin/permanent/section/sansui.html
床の間を激しく流れる滝の水が、ゆるやかに流れ最後に庭へと注ぎ込む
発想には感嘆するばかり。

応挙の次は、邨田丹陵の「富士一之間」と「富士二之間」
http://www.konpira.or.jp/museum/shoin/permanent/section/huji.html
「富士一之間」は、応挙の滝に同じく、
室内の空間いっぱいに富士の裾野の広がりを感じさせる間。
余計な装飾が無く、墨の濃淡ですっと描ききった風情がよい雰囲気。

「富士二之間」は、富士ではなく源頼朝一行の鹿狩が描かれていて、
こちらは細かな筆遣いで襖いっぱいに鹿や馬が駆け巡ってた。
こちらの間では「富士山杉樹図屏風」(後期のみ、
前期は「源氏物語図屏風」を展示)も畳の上に。

 

書院内部は撮影不可でも、嬉しいことにお庭の撮影はOKだった。

ここ↓は蹴鞠用の庭。
DSCN3392.jpg
四隅に植えられている樹は四季を表し、
どの樹も二股に分かれている。
これは神聖な場であるが故で、この二股の部分に神が降りて来る、
というお話だった(、確か)。

DSCN3400.jpg

DSCN3407.jpg  DSCN3414.jpg 


ところで書院内の廊下の突き当たりに穴の開いた貨幣で作った鳥の親子の絵があって、
雉だったか鶏だったか忘れてしまったのだけど、その細工の見事さが凄く印象的だった。
寝かせてみたり立ててみたり、ここも貨幣なの?!と驚くばかり。
なのにこんぴらさんのサイトでは情報が見つからない。写真だけでもまた見たいのに。

 

【奥書院】
http://www.konpira.or.jp/museum/oku_shoin/index.html

通常非公開の奥書院。
若冲の「花丸図」岸岱の「水辺柳樹白鷺図」がある。
「花丸図」の襖に囲まれることが出来るのかと
期待に胸を膨らましまくりで行ったのだが、それは叶わず・・・無念。

「花丸図」のある上段の間に座ることは出来ないとはいえ、
「花丸図」の手前の襖は外されて別途展示されているので、
思う存分近寄ることが出来る。
上段の間の方の襖は鑑賞位置から奥の方に少しばかり離れている上に、
ほのかに薄暗いので細部を間近で観たい衝動に駆られる不完全燃焼な
思いにとらわれつつ、つい入口で正座して留まってしまう。
東京での展示では他の襖等の複製には違和感ないどころか騙されたくせに、
花丸図だけは、複製とはいえ正に囲まれる、ということが可能だったにも関わらず
何故か全く気分が盛り上がれなかったのを思えば、
そのあるべき姿を垣間見れただけでも、やはり有難い。
光が当たって金がまばゆく煌く様なんて観たら、悶絶するだろうな・・・。

百科事典の如き蝶の乱舞に飛び立ち舞い降りる白鷺の様など、
岸岱もかなりな力量だと思うのだけど、若冲への入れ込み具合が邪魔をするのか、
どうしても若冲>岸岱に感じてしまう。
先入感ってよくないよな、と思うのだけれど・・・。

163年ぶりの里帰りという、(伝)若冲の燕は、障壁画の形で観られるのかと
期待していたら、断片だった。
若冲らしい様な、そうでもない様な、消え入りそうなほど儚げな燕だった。
(後々見ると、リストにも「飛燕図断片」と明記してあった。)


【白書院】
http://www.konpira.or.jp/museum/tsubaki/0012/tsu-ba-ki.html

こちらも通常非公開だそうで、現在は金刀比羅宮文化顧問の
田窪恭治氏が障壁画「椿」の制作中で、その作成中の画を観ることが出来る。
この障壁がにちなんで椿書院と呼ばれる様にもなったとか。

パステルっぽい独特のタッチは面白いと思うけど、
残念ながらその良さがよくわからず。この画風は書院にあうんだろうか・・・。


【高橋由一館】

http://www.konpira.or.jp/museum/yuichi/yuichi.html

DSCN3421.jpg
3階では「神椿展」が開催中で、新茶所「神椿」関連の習作や模型等、
こちらでも田窪氏の作品が展示されていて、
1階の常設展示では、高橋由一の作品が展示されていた。
(上記リンク先のページに高橋由一の展示作品画像へのリンク有り)

