左官 挾土秀平 『土と水陽』展@Bunkamura Gallery [展覧会@日本美術]
地下1階のザ・ミュージアムに行く前に、取り敢えずまあ駆け足で覗いとこうかと軽い気持ちで
1階のGalleryに足を踏み入れたらば、ザ・ミュージアムに辿り着けなかった。
鏝絵という言葉を目にしたことはあれど、こういう形で目の前に現れるとは。
筆ではなく鏝による、左官の挾土秀平氏の作品展。
KIRINの「白水」というむぎ焼酎のCMに出てたりする程有名な方なのに、
テレビ見ない&ビール党なもので、恥ずかしながら今回初めてお名前を知った。
・KIRINサイト http://www.kirin.co.jp/brands/sw/hakusui/index.html
左官 挾土秀平 『土と水陽』展
http://www.bunkamura.co.jp/gallery/100603hasado/index.html
【会場】 Bunkamura Gallery
〒150-8507 東京都渋谷区道玄坂2-24-1 TEL:03-3477-9174
【会期】 2010年6月3日(木)~6月13日(日) 10~19時半 (最終日は17時迄)
※入場無料
DM×2↓
・・・渋い。渋すぎる。ご本人も作品も。
土、植物、石と、左官業にとっては切ってもきれない身近な素材を使った作品は、
その色肌の雰囲気がめちゃめちゃ自分にどストライクだった。
そしてまた、作品の脇に掲示してある、ご本人が紡いだ言葉の数々。
なんと、作品からイメージした世界を言葉に表わすのではなく、
言葉が先で、言葉からイメージされる世界を作品で表現するのだそう。
ご本人は「いかれた言葉」なんて仰ってたけど、凄くストイックな感じがした。
会場は3分割されており、最初はKIRINコーナー。
※会場内の撮影は許可を頂いています。
写真には写っていないけれども、正面にこれも作品?!と
驚く意外なものも展示されている。それは、浴槽(たぶん・・・)。
作品というか、本当に商品化してるんだろうか。
勿体無くて使えない様な。
真ん中のコーナーは、「青と琥珀」というタイトルのストーリー仕立て。
土の色合いのあたたかさにも惹きつけられるのだけれど、
ぱっと一目観た瞬間に惹きつけられたのは、月。
なんという描写、なんという味わい。
「青と琥珀」の言葉は、ご本人のブログに掲載。
http://blog.syuhei.jp/?eid=118122#sequel
奥のコーナーは、まさに土を感じる作品が並ぶ。
その手前の通路に、これまでの仕事写真が。
実際に足を運んでみたくなるものばかり。
この部屋だけ、露出設定をミスしてしまい、赤くなってしまった。
色のよさが伝わらず、忸怩たる思い。
(実際の作品の美しさは、Bunkamura Galleryのサイトでご覧頂けます。)
本来は会場内撮影不可だけど、この記憶を残しておきたくて
ご本人にお願いして許可を頂いて撮影したのに、
こんな失敗をして本当に申し訳ありません。
結局1時間位、「ほうけてる」と言われる程に堪能して、帰り際に↓の著書を買ってサインを頂いた。
・・・字も素敵過ぎる。
- 作者: 挟土 秀平
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2008/09/27
- メディア: 単行本
たいがい展覧会をじっくり観た後は気疲れするのに、
珍しくテンション上がった状態で家路に着いた。
(パネルの奥の茶色い物体が浴槽。)
「歌川国芳 奇と笑いの木版画」展@府中市美術館 [展覧会@日本美術]
葉桜の季節になってから云うのもなんだけど、春といえば桜。
美術館で桜といえば、東京国立博物館の庭を満喫出来る「博物館でお花見を」を魅力的だけれど、
日本画好きには、何をおいても府中市美術館。桜も絵画も鑑賞出来て、一粒で2度美味しい以上のものがある。
毎年、春には気合入れまくりの江戸絵画展で堪能させてくれる府中市美術館が今年は浮世絵と来た。
ロンドン→ニューヨークと巡回した「KUNIYOSHI」展に張り合ったのかどうかはしらないが、取り上げたるは、歌川国芳↓
「歌川国芳 奇と笑いの木版画」展
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/kuniyoshi/index.html
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/kuniyoshi/files/kuniyoshi-mokuroku.pdf
↓ チラシ表
↓ チラシ裏
↓ チケット表
毎年春に作成するチラシはA4見開き以上の大物でそこからして
力の入れ具合が伝わってくるのだけれど、今年はまだ物足りなかったらしく、
オールカラーで3枚綴り。
曇り空なのが残念だけれど、満開の桜を愛でつつ、美術館へ。
あちこちで笑いをとっているのが、こちらの看板。
猫@鯨の背中が、頑張っているそうな。そういやチケットも猫ですね。
こちらでは骸骨がアピール。
国芳といえば、武者絵に妖怪、むだ書き、寄せ絵、猫に金魚と
残した作品の作風の幅広さったらない。
どれもそれぞれの味わいがあり、一定のレベル以上を保ってるのが凄い。
どんな絵を?と気になった方は、wikiを見て頂いた方が早いと思うのでリンク貼っときます。
(色々あるので、挙げてると大変・・・。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E5%B7%9D%E5%9B%BD%E8%8A%B3#cite_note-2
国芳作品での中では、なんたって、金魚づくしが楽しすぎて大好きだ。
なのに。何故か広重・巴水好きの自分は何故か、国芳にはまりきれない。
今回の展示を観てもそれは変わらなかったのだけど、では展示が楽しめなかったかというと、その逆。
大好きな金魚づしが、前後期通して、なんと1点しか展示されない。なんて大胆な選択をしたんだろうか。
だけどそれ以外の作風がずらりと並び、美しい肉筆画まで目の当たりにすると、
金魚づくしがないことの不満が湧いてくることも無く。
好きな絵、観たい絵が無くても不満を抱かせないどころか、今迄断片的にしか知らなかった
国芳の世界に鑑賞者を巻き取っていく感じ。
やはり、春の府中は正解。
ちなみに、展示室を出たところには、府中市美術館の誇るゆるキャラ(?)、
ぱれたんとむら田が火花をちらしていた。
(※写真は許可を得て撮影しています。)
ぱれたんの寺子屋では、ちょっとしたクイズ形式のガイドと、
多色刷りが体験出来るコーナーが↓
枠というかスタンプの下に葉書を差し込み、上から押す、を
5回繰り返すと、
こういう葉書がつくれます。
若干ずれたけど、不器用な自分にしてはまずまず。
スタンプ陰気なので発色も綺麗でかすれにくい。
対するむら田やは・・・。
お遊び通り越して商売を。
ここで葉書と図録が買えます。
(※レシートは出ないそうなので、必要な方は1階のミュージアムショップをご利用下さい。)
壁に貼り付けられた浮世絵が雰囲気だしてる中で、
そろばん片手なむら田。 自分のキャラを心得てるのが憎い?!
