「大ガラス」制作30周年記念 ガラスを透して見えてくるもの@東京大学教養学部美術博物館 [展覧会@西洋美術]
それなりに展覧会は観に行くけど、現代美術はさっぱりわからなかったりする。
それでもオラファー・エリアソンや鴻池朋子等、観ればよいな、すごいなと思う人もいるので
偏見だとわかっているのだけれども、奇をてらったものが多い様な気がしてしまって。
どれだけ奇抜なところを狙っても、常識を超え様とも、自分の中では
そんなものはもうデュシャンがやりきってしまってる気がしてしまう。
デュシャン自体が20世紀の人なので、随分前で止まっちゃってるんだね、なんて笑われるけれど。
そんなデュシャンの大ガラスのレプリカが東大にある。
そして制作30周年を記念して展覧会を開催するというので、珍しく初日に足を運んできた。
(実は常時設置されていて、開館していればいつでも見られるらしい。知らなかった。)
「大ガラス」制作30周年記念 東京大学教養学部美術博物館所蔵品展
ガラスを透して見えてくるもの
http://museum.c.u-tokyo.ac.jp/exihibition.html#Large_Glass
【会場】 東京大学総合文化研究科・教養学部 駒場博物館 1階 美術博物館展示室
〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1 TEL:03-5454-6139
【会期】 2010年5月31日(月)~6月25日(金) 10~18時 土日祝休
※無料
なんかチラシの光の加減がいい感じ。
会場では以下の映像が流されていて、展示資料と共にその制作過程を追うことが出来る。
・「花嫁は彼女の独身者たちによって裸にされて、さえも」東京ヴァージョン制作過程 18分40秒 (BGMあり)
グリーン・ボックス、ホワイト・ボックスも展示されていた。
グリーン・ボックスのメモも翻訳したそうだけれど、その訳ってデュシャン関連書籍のどれかに載ってるのだろうか。
日本語で読んでもきっとわからないだろうけど、これとガラスがセットで作品といわれると鑑賞するのが難しすぎる。
ボックスの脇に制作にあたっての募金のお願いやお披露目報告のDMなんかも展示されていたのだけれど、
小山弘志東京大学教授をはじめとする発起人の顔ぶれが錚々たる面子だった。
磯崎新 (建築家)
高階秀爾 (東京大学助教授)
高橋康也 (東京大学教授)
多木浩二 (美術評論家)
瀧口修造 (詩人・美術評論家)
武満徹 (作曲家)
東野芳明 (美術評論家・多摩美大教授)
芳賀徹 (東京大学教授)
針生一郎 (美術評論家・和光大教授)
土方定一 (神奈川県立近代美術館長)
故 呉茂一
故 宮川淳
・・・等々。(肩書きは当時のもの)
募集目標は2000万円で、実際に集まったのは14203000円だとか。
現在に換算したら相当な金額になりそう。
ひびが入る前のオリジナルをマン・レイが撮影した写真も1点展示されていた。
・・・展示されているのは、あくまでレプリカで、
もともとの作品も、単なる網膜の美など追求してる訳ではなく、
率直な美的な美しさがあるかどうかはわからないところなんだけれども、
前から後ろから、近寄ったり離れたりと、魅入ってしまうのが不思議。
裏側から見た時の、照明による光と影の加減がなんとなく気に入った。
近所に住んでいたら、通って眺められるのに。
レプリカはあと2つ、ロンドンとストックホルムにあるけれど、
見比べたら印象は違うのだろうか。
こういう建物が東大っぽい。
博物館は、正門入ってすぐ右、この大きな木の後ろに。
わりとこじんまりした建物。
展示室も小さめなんだけど、「古瓦・古鏡」展も同時開催中。
ここでオペラシティでの「アントワープ王立美術館コレクション展」のチラシを
get出来、ほくほくしながら帰宅。
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