茶碗の美 -国宝・曜変天目と名物茶碗- 展@静嘉堂文庫美術館 [展覧会@日本美術]
2008年2月9日(土)~3月23日(日)
@静嘉堂文庫美術館
観るのはもっぱら絵ばかりで、焼物には 全く疎い身ですら、
その名を聞いて反応してしまうのが、世に名高き「曜変天目」。
一度は観たい、でもまた別の機会に観れるから今回でなくていいかも?
と逡巡してた背中を押したのが、Takさんのブログで目にした展覧会チラシの迫力。
■チラシ↓
ずばんと超直球ど真ん中!凝ったデザインなど無用の訴求力。
目の前にあるのは実物ではなく写真に過ぎないのに、なんたるオーラ。
まず最初に、曜変天目をはじめとする焼物の解説は、
是非こちらのTakさんによるサイトでどうぞ↓
http://www.icnet.ne.jp/~take/tennmoku.html
勉強になります。
≪唐物茶碗≫
「曜変天目(ようへんてんもく)」
展示室入口すぐ、いきなり独立したケースの中に鎮座ましましてる。
黒に見える程深い藍の中に星の様に浮かぶ紋。
この紋が 螺鈿 の様に薄く光を帯びている。
まさに小宇宙の赴き。
碗が映える様に銀の布地の上に置いたのだろうけど、
その色が反射して外側がやや見辛いのが残念だったけど、
シンプルな無地に虹色の光を薄くまとった様はやはり印象的。
「油滴天目(ゆてきてんもく)」
ランク的には「曜変天目」の1つ下だそうだけど、
これがまたとても素晴らしい。
一面に散った青味がかった斑点の美しさはえもいわれぬ程。
赤くて彫がはっきりした唐物漆器の台の派手さが意外だった。
「禾目天目(のぎめてんもく)」
前者に比べると一見地味だけれど、
シンプルな中に光沢を持つ美しさがまた際立っていた。
「灰被天目(はいかつぎてんもく)」
外側の全体を覆う、虹色の様な銀色の様な光沢が美しかった。
「玳玻天目(たいひてんもく)」
この味わい深さをなんと表現したらいいのか、
3D画像を連想しそうな模様がなんとも印象深くて惹きつけられる。
≪高麗茶碗≫
「御本雲鶴茶碗(ごほんうんかくちゃわん) 銘 あしべ」
外側に細い線で描かれた飛び交う鶴が見事。
内側の底にはさっとした線で雲が描かれてる。
「絵御本千鳥文筒茶碗(えごほんちどりもんつつちゃわん)」
さらっと薄書きの千鳥が数羽、碗の外側を下から上へと
斜めに連なっているのが、口から内側へと斜めに下降してる様が
みていて微笑ましい。
≪和物茶碗≫
「瀬戸唐津皮鯨茶碗(せとがらつかわくじらちゃわん)」
(これが噂の皮鯨!)
意外と大ぶりで、色もあっさり地味目。
この味わいをわかるには、まだまだ修行が必要か。
「射和万古色絵葡萄文茶碗」
白泥の上に葡萄を描いたのが、なんだかしみじみい
い感じをかもし出していた。
「呉器写茶碗(ごきうつしちゃわん)」
ベージュに近い薄いオレンジの地の上に、淡いオレンジの斑点が散る様が
曜変天目をアレンジしたかの様で印象的。
(※見た目の印象は全く異なります。)
「御本写サビ絵富士図茶碗(ごほんうつしさびえふじずちゃわん)」
墨で描いたかの様なすっとした力強い富士の姿がとても印象的。
茶碗の基礎知識を持たないものが画像なしでその味わいを
伝え様にも限界があるので、是非直にご覧頂きたい(・・・て
明日で終わりなんで役立たずで申し訳ないです)。
・・・経費節減の為、泣く泣く図録は諦めたものの、
是非記録として写真つきの資料を手元に置きたくなる、
素人にも充分楽しめる展覧会だった。さすがお宝である。
眼福。
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