桜も終わるかけてるけれど、これからは新緑が綺麗な季節。
今日から後期が始まった、府中市美術館へ是非どうぞ。
国芳の魅力を魅せてくれます。
山水に遊ぶ展・後期@府中市美術館 [展覧会@日本美術]
山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年 展@府中市美術館
後期はAとBの2期にわかれていて、既に後期Bに入ってるけど、
遅ればせながら後期通しの作品から御紹介。
やっぱりなんといってもイチオシは蕭白。堪らない。
奇想天外で自由闊達な異才のイメージとは違う正攻法(?)の上手さにうっとり。
個人的に「動物絵画の100年」の顔は蘆雪だったけど、今回は蕭白で決まりかなと思った。
【会期】
前期 : 2009年3月20日(金・祝)~4月12日(日)
後期A: 2009年4月14日(火)~4月26日(日)
後期B: 2009年4月28日(火)~5月10日(日)
※展示替リスト(展示作品リスト) ↓
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/sansui/files/sansui-list.pdf
【会場】 府中市美術館
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/index.html
※ 後期通しの作品を御紹介する前に。
常設展では5月10日迄司馬江漢の特集がされていて、
そこに前期に展示されていた、池大雅の「山水図屏風」(個人蔵)も
展示されていたりする。しかも↓のポスターまであったり。
では、後期通しの作品をば。
↓ 小泉斐 「黒羽城周辺景観図 城東図」 大田原市黒羽芭蕉の館所蔵
前期の城西図に続いて、後期は城東図の展示。
城西図に同じく、視界の開けた見晴らしのよさが気持ちいい。
↓ 梁川星巌 「月ヶ瀬真景図」 個人蔵
画像ではわからないけれど、
山肌を描いた線の描写と、
画面下部の梅(?)の花を描いた点の描写の
対比が面白かった。
↓ 小泉斐 「黒羽城西之図」 大田原市黒羽芭蕉の館所蔵
もともとの色なのか変色したのかはわからないけど、
茶色の地に白い鶴が浮き上がる様で印象的。
← 部分
鶴の輪の下にある、白い小さな三角形は富士山だろうか。
だとしたら、おめでたい絵なのかも。
↓ 曾我蕭白 「月夜山水図屏風」 右隻・左隻 近江神宮蔵
小さい画像で申し訳ないけど、これは是非肉眼で観て頂きたい作品。
墨で描いた世界の中に、ハイライト的に点在する赤と白の差し色に
薄くたなびく金色の霞の存在感。
近寄って観るのと離れて観るのとではまた印象が違うので、
つい前後左右をうろうろしてしまい、離れ難かった。
流石に、学芸員さんが蕭白の最高傑作レベルと仰るだけのことはある作品。
↓ 曾我蕭白 「比叡山図」 滋賀県立琵琶湖文化館所蔵
霞のぼかし方とか、流石に上手いと感心。
↓ 池野大雅 「近江八景図」 個人蔵
「動物絵画の100年」における仙厓のポジションにあるのが
この作品だろうか、なんて思ってしまったり。
いい感じに肩の力が抜けた様な洒脱さが楽しい。
普通に描いて上手い人なんだろうけど、
こういった作品の方が好きかも。
↓ 葛飾北斎 「萩の玉川図」 板橋区立美術館所蔵
板橋区立美術館、他にも出品作品があるけど、
何気にいいものもってらっしゃる。
上手さ全開、迫力全開な作品とは一味違った
すっとした上手さを感じる作品。
↓ 浦上玉堂 「山邨読書図」 個人蔵
木の筆でも使ったのだろうかという様な、
ラフというか独特の線が面白い作品だった。
↓ 長澤蘆雪 「赤壁図」 個人蔵
迫力のある様でいて滑らかな様な筆致、
そしてなんともいえない色合いと、
流石は蘆雪、魅せてくれる、とうっとり。
↓ 横井金谷 「赤雪景山水図」 個人蔵
ラフでかわいい線が観ていて楽しい。
↓ 鈴木芙蓉 「鼇背蓬莱図」 個人蔵
亀の上に蓬莱山が乗っている図。
宙を舞う鶴もかわいいのだけど、
上目遣いの亀の目線がツボ。
↓ 長澤蘆雪 「蓬莱山図」 個人蔵
よくある蓬莱山(といえる程観てないのだけれど)や
上の絵の蓬莱山とは随分違う印象の蓬莱山。
でもちゃんと鶴も亀もいたり。
(亀が砂浜を更新しているのがなんだか微妙にかわいかったり。)
なんだかリラックスして描いた様な気がする味がある
(、と勝手に思ってみたり)。
・・・とやっつけ仕事的な記事になってしまったけども、
後期Aと後期Bの作品も別途御紹介したいと思う。
既に会期末まで1週間切ってしまったけど・・・。
浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展@日本橋高島屋の出品作品展示リスト [展覧会@日本美術]
■■ 浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展 @ 日本橋高島屋 ■■
とうとう最終会場での展示が始まった浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展。
取り急ぎ、出品作品の展示リストをup。
【会場】日本橋高島屋 8階ホール
【会期】2009年4月29日(水・祝)~5月11日(月)
【時間】 10~20時 (最終日のみ18時迄)
【料金】 一般1000円/高大生800円/中学生以下無料
・前売券or20名以上の団体は各200円引
・障害者手帳保持者と同伴者1名は無料。)
・夜間入場半額制度の実施有無は不明
↓ チケット
ちなみに東洲斎写楽の「四代目岩井半四郎の鎌倉稲村が崎のおひな娘おとま
実は楠政成女房菊水」と「三代目市川高麗蔵の廻国の修行者西方の弥陀次郎
実は相模次郎時行」の揃い踏みは今回もあり。
但し特別扱いもキャプションもなく、ひっそりと佇んでたりして、それもまたをかし。
後程状態の良さにくらくらと堪能した感想は別途述べられれば・・・。
…前2会場で見かけてない様な気がしたのに
今回販売されているのを見て理性を失い、
展覧会オリジナル絵葉書全30枚としおり2種と
カード用のドレス・ステッカー4種を大人買いしたのは内緒だ!
■■ ベルギー王立美術歴史博物館 ■■
鈴木春信 (すずき はるのぶ) ※No3、No15は無款 | ||||
No1 | (やつしかきつばた) | 中判錦絵 | 明和4年(1767)頃 | (博) |
No3 | (やつし朝妻船) | 中判錦絵 | 明和3年(1766) | (博) |
No4 | (司馬光の甕割り) | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (博) |
No5 | (布袋と娘) | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (博) |
No6 | (布袋の道行) | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (博) |
No7 | 水仙花 | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (博) |
No10 | (臥龍梅の前の男女) | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (博) |
No11 | (鳥籠と男女) | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (博) |
No13 | (洗濯) | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (博) |
No15 | (座鋪八景 手拭掛の帰帆) | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70)頃 | (博) |
No18 | (傘を持つ若衆) | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (博) |
No20 | (五常) 礼 | 中判錦絵 | 明和4年(1767) | (博) |
No21 | (五常) 智 | 中判錦絵 | 明和4年(1767) | (博) |
No24 | 風俗四季歌仙 (庭の雪) | 中判錦絵 | 明和5年(1768)頃 | (博) |
礒田湖龍斎 (いそだ こりゅうさい) | ||||
No29 | (鼓を打つ子供) | 中判錦絵 | 安永年間(1772~81) | (博) |
No30 | (太鼓を叩く子供) | 中判錦絵 | 安永年間(1772~81) | (博) |
No32 | 雛形若菜の初模様 丁子屋内 ひな鶴 | 大判錦絵 | 安永5年(1776)頃 | (博) |
No33 | 雛形若菜の初模様 江戸町弐丁目たまや内 瀧川 | 大判錦絵 | 安永年間(1772~81) | (博) |
北尾重政 (きたお しげまさ) ※No45、No46は無款 | ||||
No43 | 八月 はつかりかね | 中判錦絵 | 安永年間(1772~81) | (博) |
No44 | やつし八景 比良暮雪 | 中判錦絵 | 安永年間(1772~81) | (博) |
No45 | (芸者と三味線箱を持つ女) | 大判錦絵 | 安永6年(1777)頃 | (博) |
No46 | 絵抄細見図 京町二丁目ゑちぜんや内 こと浦 | 大判錦絵 | 安永6年(1777)頃 | (博) |
一筆斎文調 (いっぴつさい ぶんちょう) | ||||
No37 | 三十六花撰 角かなや なゝあや | 中判錦絵 | 明和後期(1768~72) | (博) |
No38 | (大だるまと子供たち) | 中判錦絵 | 明和年間(1764~72) | (博) |
鳥居清経 (とりい きよつね) | ||||
No42 | (三代目市川海老蔵の五役) | 細判錦絵 | 明和9年(1772)11月 | (博) |
鳥居清長 (とりい きよなが) | ||||
No49 | 江都八景 台嶺鐘声 | 中判錦絵 | 天明元年(1781)頃 | (博) |
No50 | 茶見世十景 下谷 | 中判錦絵 | 天明3年(1783)頃 | (博) |
No54 | (三代目大谷広次の三浦荒次郎 三代目市川八百蔵の鎌倉順礼太郎七実は悪源太義平 三代目沢村宗十 郎の熊野順礼十作実は小松の重盛 六代目中山小十郎の伊豆の順礼長兵衛実は長田の太郎景宗) | 大判錦絵 | 天明5年(1785)11月 | (博) |
No55 | (三代目沢村宗十郎の楠木正行 嵐村次郎の弁内侍) | 大判錦絵 | 天明6年(1786)11月 | (博) |
No56 | (五代目市川団十郎と従者) | 細判錦絵 | 天明3~4年(1783~84) | (博) |
No58 | 子宝五節遊 (七夕) | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (博) |