DSCN3424.jpg こんな素敵な特大ポスターが。


日本近代洋画の祖とのことだけど、実は有名な「鮭」の作者だったとは知らず。
自ら絵を奉納したり、宮司が絵を購入したりと、こんぴらさんとの縁も深かったらしい。
そんなに好みのタイプではないかなと思ったけれど、
小襖仕立の「月下隅田川」は“青”好きを惹きつける情緒があって、印象に残った。


【宝物館】
http://www.konpira.or.jp/museum/houmotsu/houmotsu.html
(上記リンク先のページに展示作品のリスト有り)

DSCN3428.jpg

DSCN3431.jpg 各館の入口には巡礼用の杖置き場も。

とても素朴でこぢんまりとした簡素な展示室。
1階は絵巻や掛軸等の日本画、2階には仏像等が展示されていた。
何気に長澤蘆雪の「鯉魚図」や司馬江漢の「扇面旭日鶴亀図」、
狩野尚信の「出山釈迦並梅竹図」(三幅対)が展示されているのがすごい。
他にも色々持ってるのか気になるところ。


【金毘羅庶民信仰資料収蔵庫】

DSCN3430.jpg
こちらでは「こんぴらさんの刀」展開催中なんだけど、
何故か「書院の美」展チケットは、書院のみか
書院+高橋由一館+宝物館の5会場、
もしくは書院以外の2会場どちらかの単独になっていて、
刀展だけ別扱い(料金)になっていた。
時間もないし刀はわからないのでスルー出来て結果オーライなんだけど、
どうせならセットに入れてしまえばいいのに、何故別にしたんだろうか。


昼過ぎの特急を予約している為、泣く泣くさぬきうどんを諦める。
お土産でも売ってるけど、現地で食すからこそ意味と味わいがあるのに、
讃岐に来ながらうどんを食べずに帰る己の邪道さに涙しながら、
せめてもと参道中のお土産屋さんで地ビールを生で頂く。
生ビールとおつまみで800円だったか。

DSCN3458.jpg  DSCN3456.jpg
しっぽりした生(!)の燻製に柚子胡椒のピリ辛さがオツ。
(ああ、うどん・・・。)


折角の機会なのに、兎に角駆け足の鑑賞になってしまったのは不徳の致すところ。
(大阪でも展覧会を観たかったからだけど、それは後から東京で観る事が出来たというオチ。
 ゆっくり堪能してくるべきだった、ほんとにお馬鹿である。
 このマイナスな運手繰り寄せる我が身が恨めしい。)

さよなら、こんぴらさん。また来れるかなあ・・・。
DSCN3469.jpg
地ビールのと同じタイプ(味)だった・・・。

 

大阪に辿り着いたら、朝日新聞のビルにこんな横断幕が。
行ってきたばかりですよー。
DSCN3544.jpg

 


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「鳥獣戯画がやってきた!」展@サントリー美術館 [展覧会@日本美術]


鳥獣戯画がやってきた!のでいってきた。

日本画に疎くても、知らない人はいないのであろう程馴染みのある「鳥獣戯画」。
よくよく考えると知ってるわりに本物は観た事がないから観てみたい・・・でも
知名度からいって凄く混みそうでそれはやだ・・・と葛藤してたけど、
国宝だもんな、一度くらい見とくべきでは・・・と平日夜間に足を運んだ。
(この時はわりとすいてたけど、絵巻なんて遠巻きに観るものでないから、
 行列でも大して問題なかったかも?)

 

「鳥獣戯画がやってきた!」展
会期: 前期 2007年11月3日(土)~11月26日(月) 
    後期 2007年11月28日(水)~12月16日(日)
会場: サントリー美術館@東京・六本木
           http://www.suntory.co.jp
    サントリー美術館内サイト内展覧会頁↓
    http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/07vol04chouju/index.html



↓ 会期前に配布されてたチラシ
元の絵のまんまではないけれど、シンプルにアレンジしてるところがらしくていい感じ。
  
 

↓ 会期中に配布されてたチラシ
最初のシンプルなのとは打って変わって、インパクトあり過ぎな程にガツンと。
好き好きが別れそうだけど、見て見て見て!というアピールは伝わってくる様な。

   
 

