「若冲と應擧」展@足利・龍泉寺 [展覧会@日本美術]
足利厄除大師・龍泉寺にて、3日間限定で開催中の、ほほえみ美術館。
創建800年を記念して、お寺からの地域文化発信の為に始めて、今回で3回目だそうだが、
今年は「若冲と應擧」展と称されていたのですっ飛んで行った。
美術館といっても、お寺の本堂に作品が展示されている。
本堂なのでスペースは限られてるのだけど、数々の作品がところ狭しとひしめきあっていて、
屏風だろうが掛軸だろうが、好きなだけ近寄って観れるという贅沢さ。
15時半頃到着すると、関係者の方が解説会をされていた。ギャラリートークつきとは、恐れ入った。
(流石にに作品リストはない。そこまで労力は割けないだろうとは思うけれども、
これだけ作品が並ぶとやはり欲しくなる・・・。)
出品作も、お寺所蔵のものに、近隣の個人蔵の作品が加わってるとのことで、貴重な鑑賞機会。
3日間と会期が短いのが惜しい。
それにしても出品作家は錚々たる面子で、タイトルに挙がった2人の他、
横山大観や東山魁夷から東郷元帥や徳川慶喜に至る迄、幅広い品揃え。
小川芋銭の作品が結構多かった。
そしてタイトルに挙がった、伊藤若冲は、2作品3点
(という数え方でいいんだろうか。双幅の対になった作品を1つと数えました)。
「庭鳥図双幅」は若冲78歳の時の作品。
198cm×73cm(←掛軸全体のサイズだと思う)で大きい。
府中での「動物絵画の100年」展で観た作品は、同じ墨でも
すっとしたシンプルなよさだったけど、この鶏、特に「雄鶏」は、
大きさ故の力強さもあるのか、精巧緻密に描かれた極彩色の鶏とはまた違った迫力。堪らん。
(チラシの鶏がそれ。)
残るもう一つの作品は、結構お馴染み(?)の「伏見人形図画賛」(1879年)。
円山應擧の方は、2点。
「狗子」(1769年)と「幽居積雪図」。
チラシ裏には後者が掲載されてるけど、是非「狗子」の方を載せて欲しかった。
墨でしゃっしゃっと刷いた様な左の仔犬と、
後ろ姿で毛の輪郭をすっすっと描いただけの右の白い仔犬(巻いた尻尾がまた・・・)。
応挙の仔犬をまた堪能出来て嬉しかった。
今迄知らなかった画家で、よかったと思ったのが、木村武山。
「牡丹図屏風」の線と面の柔らかさ。
「梅図」の苔むした幹のぼかし加減。
「秋の雨」の、一面の赤い葉の柔らかな鮮やかさ。
「林和精」(?)の女人の青い衣の色の移ろい。
いや、よかった。
小杉放庵の一連の竹もよかった。
「竹画賛」、若冲や芦雪が描いた竹を思わせる、
細筆で一本の線を刷いて繋いだだけの、すっとした竹。
「白衣大師」の、墨の柔らかな質感で描かれた竹林、程よい太さの竹とその葉。
「叢竹梅花」は、さりげない梅のかわいさもよいのだけど、
細かくちりちりと線を連ねた竹の葉に目がいってしまう。
竹の描き分け、魅せる人である。
下村観山も、今迄名前しか知らなかったけど、
「鵜舟」の墨が・・・筆遣いというか、なんというか、味わい深かった。
画像を貼れば伝わるってものでもないけれど、言葉だけじゃ伝えるのって難しい・・・。
是非ご覧下さいといっても、もうあと1日にしか残っていない。
来年にもまた、期待しよう・・・。
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ほほえみ美術館 「若冲と應擧」展
2007年5月3日(木)~5月5日(土) 10時~17時(最終日のみ16時迄)
無料
http://
(↑pdfファイル)
足利厄除大師 龍泉寺
栃木県足利市助戸 1-652
TEL 0284-41-5685 / FAX 0284-40-1555
こんなん売ってます!
お守りに使用されている絵は皆、「庭鳥図双幅」の「雄鶏」。
背景が8種類もあると迷ったけど、これ買いましたー↓
お寺の本堂に作品が展示なんてなかなかいい企画ですね。
お寺なんかかなりいい美術品を持っているんだから
秘蔵しないで見せてくれる機会を持ってくれたら
お寺ももっと身近に感じるでしょうね。
それにしてもそうそうたる美術品ですね。
解説付きというのがまた親切ですね。
by いっぷく (2007-05-05 19:59)
>いっぷくさん
ほんと贅沢な企画でした。展示されてる品もよい品ぞろいで侮れません。
解説は、既に始まっていたのと、終わった直後の混雑を避ける為、
耳をそばだてる程度でしたので、やはりじっくり聴くべきだったな、と反省してます。
by m25 (2007-05-06 16:16)
こんばんは。
TB&コメントありがとうございました。
良い情報を得られ、充実したGWとなりました。
お守り一番サイケな色のもの買ってきました。
by Tak (2007-05-06 23:34)