No59 | 子宝五節遊 (重陽) | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (博) |
No60 | (吉原歓々楼遊興) | 大判錦絵3枚続 | 寛政前期(1789~95) | (博) |
歌川豊春 (うたがわ とよはる) | ||||
No61 | (越前屋内唐土) | 細判錦絵 | 明和末期(1770~72)頃 | (博) |
No63 | 浮絵鼠嫁入図 | 横大判錦絵 | 明和末期~安永(1770~81) | (博) |
勝川春章 (かつかわ しゅんしょう) | ||||
No65 | 品川八景 八ツ山の秋月 | 中判錦絵 | 明和8年(1771)頃 | (博) |
No68 | (真田与市・俣野五郎組討) | 中判錦絵 | 明和後期(1768~70) | (博) |
No69 | (一条戻橋) | 中判錦絵 | 明和後期(1768~70) | (博) |
No70 | 西方 関ノ戸八郎治 出羽ノ海金蔵 | 大判錦絵 | 天明6年(1786)頃 | (博) |
No71 | (楽屋の三代目大谷広治) | 大判錦絵 | 天明2~3年(1782~83)頃 | (博) |
勝川春好 (かつかわ しゅんこう) | ||||
No73 | 横綱ノ図 谷風 | 大判錦絵 | 寛政2~4年(1790~92)頃 | (博) |
勝川春英 (かつかわ しゅんえい) | ||||
No75 | 温海獄 荒海 黒雲 | 大判錦絵 | 寛政3~4年(1791~92)頃 | (博) |
勝川春旭 (かつかわ しゅんきょく) | ||||
No79 | 新板浮絵頼光大江山入之図 | 横大判錦絵 | 安永後期~天明前期(1776~85)頃 | (博) |
喜多川 歌麿 (きたがわうたまろ) | ||||
No99 | (六玉川 野田の玉川) | 大判錦絵 | 寛政7~8年(1795~96)頃 | (博) |
No100 | 風流四季の遊 水無月 水売 | 大判錦絵 | 寛政10~11年(1798~99)頃 | (博) |
No101 | (母と子) | 長大判錦絵 | 寛政12年(1800)頃 | (博) |
No104 | 夏衣裳当世美人 伊豆蔵仕入のもやう向キ | 大判錦絵 | 文化元~3年(1804~6)頃 | (博) |
No84 | 青楼十二時 続 子ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No85 | 青楼十二時 続 丑ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No86 | 青楼十二時 続 寅ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No87 | 青楼十二時 続 卯ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No88 | 青楼十二時 続 辰ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No89 | 青楼十二時 続 巳ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No90 | 青楼十二時 続 午ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No91 | 青楼十二時 続 未ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No92 | 青楼十二時 続 申ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No93 | 青楼十二時 続 酉ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No94 | 青楼十二時 続 戌ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
No95 | 青楼十二時 続 亥ノ刻 | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)頃 | (博) |
※上記の他に、ベルギー王立図書館所蔵の浮世絵の出品もあり
東洲斎写楽 (とうしゅうさい しゃらく) | ||||
No107 | (ニ代目瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木) | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)5月 | (博) |
No109 | (三代目市川八百蔵の田辺文蔵) | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)5月 | (博) |
No111 | (初代谷村虎蔵の鷲塚八平次) | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)5月 | (博) |
No112 | (初代市川男女蔵の奴一平) | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)5月 | (博) |
No113 | (ニ代目沢村淀五郎の川連法眼と初代坂東善次の鬼佐渡坊) | 大判錦絵 | 寛政6年 (1794)5月 | (博) |
No114 | (初代中島和田右衛門のぼうだら長左衛門と初代中村此蔵の船宿かな川やの権) | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)5月 | (博) |
No116 | (ニ代目坂東三津五郎の桂金吾春久) | 細判錦絵 | 寛政6年(1794)11月 | (博) |
No117 | (ニ代目嵐龍蔵の奴なみ平)とら屋虎丸 | 間判錦絵 | 寛政6年(1794)閏 11月 | (博) |
鳥高斎栄昌 (ちょうこうさい えいしょう) | ||||
No124 | 当世三美人 (難波屋おきた) | 大判錦絵 | 寛政7~8年(1795~96)頃 | (博) |
鳥文斎栄之 (ちょうぶんさい えいし) | ||||
No121 | 風流見立五葉松 金毛織帯地 | 中判錦絵 | 寛政年間(1789~1801) | (博) |
No122 | (藤棚下由良之助遊興) | 大判錦絵3枚続 | 寛政8~9年(1796~97)頃 | (博) |
北尾政演 (きたお まさのぶ) | ||||
No126 | 金沢八景 小泉の夜雨 | 中判錦絵 | 安永9年(1780)頃 | (博) |
No127 | 金沢八景 ひらかたのらくかん | 中判錦絵 | 安永9年(1780)頃 | (博) |
No129 | 当世艶姿拾形図 (芝居桟敷の三美人) | 中判錦絵 | 天明元~3年(1781~83)頃 | (博) |
No130 | 当世艶風拾形図 (座敷へ向かう芸者) | 中判錦絵 | 天明元~3年(1781~83)頃 | (博) |
喜多川 歌麿 (きたがわうたまろ) | ||||
No224 | 潮干のつと | 大本1冊 | 寛政元年(1789) | (博) |
※上記の他に、ベルギー王立図書館所蔵の浮世絵の出品もあり
北尾政演(山東京伝)・鍬形蕙斎ほか (きたお まさのぶ (さんとう きょうでん)・くわ がた けいさい) ほか | ||||
No225 | 四方の巴流 | 半紙本1冊 | 寛政7年(1795) | (博) |
葛飾北斎 (かつしか ほくさい) | ||||
No226 | 東都名所一覧 | 大本2冊(合本1冊) | 寛政12年(1800) | (博) |
No227 | 潮来絶句集 | 中本2冊 | 享和2年(1802)か | (博) |
No229 | 絵本隅田川 両岸一覧 | 大本3冊 | 享和~文化前期(1801~08) | (博) |
No230 | 富嶽百景 | 半紙本3冊 | "初編:天保5(1834)、二編:天保6(1835)、三編:刊年不 詳" | (博) |
No228 | 五拾人一首 五十鈴川狂歌車 | 大本 1 冊 | 享和2年(1802) | (博) |
※上記の他に、ベルギー王立図書館所蔵の浮世絵の出品もあり
岳亭春信 (がくてい はるのぶ) | ||||
No231 | 山水寄観狂歌集 | 半紙本1冊 | 文政3~6年(1820~23)頃 | (博) |
一楽亭栄水 (いちらくてい えいすい) | ||||
No125 | 美人合浄瑠璃鏡 (お染・久松) | 大判錦絵 | 寛政後期(1795~1801) | (博) |
窪俊満 (くぼ しゅんまん) | ||||
No132 | (向島遊山の図) | 大判錦絵3枚続 | 天明後期(1785~89) | (博) |
初代歌川豊国 (うたがわ とよくに) | ||||
No133 | 風流七小町略姿絵 雨乞小まち | 大判錦絵 | 寛政中期(1794~95)頃 | (博) |
歌川豊広 (うたがわ とよひろ) | ||||
No135 | 豊国豊広 両画十二候 七月 三枚続 | 大判錦絵3枚続 | 享和元年(1801) | (博 ) |
葛飾北斎 (かつしか ほくさい) | ||||
No138 | 浮絵 忠臣蔵夜討之図 | 横大判錦絵 | 天明年間(1781~89) | (博) |
No140 | 上埜 | 横大判錦絵 | 享和年間(1801~04) | (博) |
No141 | 亀井戸開帳 | 横大判錦絵 | 享和年間(1801~04) | (博) |
No144 | (鳥羽絵集 お稽古) | 中判錦絵 | 文化中期(1808~13)頃 | (博) |
No148 | 空満屋連和漢武勇合三番之内 (首ひき) | 色紙判摺物 | 文政3年(1820) | (博) |
No149 | 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 | 横大判錦絵 | 天保2年(1831)頃 | (博) |
No150 | 冨嶽三十六景 凱風快晴 | 横大判錦絵 | 天保2年(1831)頃 | (博) |
No151 | 冨嶽三十六景 山下白雨 | 横大判錦絵 | 天保2年(1831)頃 | (博) |
No155 | 冨嶽三十六景 東海道金谷ノ不二 | 横大判錦絵 | 天保2年(1831)頃 | (博) |
No160 | 諸国名橋奇覧 かうつけ佐野ふなはしの古づ | 横大判錦絵 | 天保初期(1833~34)頃 | (博) |
No157 | 百物語 さらやしき | 中判錦絵 | 天保2~3年(1831~32)頃 | (博) |
魚屋北溪 (ととや ほっけい) | ||||