 ↓ チケット
この展覧会、前期後期通しの前売なんて売ってたのは有難いサービスだと思う。
屏風の時みたいに7回も展示替えされたら通いきれないけど、
前期後期くらいなら都合もつけやすいし。


 ↓ 誘導&ポスター
ポスターは、元のチラシに赤を差したデザイン。
そして地下鉄の駅からサントリー美術館へ向かう道すがら、変な足跡発見。
恐竜絡みかIT絡み(GIGA=ギガバイトかと思った・・・)のイベントでもあるのか??と
思ったら、この展覧会への誘導表示だった。
親切である
と同時に気合も伝わってくる。


兎の足型ってこんなんだったのか・・・。


↓ 美術館入口

こちらはまたしても派手なバージョンでどーんと。
配布してる作品リストも立派なものだった(展覧会頁の作品リストに同じ)。



会場に入ってまず一番最初にメインの国宝が展示されてることに驚き。
いきなりだけどこれはこれでテンション挙がっていいかも。

はるか昔の絵巻がこんなに綺麗な状態で保存されていることに感心するばかり。
そして、筆では間違った時にごまかしがきかないだろうに、
さらさらと運んだかの様な筆捌きには恐れ入るばかり。

しかもこの超国宝クラスがどこかの美術館・博物館でなく
お寺(高山寺)に保存されているってのがなんだかいい。
(根拠とかあるわけじゃないんだけど、歴史を感じるというかなんというか。)


「鳥獣戯画」の有名な兎と蛙のシーンが後期展示だったのはラッキー。
普段観る機会のないものこそ観たいのが常だけど、
やはりこれを観ないと観た気になれなさそう。


こちらは獅子なのだけど、吐いた息(煙?)の先にはなんと蝶がいたり。
蝶に向かって息を吐きかけたのか、息から蝶が生まれたのか、はて。
折角なんだから、ポストカードには蝶まで入れてほしかったところ。
なんで切っちゃうかな。


獅子に対抗してというか、麒麟まで登場。
柄が豹みたいだけど、豹を知っていたとも思えないし、
想像上の模様なんだろうか。


兎や蛙に限らず、他にも沢山の動物がご登場。
猫までいるとはちょっと意外で嬉しかった(猫好きなので)。

 


本物の後にはいくつかの写本(模本)や、鳥獣戯画の系譜に連なるものとして
擬人化された動物が登場する絵巻やユーモラスな巻物が展示されてたのだけど・・・。
出色というか異色は「勝絵絵巻」。前半が陽物比べで後半が放屁合戦だとかで、
展示も前者が前期、後者が後期の展示で、陽物比べの場面は観られず。
初耳の「陽物とは何ぞや?」と図録で確認したらば・・・。
ああ、そうですか。男の人が気にすることは今も昔も変わらないんだな~と苦笑。
(※男の人しかもってないものの大きさ比べ。変にリアルで変にデフォルメされてる様な・・・。)
放屁合戦なんてものを絵巻を初めて観た時もそんなもの描いてたのかとびっくりしたけど、
そんな比じゃない衝撃。これ、誰が描いて誰が楽しんだんだか・・・。
繊細な筆致で丁寧に描かれたものもあれば、こんなユーモアを通りこした様なものもあるなんて、
日本画の懐の広さ、奥深さをしみじみと・・・。

でも「放屁合戦絵巻」もあるんだから、どうせなら全期通して前半を展示して欲しかったかな。
好んでみるべきものでもなかろうけど、こんなレアもの見る機会ってまずないだろうから。
描いたこと自体がスゴけりゃ(こんな絵って世界で他に例があるんだろうか・・・?)、
所蔵した三井記念美術館もスゴいし、展示したサントリー美術館もスゴイ。
しかし、西洋のヌードは宗教ものでもどちらかというと綺麗目に描くのに、
日本のってあまり色気が感じられないのは何故だろう・・・。


微妙なねたの後は、六本木にイルミネーションでお口直しならぬお目直しを・・・
といいたいところだけど、デジカメ忘れたので携帯画像で失礼・・・。
  


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若冲展@相国寺-動植綵絵と釈迦三尊像、120年ぶりのご対面- [展覧会@日本美術]

関西アート三昧:4日目


関西アート三昧、どれも自分の中では甲乙つけがたい展覧会ばかりだけど、
やはり目玉はこれだと言わざるをえないだろう、泣く子も黙る、「若冲展@相国寺」がオオトリ。

昨年、三の丸尚蔵館にて5期に渡って展示された「動植綵絵」。
これが全30幅が一堂に会した上に、相国寺にお里帰りして
「釈迦三尊像」3幅と120年ぶりにご対面なんて、駆けつけずにおられようかと。



↓チラシ
  


↓チケット
 
やっぱり葡萄~。

 

会期末に近づいた5月末、昼過ぎに到着なんて出遅れ過ぎ。
90分待の看板に迎えられ、チケット売場迄、約1時間。
そこから更に美術館入口迄、1時間弱。
こんだけ並んだのに、ボリュームの少ない本1冊読み終わらないどころか
2,30頁しか進まない自分って一体・・・。

行列ぶりに混雑を覚悟したものの、入場制限しただけあって、
展示室の中の混雑はそんなに(予想よりは)ひどくなかった。
流石に後戻りは不可だけれど。

目当ては動植綵絵とはいえ、その前に現れる、第一展示室の作品の数々の素晴らしいこと。
味のある水墨画はもちろんのこと、金閣寺の「鹿苑寺大書院障壁画」全50面の一括展示の豪勢さ。
床の間を原寸大で再現したという「葡萄小禽図」「月夜芭蕉図」なんて、
照明は暗いながらも、その雰囲気に圧倒され、その風雅さに呑まれるばかり。堪らんかった・・・。
これは、絵の写真だけ貼っても伝わらないだろうから、敢えて省略。
展示の様子をご覧になりたい方は、こちら↓のTakさんのブログでどうぞ。
先行プレビューに駆けつけられただけあって、解説も写真もばっちり。
 http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1014


もうこれだけでうっとりなところに、いよいよ第二展示室の「動植綵絵」に突撃。
が。残念なことに、人の捌き方が悪く、最後尾に並んでるのに列は進まない上に割り込まれ。
ダ・ヴィンチ展の「受胎告知」よろしく立ち止まり不可にまではしてほしくないけど、
最前列と第二列をロープはって区切るぐらいはしてよかったんではないかと。
細部に関しては、見逃した第1期以外は三の丸尚蔵館でオペラグラスにて
そのど迫力を堪能してるので、雰囲気重視で観ようと思ってたけど、
やはり人の頭で遮られるのも嫌なので辛抱強く最前列に並ぶ。

・・・素晴らしかった!
が。自分の視界が狭いのだろうか、「釈迦三尊像」と「動植綵絵」が一堂に会した様を
この目に焼き付けておきたいと思ったのに、会場が視界に納まり切らぬが故に一望出来ず・・・。
・・・不完全燃焼・・・。


鑑賞後はショップで三の丸尚蔵館でも買った「動植綵絵」の絵葉書を一揃いまた買いながら
(一応、製造は別なもので)、そそられる虎の絵のTシャツ(葉書一揃いと同じくらいの値段)も
手拭も我慢、でもポスター大小は買うなんて微妙なお買い物。
図録は勿論購入だけど、品切れで送料無料の予約注文。(重い荷物が減ってラッキー。)
図録は、動植綵絵が1頁につき1枚な上に、細部のアップもあったりなんかして、なかなか満足。


そして最後は、遠巻きに若冲のお墓参りで終了。
 左から藤原定家、足利義政、伊藤若冲のお墓。


なんだかあっという間だったな。でもほんと、こんな稀有な機会に立ち会えたことに感謝。
今回は時間がなくて、石峰寺にはお参り出来なかったのだけど、後から
五百羅漢が破壊されたニュースを知ってショック。
子供のいたずらとはいえ、お地蔵さんを壊すのが面白いなんて・・・
信仰心だとか学術的価値云々以前に、仏さんを壊すことをなんとも思わないとは、
日本人がそんなことするなんて、信じられなかった。
ことに京都の人は、人一倍、地元の文化に愛着を持って大事にしているとばかり
思っていただけに、尚更。一度壊れたものは元には戻らない。罪を償うことすら出来ぬのだよ!