No163 | (異人と羊) | 色紙判摺物 | 文政6年(1823) | (博) |
No165 | (藻中の鯉) | 色紙判摺物 | 文政年間(1818~30) | (博) |
No167 | (水辺の三匹の亀) | 色紙判摺物 | 文政~天保(1818~44) | (博) |
No168 | 春ノ山又 其一 | "色紙判摺物2枚続(大短冊判摺物2枚続の右)" | 文政後期(1824~30 )頃 | (博) |
No169 | 諸国名所 越中立山 | 横大短冊判錦絵 | 天保年間(1830~44) | (博) |
歌川広重 (うたがわ ひろしげ) | ||||
No179 | 東海道五拾三次之内 島田 大井川駿岸 | 横大判錦絵 | 天保4~7年(1833~36)頃 | (博) |
No180 | 東海道五拾三次之内 池鯉鮒 首夏馬市 | 横大判錦絵 | 天保4~7年(1833~36)頃 | (博) |
No181 | 東海道五拾三次之内 水口 名物干瓢 | 横大判錦絵 | 天保4~7年(1833~36)頃 | (博) |
No184 | 江戸高名会亭尽 両国柳ばし | 横大判錦絵 | 天保6~13年(1835~42)頃 | (博) |
No185 | 江戸高名会亭尽 湯島 | 横大判錦絵 | 天保6~13年(1835~42)頃 | (博) |
No186 | 江戸高名会亭尽 両国柳橋 | 横大判錦絵 | 天保6~13年(1835~42)頃 | (博) |
No191 | 木曽海道六拾九次之内 二拾六 望月 | 横大判錦絵 | 天保9~13年(1838~42)頃 | (博) |
No195 | 阿波鳴門之風景 | 大判錦絵3枚続 | 安政4年(1857)4月 | (博) |
No197 | 名所江戸百景 日本橋江戸ばし | 大判錦絵 | 安政4年(1857)12月 | (博) |
No198 | 名所江戸百景 大はしあたけの夕立 | 大判錦絵 | 安政4年(1857)9月 | (博) |
柳々居辰斎 (りゅうりゅうきょ しんさい) ※No170は無款 | ||||
No170 | 永代橋 | 横大判錦絵 | 享和~文化(1801~18) | (博) |
昇亭北寿 (しょうてい ほくじゅ) | ||||
No172 | 東都深川洲崎従弁天望海上 | 横大判錦絵 | 文化年間(1804~18) | (博) |
溪斎英泉 (けいさい えいせん) ※No199は無款 | ||||
No199 | 岐阻街道桶川宿 曠原之景 | 横大判錦絵 | 天保6~8年(1835~37)頃 | (博) |
歌川国貞 (うたがわ くにさだ) | ||||
No200 | (七代目市川団十郎の文覚上人 五代目松本幸四郎の不動明王) | 大短冊判刷物 | 文政 後期~天保前期(1825~36)頃 | (博) |
歌川派合筆 (うたがわはがっぴつ) | ||||
No202 | (七福神) | 大判錦絵 | 文化後期(1811~18)頃 | (博) |
歌川国芳 (うたがわ くによし) | ||||
No203 | 通俗水滸伝豪傑百八人之一個 小李広花栄 | 大判錦絵 | 文政末期(1827~30) | (博) |
No204 | 通俗水滸伝豪傑百八人之壹人 短冥次郎阮小吾 | 大判錦絵 | 文政末期(1827~30) | (博) |
No205 | 通俗水滸伝豪傑百八人之一個 智多星呉用 | 大判錦絵 | 文政末期(1827~30) | (博) |
No206 | 通俗水滸伝豪傑百八人之一人 花和尚魯知深初名魯達 | 大判錦絵 | 文政末期(1827~ 30) | (博) |
No207 | 金魚づくし さらいとんび | 中判錦絵 | 天保13年(1842)頃 | (博) |
No208 | 金魚づくし 酒のざしき | 中判錦絵 | 天保13年(1842)頃 | (博) |
No209 | きんぎょ尽 まとい | 中判錦絵 | 天保13年(1842)頃 | (博) |
No211 | 金魚づくし にはかあめんぼう | 中判錦絵 | 天保13年(1842)頃 | (博) |
No216 | 忠義重命軽 | 大判錦絵 | 天保13年(1842)頃 | (博) |
No217 | 開運出世合体七福神 | 大判錦絵 | 弘化年間(1844~47) | (博) |
No218 | 相馬の古内裏 | 大判錦絵3枚続 | 弘化年間(1844~47) | (博) |
No219 | としよりのよふな若い人だ | 大判錦絵 | 弘化末期~嘉永初期(1847~48) | (博) |
No220 | 人かたまつて人になる | 大判錦絵 | 弘化末期~嘉永初期(1847~48) | (博) |
No221 | 人をばかにした人だ | 大判錦絵 | 弘化末期~嘉永初期(1847~48) | (博) |
No222 | 年が寄ても若い人だ | 大判錦絵 | 弘化4~嘉永5年(1847~52)頃 | (博) |
■■ ベルギー王立図書館 ■■
鈴木春信 (すずき はるのぶ) ※No15は無款 | ||||
No232 | 寄菊 | 中判錦絵 | 明和2~7年(1765~70) | (図) |
No233 | (百人一首) 柿本人麿 | 中判錦絵 | 明和4~5年(1767~68) | (図) |
勝川春章 (かつかわ しゅんしょう) | ||||
No234 | (初代芳沢いろはの玉藻の前)(三代目大谷広次の三浦之介義明)(初代尾上多見蔵の祇園女御) | 細判錦絵3枚続 | 安永 5年(1776) | (図) |
喜多川 歌麿 (きたがわうたまろ) | ||||
No236 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 初だん | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No237 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 弐たんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No238 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 三だんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No239 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 四だんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No240 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 五たんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No241 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 六だんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No242 | 高名美人見たて忠臣蔵 十ニ段つゞき 七だんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No243 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 八だんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No244 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 九たんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No245 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 十だんめ | 大判錦絵 | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
No246 | 高名美人見たて忠臣蔵 十二段つゞき 十ーだんめ | 大判錦絵2枚続 | 寛政6~7年(1794 ~95)頃 | (図) |
No235 | (針仕事) | 大判錦絵3枚続のうち | 寛政6~7年(1794~95)頃 | (図) |
東洲斎写楽 (とうしゅうさい しゃらく) | ||||
No247 | (ニ代目小佐川常世) | 大判錦絵 | 寛政6年(1794)5月 | (図) |
No248 | (四代目岩井半四郎の鎌倉稲村が崎のおひな娘おとま実は楠正成女房菊水) | 細判錦絵 | 寛政6年(1794)11月 | (図) |
No249 | (三代目沢村宗十郎の孔雀三郎なり平) | 細判錦絵 | 寛政6年(1794)11月 | (図) |
葛飾北斎 (かつしか ほくさい) | ||||
No251 | 冨獄三十六景 凱風快晴 | 横大判錦絵 | 天保2年(1831)頃 | (図) |
No252 | 百人一首うはかゑと起 藤原義孝 | 横大判錦絵 | 天保6年(1835)頃 | (図) |
鳥橋斎栄里 (ちょうきょうさい えいり) | ||||
No250 | 郭中美人競 越前屋唐土 | 大判錦絵 | 寛政7~8年(1795~96)頃 | (図) |
歌川広重 (うたがわ ひろしげ) | ||||
No253 | 東海道五拾三次之内 庄野 白雨 | 横大判錦絵 | 天保4~7年(1833~36)頃 | (図) |
No254 | 冨士三十六景 駿河薩タ之海上 | 横大判錦絵 | 安政5年(1858)4月 | (図) |
歌川国芳 (うたがわ くによし) | ||||
No255 | 相州江ノ嶋之図 | 大判錦絵3枚続 | 嘉永中期(1849~52) | (図) |
No256 | 荷宝蔵壁のむだ書(黒腰壁) | 大判錦絵 | 嘉永元年(1848)頃 | (図) |
No257 | 荷宝蔵壁のむだ書(黄腰壁) | 大判錦絵 | 弘化4年(1847)頃 | (図) |
No258 | 東都名所 大森 | 横大判錦絵 | 天保初期(1831~33) | (図) |
No259 | 猫の当字(たこ) | 大判錦絵 | 天保13年(1842)頃 | (図) |
※上記の他に、ベルギー王立美術歴史博物館所蔵の浮世絵の出品もあり
浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展・再び東京へ [展覧会@日本美術]
■■ 浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展 ■■
“リターン”とはいっても、東京(表参道)、京都、東京(日本橋)と
3会場全て廻らなければ全展示作品をコンプリート出来ないという触れ込みなので、
太田記念美術館で昨秋開催されたものとは展示内容ががらっと異なることが予想される日本橋展。
※出品作品展示リスト作成しました ↓
http://magrittian.blog.so-net.ne.jp/2009-04-30-1
【会場】日本橋高島屋 8階ホール
【会期】2009年4月29日(水・祝)~5月11日(月)
【時間】 10~20時 (最終日のみ18時迄)
【料金】 一般1000円/高大生800円/中学生以下無料
・前売券or20名以上の団体は各200円引
・障害者手帳保持者と同伴者1名は無料。)
・夜間入場半額制度の実施有無は不明
・太田記念美術館での開催概要は同館のサイトをどうぞ↓
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/H2009Belgium.html
展示作品リスト(出品リスト)掲載が関の山↓
http://magrittian.blog.so-net.ne.jp/2009-01-19
↓ 日本橋展チラシ
チラシデザインは京都展と共通。
ということは、チラシ裏の掲載作品は京都展に引き続いての出品。
気になるその他の展示作品はまだ不明だけれども、展示数は約150点だとか。
図録に掲載されていて、太田記念美術館でも京都高島屋でも
展示されていないものは下記22点。
太田記念美術館での展示とかぶってもしようがないだろうから、
京都での展示をベースに若干入替となりそう。
東洲斎写楽の「四代目岩井半四郎の鎌倉稲村が崎のおひな娘おとま実は楠政成女房菊水」と
「三代目市川高麗蔵の廻国の修行者西方の弥陀次郎実は相模次郎時行」の揃い踏みは
今回はもう観られないのだろうか。最後にもう一目、拝んでおきたいのだけれど。
≪前2会場未展示作品≫
◆ 礒田湖龍斎
『(鼓を打つ子供)』 中判錦絵 / no.029
『(太鼓を叩く子供)』 中判錦絵 / no.030
◆ 初代歌川豊国
『風流七小町略姿絵 雨乞小まち』 大判錦絵 / no.133
◆ 歌川豊春
『(越前屋内唐土)』 細判錦絵 / no.061
◆ 歌川豊広
『豊国豊広 両画十二候 七月 三枚続』 大判錦絵3枚続 / no.135
◆ 歌川広重
『木曽海道六拾九次之内 二拾六 望月』 横大判錦絵/ no.191
『名所江戸百景 日本橋江戸ばし』 大判錦絵/ no.197
◆ 歌川派合筆
『(七福神)』 大判錦絵/ no.202
◆ 勝川春英
『温海獄 荒海 黒雲』 大判錦絵 / no.075
◆ 勝川春旭
『新板浮絵頼光大江山入之図』 横大判錦絵 / no.79
◆ 勝川春好
『横綱ノ図 谷風』 大判錦絵 / no.073
◆ 勝川春章
『(真田与市・俣野五郎組討)』 中判錦絵 / no.068
『(一条戻橋)』 中判錦絵 / no.069
『西方 関ノ戸八郎治 出羽ノ海金蔵』 大判錦絵 / no.070
◆ 葛飾北斎
『冨嶽三十六景 東海道金谷ノ不二』 横大判錦絵 / no.155
『百物語 さらやしき』 中判錦絵 / no.157
◆ 鈴木春信
『(布袋の道行)』 中判錦絵 / no.006
◆ 鳥文斎栄之
『風流見立五葉松 金毛織帯地』 中判錦絵 / no.121
◆ 魚屋北溪
『(水辺の三匹の亀)』 色紙判摺物 / no.167
『春ノ山又 其一』 色紙判摺物2枚続(大短冊判摺物2枚続の右) / no.168
『諸国名所 越中立山』 横大短冊判錦絵 / no.169
◆ 無款 (溪斎英泉)
『岐阻街道桶川宿 曠原之景』 横大判錦絵/ no.199
※展示されていない作品を羅列しているだけで、今回展示されるという保証は出来ないのは御了承を。
(頼まれもしないのに今回も展示作品リストをup予定。初日に行くつもりなので早めにあげられれば・・・。)
※末尾のナンバーは図録掲載番号。
・・・去年から、初春からずっと待ちわびてたので、今から楽しみでならない。
これでもう最後かと思うとちょっと寂しかったりもするけれど。
山水に遊ぶ展・前期@府中市美術館 [展覧会@日本美術]
山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年 展@府中市美術館
2年前の開催ながら未だ記憶に新しい「動物絵画の100年」を単独開催した
府中市美術館が(おそらく)自信をもって開催した今回の「山水に遊ぶ」展。
「動物絵画の100年」での通常の倍サイズ2つ折チラシを超え、
チラシに所狭しと並ぶ傑作の数々。
動物絵画の100年展の感想はコチラ↓
・動物絵画の100年・前期@府中市美術館
・動物絵画の100年・後期@府中市美術館
・「動物絵画の100年」展・おまけ
【会期】 前期 : 2009年3月20日(金・祝)~4月12日(日)
後期A: 2009年4月14日(火)~4月26日(日)
後期B: 2009年4月28日(火)~5月10日(日)
※展示替リスト(展示作品リスト) ↓
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/sansui/files/sansui-list.pdf
【会場】 府中市美術館
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/index.html
※巡回無し
※ただでさえ良心的な料金なのに、なんとチケットは2回目が半額になる割引券付。
※展示作品リストだけではなく画家解説までプリント配布する親切仕様。泣ける。
↓チラシ外側
↓チラシ内側
↓チケット
↓図録
↓倉屠龍 「山水図屏風」 を使ったすごろく (の解説とコマ)
図録とセットで2500円(単品料金未確認)。
本体は大きすぎるので画像未掲載です。御容赦をば。
展覧会の構成は以下の通り。
■ 山水に暮らす
・自然とともに在る
・神の国のすがた
■ 絵をつくること
・中世の残像
・実景と絵すがた
■ 奇のかたち
■ ロマンティシズムの風景
・物語る山水
・体感する自然、見霽(みはる)かす心地
・憧憬
さて、逸品ぞろいの中から、今週末までしか観られない、前期のみ展示作品の御紹介をば。
■ 山水に暮らす /自然とともに在る
↓ 熊谷直彦 「騰龍隠雲之図」 個人蔵
左双の人物の傘が右双まで吹き飛ばされているという、
遊び心の感じられる双幅。
今の時代、突風を題材に絵を描く人はまずいないだろうけれど、
当時の人々にとってはこういった自然現象すら
神秘的体験だったということだそう。
スローモーションの様に動きを上手く捉えているところが見所。
↓ 小泉斐 「黒羽城周辺景観図」 大田原市黒羽芭蕉の館所蔵
上手いとかどうとかいう前に、ぱんと前が開けた構図が
なんだか印象的だった作品。
自分が高所の突端から風景を眺めているかの様な
臨場感があるといったところだろうか。
↓ 宋紫岡 「楽々園四季真景図巻」 名古屋市博物館所蔵
これは、現物を観た方が楽しい作品だと思う。
鳥や魚や蓮などの小さい生物を描く筆致がなんともそそられる。
(他の人がそう思うかどうかはわからないけども。)
↓ 伊藤若冲 「石灯籠図屏風」 京都国立博物館所蔵
いわずと知れた、京博所蔵のお宝。常設展スペース改装の恩恵だろうか。
新印象派の様な技法としての点描ではなく、
写実的に表現する手段としての点描というところがポイント。
若冲の絵にしては珍しく、遠近感による奥行が感じられる。
■ 山水に暮らす /神の国のすがた
・・・省略。
■ 絵をつくること /中世の残像
↓ 野崎真一 「富士・三保松原図」 板橋区立美術館所蔵
綺麗な絵なんだけど、雪の描写が独特で面白い。
■ 絵をつくること /実景と絵すがた
・・・省略。
■ 奇のかたち
↓ 曾我蕭白 「山水図押絵貼屏風」 京都国立博物館所蔵
蕭白といえば奇想天外だとか荒々しい筆致だとかのイメージがあるけれど、
晩年は山水画を多く描いたそうで。
前述のイメージとは正反対の流麗な筆遣いによる緻密な画面の美しさは
印刷からでも伺えるけれども、左隻の輪郭線無しで表現された雪や岩肌の質感は溜息もの。
ホンモノ必見。
※下記サイトにて大きなサイズで屏風写真を観ることが可能↓
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tenji/chinretsu/san/san.html
↓ 曾我蕭白 「松鶴山水図」 個人蔵
上記作品に同じく。
水面と岩肌を重ねた透明感が目をひく。
↓ 鈴木芙蓉 「那智瀑泉真景図」 飯田市美術博物館所蔵
壮大なスケールで流れ落ちる那智の滝を大画面で描いた作品。
瀑布が水蒸気の様に立ち上っていく様の中に龍が居た様な、居なかった様な?
(図録の画像では確認出来ず。)
↓ 墨江武禅 「月下山水図」 個人蔵 ※展示期間延長:4月26日(日)迄
多重構造であるかの様に樹や石が重なりあう様は
どうやって描写していったのか想像も及ばない程不思議な光景。
見入る程に離れられなくなる様な佇まいは堪らない程魅惑的。
これが個人蔵だなんて羨まし過ぎる。
■ ロマンティシズムの風景 /物語る山水
・・・省略。
■ ロマンティシズムの風景 /体感する自然、見霽(みはる)かす心地
・・・省略。
■ ロマンティシズムの風景 /憧憬
↓ 「富士山・阿育王山・径山寺図」 個人蔵
何がどうってのではないのだけれど、
三幅並んだ姿がなんだかいい、と感じられた作品。
↓ 伊藤若冲 「石峰寺図」
石峰寺境内をモチーフにして、
若冲が同寺に設置した五百羅漢を配置した作品。
(実景を正確に描写したものではない。)
他のブロガーさんが観られてラッキーと仰っていた作品。
一瞬どのあたりが凄いのかわからなかったけど、
よく考えたらこの手の描き方をした作品はそう多くない
(見かけない)かも。
画集などで見かける機会もまずないらしい。
実際の作品の印象はどうかというと、
全体の印象は画像通りだけれど、細部の印象はまた一段と深い味わい。
なんともいえない石仏たちの表情をじっくり観ているうちに
画面に吸い寄せられていた自分に気付いて、
多くの方が絶賛していたのがわかった気がした。
流石は京博、前述の屏風といい、いいもの持ってらっしゃる!
と改めて感心するばかり。
ラッキーなことに、金曜日の午後にいったら、
丁度学芸員さんのギャラリートークが始まったところだった。
色々お話伺いたいところだったのに、トークが終わると風の様に去ってしまった。
以前も質問しようとしたら監視員さん経由のやりとりになって
消化不良になったことがある。
学芸員さんが遠いことだけが惜しい・・・。
(いやまあ、一鑑賞者の勝手な我侭なんだけど。)
しかし、個人蔵やら始めて名前を見る美術館等、
よくもこれだけの作品を見つけてくるものだと関心するばかり。
企画力と選択眼は素晴らしいと思う。
つまり、府中市美術館がオレンジ色で挑んできた時は必見!