さて、重い気分で締めくくるのもなんなので、気を取り直して、今回の画像はこんなで。
展示順に並べてみたり。

                       
         
                  普賢菩薩像 釈迦如来像 文殊菩薩像

                           
梅花小禽図 牡丹小禽図 老松白鳳図         老松孔雀図 芍薬群蝶図 梅花皓月図      

               向日葵雄鶏図                    南天雄鶏図

               秋塘群雀図                        蓮池遊魚図 

               椶櫚雄鶏図                       老松白鶏図 

               雪中錦鶏図                       雪中鴛鴦図 

               芙蓉双鶏図                       陽花双鶏図 

               梅花群鶴図                       老松鸚鵡図 

               芦雁図                                   芦鵞図 

               桃花小禽図                        薔薇小禽図 

               大鶏雌雄図                              群鶏図 

               貝甲図                              池辺群虫図 

               紅葉小禽図                        菊花流水図 

               群魚図(鯛)                        群魚図(蛸) 

 動植綵絵に関しても、やはりTakさんのブログを参考にさせて頂きました↓有難うございます!
 http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1012

 


 ・・・いつか、マグリットの「光の帝国」も全作品揃わないかなあ・・・(ぼそっ)。


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ギメ東洋美術館所蔵 浮世絵名品展@大阪-其の弐 [展覧会@日本美術]

関西アート三昧:2日目


先日、図録が見つからず、てれっとした記事書いてしまったのに、
翌日になってあっさり出てきたので、折角なので少々図録頼りの感想を懲りずにプラス。


↓図録
両面表紙な勢い。
表紙はビニールコーティングでもしたかの様なつるつるの光沢。
画像ではそれを伝えられないのがもどかしい・・・。

  

ちなみにこの虎と龍、図録でも仲良く見開きで左右に並んでるんだけど、
その両頁とも二つ折になってて、開くとそれぞれのアップのピンナップ状態。
図録を切るなんて勇気が無い限り飾ることも出来ないんだけど、
こういう気合は結構好き。


肝心の浮世絵、美人図とかのイメージが強いけど、
どうも人を描いたものにはあまり興味がわかないのか、
印象に残ったのは動物物ばかり。

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ギメ東洋美術館所蔵 浮世絵名品展@大阪-其の壱 [展覧会@日本美術]

関西アート三昧:2日目


 「特別展 初公開 ギメ東洋美術館所蔵 浮世絵名品展」

http://www.nhk-p.co.jp/tenran/ukiyoe/index.html

・東京展
  
前期 2007年1月3日(水)~1月26日(金)
  後期 2007年2月1日(木)~2月25日(日) @ 浮世絵 太田記念美術館
  http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/dis070102.html

・大阪展
 
2007年4月10日(火)~5月27日(日) @ 大阪市立美術館 
 http://osaka-art.info-museum.net/special018/special_guimet..html
↓チラシ
 
このチラシも背景が金、ってのがインパクトあっていいんだけど、
東京の、黒をバックに北斎の龍虎の迫力を前面に押し出したのもよかったな
(持ってないかも・・・)。
※どんなのかご覧になりたい方は、
Takさんのブログの記事をどうぞ。
 解説も詳しいですよ~。


チケットは、歌川広重の 「月に雁」↓
 

 

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「若冲と應擧」展@足利・龍泉寺 [展覧会@日本美術]


 

足利厄除大師・龍泉寺にて、3日間限定で開催中の、ほほえみ美術館。
創建800年を記念して、お寺からの地域文化発信の為に始めて、今回で3回目だそうだが、
今年は「若冲と應擧」展と称されていたのですっ飛んで行った。

美術館といっても、お寺の本堂に作品が展示されている。
本堂なのでスペースは限られてるのだけど、数々の作品がところ狭しとひしめきあっていて、
屏風だろうが掛軸だろうが、好きなだけ近寄って観れるという贅沢さ。
15時半頃到着すると、関係者の方が解説会をされていた。ギャラリートークつきとは、恐れ入った。
(流石にに作品リストはない。そこまで労力は割けないだろうとは思うけれども、
 これだけ作品が並ぶとやはり欲しくなる・・・。)

出品作も、お寺所蔵のものに、近隣の個人蔵の作品が加わってるとのことで、貴重な鑑賞機会。
3日間と会期が短いのが惜しい。
それにしても出品作家は錚々たる面子で、タイトルに挙がった2人の他、
横山大観や東山魁夷から東郷元帥や徳川慶喜に至る迄、幅広い品揃え。
小川芋銭の作品が結構多かった。