前後期でリピート必至、ってことだと思う。
東本願寺の至宝展@日本橋高島屋 [展覧会@日本美術]
宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌祈念
東本願寺の至宝展 両堂再建の歴史
たまたま違う展覧会のチケットを探していて、ふと目に付いたのがこの展覧会のチケット。
東本願寺ともなれば、そりゃ相当のお宝持ってるだろうから覗いてみよう、と
気軽な気持ちで会場へ。・・・甘かった(?)。
親鸞聖人750回御遠忌祈念と謳うからには肖像画から直筆まで縁の品は勿論の事、
応挙に蘆雪、数々の襖絵から徳川家縁の資料から棟方志功の襖絵まで、
錚々たる品が目白押し。
個人的新発見は望月玉泉。
■ 朝日新聞サイト
http://www.asahi.com/event/TKY200903020226.html
■■ 東京展 ■■
【会期】 2009年3月18日(水)~3月30日(月)
10時~20時 ※最終日(3/30)のみ~18時
【会場】 日本橋高島屋8階ホール
■■ 北海道展 ■■
【会期】 2009年4月8日(水)~4月20日(月)
【会場】 大丸札幌店
http://www.daimaru.co.jp/museum/sapporo/higashihonganji.html
■■ 大阪展 ■■
【会期】 2009年4月29日(水)~5月11日(月)
【会場】 高島屋大阪店
■■ 京都展 ■■
【会期】 2009年5月13日(水)~5月25日(月)
【会場】 高島屋京都店
■■ 愛知展 ■■
【会期】 2009年9月19日(土)~10月25日(日)
【会場】 名古屋・松坂屋美術館
↓チラシ
↓チケット
↓図録
画像だと一見、単にシンプルな装幀に見えるけど、
実際は光沢素材の和紙をコーティングした様な質感で
なかなか味わいがある仕上がり。
≪第一章 親鸞と東本願寺≫
まずは親鸞聖人を筆頭に、寺に縁の資料が並ぶ。
・親鸞聖人御影(真向御影) 絹本着色/室町時代
肖像画は通常は右斜め前を向いてる姿が描かれるが、珍しい正面向きの肖像画も展示。
・日野有範絵像 絹本着色/鎌倉時代
親鸞聖人の父である日野(藤原)有範の肖像画。
・親鸞聖人御消息 紙本墨書/室町時代
達筆ではないらしいが、ゆったりした文字だった。
・顕如上人消息 四通 紙本墨書/室町時代
織田信長と争った顕如上人の直筆の手紙は、敵に見つかり難い様、
通常よりも小さいサイズの紙が使われていた。
小さくても右端にしっかり、丸めた書状を縛るコヨリ代わりにする為の
切れ目が入っているものが展示されている。
≪第二章 円山応挙と近世の香り≫
応挙の襖絵が観られるとは、嬉しい限り。
松・竹・梅で若年・壮年・老年を表しているそう。
↓円山応挙 「稚松図」 (わかまつず) : 襖絵 /紙本金地墨画/寛政3(1791)年
↓円山応挙 「竹雀図」 (ちくじゃくず) : 襖絵 /紙本金地墨画/寛政3(1791)年
「稚松図」 と「竹雀図」 が対になった襖絵。
「稚松図」は、細過ぎずラフ過ぎずというか、どんぴしゃな表現が出てこないのだけど、
ごく単純で簡潔な線。
「竹雀」は、かわいらしい雀が3羽。左端の雀は消え入りそうな淡い描写。
雀のかわいさは、肉眼で観て頂かないと画像ではわからないと思う。
↓円山応挙 「竹図」 : 襖絵 /紙本墨画/寛政3(1791)年
↓円山応挙 「老梅図」 : 襖絵 /紙本墨画/寛政3(1791)年
※上の画像では肝心の梅が潰れてしまっているのでチラシ画像も追加
「竹図」 と「老梅図」 が対になった襖絵。
・・・「竹図」 の記憶が無いのは何故だろう。観ていない様な。
見逃したとは思いたくない・・・。
と思ったら、やはり見せてもらってないらしい。出し惜しみしないで下さいよ・・・。
「老梅図」は、わりとあっさりした描写に思えた。
↓月僊 (げっせん) 「山水図」 (右画像は部分) : 紙本淡彩/寛政5(1793)年
左が全体図で、一番下側の真ん中に3人の釣人(右画像)が
描かれているのだけれど、これがまた凄くいい表情をしていて。
釣の成果に満足しているところらしいのだけれど、
こんな楽しげな表情ってなかなかお目にかかれないのではと思う程。
大きめの画像を貼ってみたけれど、これも肉眼で観て頂かないと伝わらないかもしれない。
↓左:円山応挙 「雪中松鹿図」 右:伝・長沢蘆雪 「渓流香魚図」
: 衝立 /紙本淡彩/江戸時代(18世紀)
衝立の裏と表で師弟共演(競演?)。
特別出品だそうで、こんな逸品が観られるとは有難い限り。
鹿は応挙っぽくなくて、逆に渓流は応挙っぽく感じるのだけれど、
応挙の方は真筆とされていて、蘆雪の方は「伝」どまりだそうで。
↓ 拡大してもやっぱり微妙だけど、鹿と渓流を上る鮎の部分を貼ってみたり。
↓石川丈山 「閬風亭」 染筆 (ろうふうてい) / 紙本墨書・江戸時代(17世紀)
≪第三章 幕末と東本願寺≫
東本願寺は徳川家とは縁が深いそうな。
建物の図面が幾つか展示されていたけど、
筆でどうしてあんなに真っ直ぐな線が描けるのか不思議でならない。驚嘆。
↓徳川慶喜 「渉成園」 染筆 : 絹本墨書 /江戸時代(19世紀)
第二章の石川丈山の 「閬風亭」 とあわせて、
書に関心の無い自分にいい字だな、と思わせた染筆。
単に字が綺麗というだけではなく、デザインとしても優れていると思った。
↓近衛忠熙(このえ ただひろ)・徳川慶喜 染筆
: 紙本墨書 /江戸時代(19世紀)
慶喜が上手かったのは書だけではなく。
安政の大獄で落飾(出家)した近衛忠熙の姿を描いたもので、
なんともユニークでお茶目。
歌を読んだのは近衛忠熙自身。
「あし引の 山には すまて
山寺の山の名におふ
山坊主かな
酔山」
※残念ながら図録には歌の解説は無し。
≪第四章 近代京都画壇の宝庫≫
襖絵と衝立のオンパレード。華やかでよかった。
↓幸野楳嶺 (こうのばいれい) 「蓮池図」 (れんちず)
: 杉戸絵 /板地著色/明治27(1894)年
左側の色鮮やかさに対して右側の劣化が激しいのは、
杉戸を開いた時に、右側が外側になる為に傷みやすかったからだそう。
実際に目にすると、左右の落差がより一層際立つ。
↓久保田米僊 (くぼたべいせん) 「波涛大鷹図」
: 衝立 /紙本金地著色/明治29(1896)年頃
本願寺の建物はでっかいので、衝立もでっかくて迫力あり。
この衝立の鷹は写生に基づいているそうで、作品の大きさもあって迫力が増している。
濁った海水を表現する為の群青の絵具を特注したり、
波も胡粉では物足りないからと水晶を砕いたものを使ったりして、
作品の御代はほとんど絵具代に消えたらしい。
ちなみに、展示はされていなかったけれど、別の衝立「波涛千鳥図」と対になっている。
↓内海吉堂 (うつみきちどう) 「芦雁図」 (ろがんず)
: 襖絵 /紙本金地著色/明治28(1895)年
↓岸 竹堂 「桜孔雀図」
: 襖絵 /紙本金地著色/明治28年(1895)年
上の2作品は並べて展示されているので、是非見比べて頂きたい。
比較ポイントは、作品の鮮明さ。
「芦雁図」は修復後で、 「桜孔雀図」は修復前。
色彩の鮮やかさは勿論のこと、襖の枠の漆の輝き具合は一目瞭然。
(教えて貰う迄気付いてなかったのはナイショだ。)
↓望月玉泉 「唐獅子牡丹図」
: 衝立 /紙本金地著色/明治28(1895)年
絵の上手さは勿論のこと、唐獅子の可愛らしさは特筆すべきものがある。
(かわいいという表現が適切かどうかは微妙だけど。)
会場で販売していた絵葉書が中途半端なフレーミングだったのが残念。
↓望月玉泉 (もちづきぎょくせん) 「安養六種図」 (あんようろくしゅず)
: 襖絵 /紙本金地著色/明治28年(1895)年
描写の上手さは勿論のこと、その華やかは人の目を惹きつける。
キャプションには右半分が動で左半分が静だとあったけど、
左側の鶴も静かな雰囲気は湛えつつ、充分動的。
しかしこの角度からの孔雀の描写は珍しいのではないだろうか。
なんとも魅力的な逸品。
こういうのを、1枚もので絵葉書にして欲しいところ。
※迫力ある孔雀のアップ画像は、こちらの東本願寺サイトでどうぞ。
≪第五章 焼失と再建の歴史≫
再建に使われた用具や毛綱などを展示。
↓「御影堂五十分の一建起図」 (ごえいどうごじゅうぶんのいちけんきず)
: 紙本墨書/明治28(1895)年
こんなペーパークラフトみたいなものもあったんだ、と興味深い。
他にも、明治28(1895)年の殿舎再建時に京都駅構内から敷設された
「東海道線引き込み図」 (青焼 /明治時代(20世紀))なんてものの展示もあった。
京都駅とは御近所さんとはいえ、流石東本願寺、やることのスケールがでかい。
≪第六章 棟方志功と念仏の教え≫
版画で有名な棟方志功は東本願寺に縁があり、
別邸・渉成園にある園林堂にはその肉筆による襖絵がある。
今回はその半分近い24面を展示。
目が悪い志功は画面に顔を寄せて描いたそうで、
是非その視点で観てほしいと、あえてガラス張りのケースに入れず、
肉眼で間近に観ることが出来る展示形式にしたそう。
襖絵の配置も出来るだけ実際の配置に沿うようにしたそうで、
配置された位置がわかる様に図録には図面まで記載されていた。親切だ。
↓棟方志功 「天に伸ぶ杉木」 園林堂襖絵 :紙本著色/昭和33(1958)年
数が多いので、チラシより一例。
これは力強く杉を描いているけれども、版画の力強さとはどこか違う。
もう一方の襖絵「河畔の呼吸」の方は静けさも感じられた。
そして出口近くで東本願寺と宝物(作品、絵師)を紹介する映像が
上映されていたけれど、なんと所要時間20分。参考になるけどちょい長い。
・・・そんな感じで見所満載。
デパートの催事場だからと軽い気持ちでいったら大間違いだった。
一通り観るだけで1時間半(確か映像鑑賞込でこの時間)は妥当だけど、
丁度観終えて会場を出たところで、当初予定になかったという、
東本願寺総務部の近松さんによる解説会(約30分)があるというので
お昼抜きなのにまた会場に逆戻り。
(結局、3時間も会場に缶詰(?)とは我ながら想定外。よれよれと家路に着いた。)
この記事にも反映させて頂いたけど、歴史的背景から作品の見所まで、
聴くと作品への理解や親しみがぐんと深まる。聴いてよかった。
最後に「まだまだ話足りないのですが・・・そこは記念に図録を買って頂いて」
という商売上手に、いったんは断念した図録を買って帰ってしまった。
・・・お布施と見做して功徳もらえませんか?・・・なんて図にのってみたり。
しかし襖絵や衝立はweb上で雰囲気や見所を伝えることが出来ないと痛感。
各地を巡回するので、是非直に観て頂きたい。
浮世絵ハシゴで観初め@京都/ベルギーロイヤルコレクション&中右コレクション [展覧会@日本美術]
「そうだ(浮世絵観に)京都行こう」とかいうタイトルにしようなんて思ってたのに、
会期に間に合わないのはお約束。
正月休みが明けてからというタイミングが惜しかった、
「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション」@京都高島屋だけれども、
「四大浮世絵師展(中右コレクション)」@京都伊勢丹(美術館「えき」KYOTO)と
ハシゴ出来るのは嬉しいタイミング。
今回のベルギーロイヤルコレクション展、保存状態の良さでは定評のある、
ベルギー王立美術歴史博物館所蔵230点強とベルギー王立図書館所蔵30点弱が里帰りという
ベルギー好き且つ浮世絵好きには非常に嬉しい企画なのだけれども、
太田記念美術館では前後期でほぼ総入替で約150点、京都高島屋では約150点と
3会場全部周らないと全容が観れないという、鑑賞者泣かせの展示。
だがしかし、ここで見逃してはなるまい、といざ出陣。
対して中右コレクションは、東京大丸での展示と同時期に三鷹市美術ギャラリーにて
中右コレクション 幕末浮世絵展 大江戸の賑わい -北斎、広重、国貞、国芳らの世界-が
開催されていて(出品数約150点)、2つの展覧会に同時出品出来るコレクションの質量に
これが個人コレクションだなんて、と度肝を抜かれたのが記憶に新しい。
ちなみにこれだけのコレクションを持つだけあって、
中右瑛(なかう・えい)氏は国際浮世絵学会常任理事をされているそうで。
個人美術館なんてないのだろうか。一体コレクションの全貌がどんなものか想像もつかない。
凄過ぎる。
■■ 中右コレクション 写楽 歌麿 北斎 広重 四大浮世絵師展 ■■
【会期】 2009年1月2日(金)~1月21日(水)
【会場】 美術館「えき」KYOTO(京都伊勢丹)
■■ 浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展 ■■
http://www.takashimaya.co.jp/kyoto/event2/index.html
【会場】京都高島屋 7階グランドホール
【会期】2009年1月7日(水)~1月19日(月)
ちなみに四大浮世絵師展は、昨年東京大丸で開催時に観ているのだけれども、
折角だからと立ち寄ってみたら、見比べが出来て興味深かった。
北斎の「冨嶽三十六景 凱風快晴」なんて、
中右コレクションでは赤冨士と青冨士が並び、
ベルギーロイヤルコレクションではベルギー王立美術歴史博物館所蔵作品と
王立図書館所蔵作品の揃い踏みだったり、
中右コレクションでは1、2点しか展示されていなかった歌麿の「青楼十二時 続」シリーズが
ベルギーロイヤルコレクションでは12点揃っていたりと、
同じ作品が出品されていたりして、摺りの違いなども(わかる人は)味わえる。
ただ惜しむらくは、両展とも作品展示リストが無かったこと。
なので。
ベルギーロイヤルコレクション展版だけ作品展示リスト作成。
しかしexcelファイルはアップロード出来ないので、絵師毎に表にしてみたり。
ご覧になりたい方は、ちょっと下の“続きを読む”をクリックして下さい↓
尚、四大絵師展の方は、図録をお持ちでない方には役立たずで申し訳ないのだけれど、
展示されていない作品のみメモしてきたので、ここに記載。
四大浮世絵師展@美術館「えき」KYOTO の 未展示作品の図録掲載番号↓
55,64,66,67,68,69,70,71,
100,101,112,113,114,120,121,
126,142,145,148,150,151
※但し、114の図録134~135頁の北斎漫画は展示有り
「フランスが夢見た日本―陶器に写した北斎、広重」展・ランベール編@東博 [展覧会@日本美術]
日仏交流150周年記念 オルセー美術館コレクション特別展
「フランスが夢見た日本―陶器に写した北斎、広重」展@東博
会場: 東京国立博物館 表慶館1階
会期: 2008年7月1日(火)~8月3日(日)
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=5558
では、セルヴィス・ルソー編に続いて、セルヴィス・ランベール編を。
(今回、画像が重いかもしれません。ご容赦をば。)
↓ セルヴィス・ランベール 「楕円形皿 鶏図」
のっけから、え、若冲?!と思わせる迫力のお皿が登場。
残念ながら、まだ原画は確定出来ていない模様。
↓ セルヴィス・ランベール 「平皿 鶏図」
セルヴィス・ランベールは、セルヴィス・ルソーと違って
デザインというより絵画的なんだけど、桜(?)に鶏など、
日本人ならやりそうにもない題材を組合せるのはルソーに同じ。
でもこれはなんだか全体的に明るくかわいい感じが漂うけれど、
↓ セルヴィス・ランベール 「平皿 梅に蝉図」
こちらは梅の木だけみれば背景の余白とあいまって
わびさびの気配すら漂いそうなところに・・・蝉。
現実にはありえない光景。
でも実際、遠い異国の四季だの自然だのを知っているはずもなく。
でも想像でここまでつくれるってのはそれはそれで凄い様な。
季節を無視すれば、絵としてなりたってるし。
知らないからこそ、想像力が自由に羽ばたくのか。
それとも、事実をありのままに描くのではなく、
描きたい様に描く西洋絵画の一端だったりするのか。
はて。
まあ、日本人にはありえない組合せもフランス人は違和感を感じないとはいえ、
虫を素材にするのは微妙なところ。
だがしかし、捕食してる場面迄作品にするなんて、何かそこに美を見出してるのか・・・。
謎だ。
↓ セルヴィス・ランベール 「平皿 頬赤図」
↓ セルヴィス・ランベール 「平皿 雛と蜥蜴図」
とはいえ、アレンジ能力の高さは見事。
換骨奪胎して自在にイメージを操る。
↓ 河鍋暁斎「『暁斎楽画』 乾の巻 太湖石と群蛙」
↓ セルヴィス・ランベール 「深皿 太湖石と群蛙図」
↓ 河鍋暁斎「『暁斎楽画』 乾の巻 蓮に亀」
↓ セルヴィス・ランベール 「深皿 蓮に亀図」
水彩の儚げな色合いをよく再現してるものだと感心。
↓ 河鍋暁斎「『暁斎楽画』 坤の巻 鯉と手長海老」
↓ セルヴィス・ランベール 「深皿 鯉図」
上の絵と下の絵で水の動きと鯉の描写が異なるところも、
表現力の高さ、巾の広さが感じられる。
↓ セルヴィス・ランベール 「深皿 鯉図」
↓ セルヴィス・ランベール 「深皿 波に鯉図」
・・・かと思えば、荒波にもまれて、なんともいえない表情してたり。
↓ セルヴィス・ランベール 「平皿 海老に鯛図」
今回、多少微妙なとこがあっても、展示も図録も全般的に満足度が高かったのに、
納得いかなかったのは、このお皿の表側しか図録(葉書)に載っていなかったこと。
足がついてたり、裏表に絵柄があったりする食器を360度見せられない
(載せられない)のはまだいいとして
(とはいっても出来ればディスプレイでは鏡をつかったり
360度から眺められたり出来る様にして欲しかったところ)、
上のお皿は、鯛の胸鰭から尻尾までが裏側に続いて描かれていたのに!
この画像だけでは、そんなこと全然わからない。
実際のディスプレイでも、真裏ではない位置で腰を屈めれば見える程度で、
見せてはくれるけど積極的に見せてるのか微妙なところ。
勿体無い!!