そしてタイトルに挙がった、伊藤若冲は、2作品3点
(という数え方でいいんだろうか。双幅の対になった作品を1つと数えました)。
「庭鳥図双幅」は若冲78歳の時の作品。
198cm×73cm(←掛軸全体のサイズだと思う)で大きい。
府中での「動物絵画の100年」展で観た作品は、同じ墨でも
すっとしたシンプルなよさだったけど、この鶏、特に「雄鶏」は、
大きさ故の力強さもあるのか、精巧緻密に描かれた極彩色の鶏とはまた違った迫力。堪らん。
(チラシの鶏がそれ。)
残るもう一つの作品は、結構お馴染み(?)の「伏見人形図画賛」(1879年)。


円山應擧の方は、2点。
「狗子」(1769年)と「幽居積雪図」
チラシ裏には後者が掲載されてるけど、是非「狗子」の方を載せて欲しかった。
墨でしゃっしゃっと刷いた様な左の仔犬と、
後ろ姿で毛の輪郭をすっすっと描いただけの右の白い仔犬(巻いた尻尾がまた・・・)。
応挙の仔犬をまた堪能出来て嬉しかった。


今迄知らなかった画家で、よかったと思ったのが、木村武山
「牡丹図屏風」の線と面の柔らかさ。
「梅図」の苔むした幹のぼかし加減。
「秋の雨」の、一面の赤い葉の柔らかな鮮やかさ。
「林和精」(?)の女人の青い衣の色の移ろい。
いや、よかった。


小杉放庵
一連の竹もよかった。
「竹画賛」、若冲や芦雪が描いた竹を思わせる、
細筆で一本の線を刷いて繋いだだけの、すっとした竹。
「白衣大師」の、墨の柔らかな質感で描かれた竹林、程よい太さの竹とその葉。
「叢竹梅花」は、さりげない梅のかわいさもよいのだけど、
細かくちりちりと線を連ねた竹の葉に目がいってしまう。
竹の描き分け、魅せる人である。


下村観山
も、今迄名前しか知らなかったけど、
「鵜舟」の墨が・・・筆遣いというか、なんというか、味わい深かった。


画像を貼れば伝わるってものでもないけれど、言葉だけじゃ伝えるのって難しい・・・。
是非ご覧下さいといっても、もうあと1日にしか残っていない。
来年にもまた、期待しよう・・・。

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ほほえみ美術館 「若冲と應擧」展
2007年5月3日(木)~5月5日(土)   10時~17時(最終日のみ16時迄)
無料

http://www.ryusenji.net/hohoemi2007.pdf
(↑pdfファイル)


足利厄除大師 龍泉寺
栃木県足利市助戸 1-652
TEL 0284-41-5685 / FAX 0284-40-1555





こんなん売ってます!



お守りに使用されている絵は皆、「庭鳥図双幅」の「雄鶏」。
背景が8種類もあると迷ったけど、これ買いましたー↓

  


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「動物絵画の100年」展・おまけ [展覧会@日本美術]


もうおんなじ展覧会のねたは終わっていいだろ、というかくどいだろ、と思いつつ・・・。

7343964.jpg

≪長澤蘆雪≫

の、

なんともいえない
「若竹に蛙図」
 
7343713.jpg

とか、

ざっと刷いた甲羅に対してつぶらな瞳が印象的な

「亀図」
7303930.jpg 
←部分


とか、画像貼ってなかったよな・・・とか思って・・・というのは言い訳で。
猿と蜂の組合せがどうしたとか、
北斎の鯉は体が透けて水草が見えてるとか、
菅井梅関の「昇竜図」は、龍が何気にかわいいとか、
芦雪の襖絵、屏風図が他にもあったとか、

今回の日記書いても、こんだけ書き足りなかったりするんだけど、
これだけはやっておきたかったしょーもないねたが。

≪菅井梅関≫

「鵞鳥図」
7303777.jpg
気に入ったわけではないのに、妙に目がいくのは
ヘタウマなのかインパクトが強いのか
(てきとーそうなゆるい線だけど、
 何気に水面下の水かきまで描き込んでたり)

とか、
 

≪東東洋≫

「柳に黒白図」
7303785.jpg
黒と白の対比なのにコントラストがゆる~い為に
気づかなそうなこの絵とか・・・。



   ↓
   ↓
   ↓
   ↓
   ↓

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