・・・なんてことに気をとられて、2度目の鑑賞で他の人が
「海老で鯛を釣る」と話してるのを耳にする迄、そのことに気付いてなかった・・・。
鯛のお頭と海老が一直線だなんて変わった構図だなぁくらいにしか
思ってなかった。
よくよく見れば、海老の腰の入れ方がナイスでツボにはまる。
なのに見逃してたなんて、どんだけ眼力ないのか、自分。もう脱力。
それにしてもこれ、どこから引っ張ってきたんだか。
こんな絵を描くセンスを持ってた人が誰か、すごく気になるところ。
・・・さて、無理にでも気を取り直して次の見所へ。
普段、人物画の浮世絵には興味がわかないのだけど、
次の2点は絵がとても鮮やかで見入ってしまった。
が。
なんとその人物を捨てて背景だけレイアウトする大胆さ。
人物画は好みでないのか、難しすぎたのか。
↓ 歌川広重・三代歌川豊国 「『双筆五十三次』 藤沢」&セルヴィス・ランベール 「平皿 藤沢図」
↓ 歌川広重・三代歌川豊国 「『双筆五十三次』 浜松」&セルヴィス・ランベール 「平皿 浜松図」
そしてさらには、冨士山すらカットされる。
日本人にはまず出来ない芸当。
↓ 歌川広重 「『五十三次名所図会』 吉原 不二の沼浮島か原」&セルヴィス・ランベール 「深皿 吉原不二の沼浮島か原図」
裾野だけ描いたといえなくもないけど、基の絵を知らない限り、
富士山の裾野だとわかる人はまずいまい。
↓ 歌川広重 「『五十三次名所図会』 沼津 足柄山不二雪晴」&セルヴィス・ランベール 「平皿 沼津足柄山不二雪晴図」
かろうじて左端に留まってはいるけれど、
構図がどうというよりもただの背景と化している。
・・・と、そんな感じで色々、感心したり驚いたり、奥の深い展示だった。
そんなかでも特にひきつけられたのが下記2点。
↓ 葛飾北斎「『北斎漫画草筆之部』 雪中柴舟図」
↓ セルヴィス・ランベール 「平皿 雪中柴舟図」
一面の水色に茶色の線が効いていて、
吸い込まれそうな独自の世界が広がってる。
↓ 葛飾北斎「『唐詩選画本』 七言律 万年蟹」葛飾北斎「『唐詩選画本』 七言律 万年蟹」
↓ セルヴィス・ランベール 「平皿 波に蟹図」
シンプルな絵手本からここまで和を感じる描写が出来るとは・・・。
もう、これだけ描けるのであれば、
普通に紙と筆渡したら如何程の日本画を描いたのかと。
是非観てみたかった。描いたものがどこかに残っていたりしないだろうか。
今後の研究に勝手に期待。
「フランスが夢見た日本―陶器に写した北斎、広重 」展・ルソー編@東博 [展覧会@日本美術]
日仏交流150周年記念 オルセー美術館コレクション特別展
「フランスが夢見た日本―陶器に写した北斎、広重 」展@東博
普段は陶磁器には興味ないのだけど、チラシ画像観た瞬間行くべし!と思った展覧会。
ジャポニズム堪能。浮世絵好き必見、上野の夏は対決展だけで満足するべからず。
とうか、こちらも洋と和、ルソーとランベールのお皿対決だったり。
フランスで流行したジャポニズムが陶磁器に及ぼした影響を、
日用品として作成されたセルヴィス・ルソーと、アートとして作成されたセルヴィス・ランベールを
原画浮世絵とともに展示。
原画特定等の日本展の成果を携えて、オルセー美術館へも凱旋予定。
会場: 東京国立博物館 表慶館1階
会期: 2008年7月1日(火)~8月3日(日)
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=5558
↓ チラシ
今回のチラシ、なかなかインパクトがあっていいと思うんだけど、
折角ならランベールの皿(左の鶏)は、背景が白っぽくじゃない方が
ルソーの皿(右の海老)との対比が際立ったのではないかとちょっと残念。
背景に負けない様に白っぽいのにしたのだろうか。
またその背景の画像、レイアウトが何気に鶏と海老の対決といった趣を醸しだす。
↓ チケット
↓ 図録
図録もちゃんと其々のお皿と浮世絵を対比させる細やかさ。いいですねぇ。
更には図録の帯(?)部分のデザインが鯉好きのツボにはまる。
この展覧会は今迄展覧会につかっていなかった表慶館が会場で、さほど広くない。
ゆえに多すぎない展示量に手頃な観覧料(大人で漱石さんお1人で済む)のがとても嬉しい。
今回の展示は、セルヴィス・ルソーの展示室→
実際にセルヴィス・ルソーの4人分の食器をテーブルにセットしたディスプレイの部屋→
セルヴィス・ランベールの展示室、という順路。
ルソーはパステルブルーのショーケース(?)、
ランベールはパステルピンクのショーケース(?)で統一されている。
このショーケースなら表慶館の重厚というかレトロな感じの建物より、
洋室っぽい白い壁と床の方があいそうだなと思ったのだけど、
パステルカラーのショーケース自体は、これが意外に洋食器にも浮世絵にもよくあってた。
食器をセットした部屋は実際のディスプレイを図録には載せられなくても、
取り敢えず並べてみた写真を載せてくれてたら嬉しかったな。
ディスプレイに使われた食器が展示リストに載ってたのかどうかよくわからないし。
(すみません、ちゃんと確認してません。)
まず最初に展示されてたルソーの方は、平皿、深皿、丸皿、フルーツ皿にロースト用皿に
サラダボール、オードヴル皿に飾り鉢、足付皿 、スープチューリンと幅広い品揃えながら、
白地に紺の縁取り、メインの動植物に小さな植物と虫の3つの絵柄で統一されている。
引用元の絵は北斎漫画の類の色数の少ないものが多かったせいか、
実際のイメージにあわせたのか、好きな色を適当にのせたのかのどちらか。
同じモチーフを色を変えて違う組合せで登場させたりと、かなり自由な感じ。
でも日本人だとお皿に虫の絵を描くなんて好まない気がするんだけど、
西洋の人はそんなの気にしないのか、浮世絵ならなんでもカモーンなのか、微妙なところ。
↓ セルヴィス・ルソー 「スープチューリン 草花図」
ペアのスープ皿があったのかどうか思い出せない・・・。
↓ セルヴィス・ルソー 「フルーツ皿 四十雀に天鰕(ざこえび)図」
こんな湾曲した面にまで絵を描くんだと感心したというか驚いたというか。
↓ 葛飾北斎「『北斎漫画』 四編 芥子」
↑の図中右下の芥子を使ったお皿が↓の2つ。
同じモチーフを色を変えて使っている、ほんの一例。
↓ セルヴィス・ルソー 「オードヴル皿 芥子、小禽に蛾(ひいる)図」
↓ セルヴィス・ルソー 「平皿 芥子に蜂図」
この展覧会の素敵なところは原画そのもの、もしくは参考写真で
原画とお皿の比較が出来ること。
図録も同じページに浮世絵とお皿が掲載されているので比較しやすくて有難い。
以下、原画→下絵用エッチング(転写の為反転)→お皿の例。
↓ 歌川広重 『「魚づくし」 鯉 (山庄版)』
鯉図好きにはこれがあるのは嬉しい。
↓ フェリックス・ブラックモン 「セルヴィス・ルソーの下絵用のエッチング No.19 大きな魚」
エッチングは展示数こそ少なかったものの、実物が観れたおかげで
かなり丁寧かつ忠実に原画を写し取っているのがよくわかる。
↓ セルヴィス・ルソー 「水切り付楕円形皿 鯉に朝顔図」
茹でた魚をのせるためのお皿なので、水切りがついてる。
茹で魚ってどんな料理だったんだろう。茹でただけ?
このお皿については、図録で一つ一つの絵の元ねたを丁寧に
参考図版つきで解説しているのが親切。
↓ 歌川広重 「『絵本手引草』 鯉彩色」、「同(鯉)草筆」
『魚づくし』の「鯉」も勿論よいのだけど、↑の鯉にはほれぼれ。
画像だとわからないけど、鱗のあたりだったか、
薄い水色がほのかにのってる色加減がなんだか味があって。
普段色数の少ないこういった版画は見入ることが少ないのだけど、
これには妙に吸い寄せられてうっとりしてしまった。
広重もこういった手本みたいなの描いてたなんて知らなかったので観ることが出来て嬉しい。
↓ セルヴィス・ルソー 「平皿 鯉に莢迷(がまずみ)図」
「『絵本手引草』 の左側の鯉。
↓ セルヴィス・ルソー 「深皿 鯉に蝶図」
「『絵本手引草』 の右側の鯉。
こうやって並べて、頑張った成果のお皿を観ると、
よりいっそう広重(浮世絵)のよさを再確認してしまう結果になる不思議。
もう1つのお皿シリーズ「セルヴィス・ランベール」はこちら。
そしてもっと参考になるブログを勝手にご紹介。
※ テーブルセットのディスプレイ等、会場の雰囲気はTakさんのブログで味わえます。
※ とらさんのブログでは、このブログに載せてないお皿と絵手本が観ることが出来ます。
※ はろるどさんのブログでは、ルソーとランベールについてコンパクトに纏められてます。