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ピカソとクレーの生きた時代展@Bunkamura ザ・ミュージアム [展覧会@マグリット]


 20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展

ドイツはデュッセルドルフにあるノルトライン・ヴェストファーレン州立美術館は、
何気にマグリット作品を数点持っているので、いつか訪れてみたかった美術館。
それが改築工事による休館を契機に向こうから日本に来てくれるというので、
願っても無いと大喜びで昨年末から楽しみにしていた。のに。
観に行ったのは会期終了間際。

ちなみに、パウル・クレーのコレクションで有名だというのは、今回初めて知った。
今迄マグリットしか目に入ってなかったけど、マグリットを持っているということは、
その時代の作品を収集してるであろうことは当然といえば当然だった。


■■ 東京展 ■■
 【会場】 Bunkamuraザ・ミュージアム
      http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_09_k20.html
 【会期】 2009年1月2日(金)~3月22日(日)


■■ 兵庫展 ■■
 【会場】 兵庫県立美術館
     
 http://www.artm.pref.hyogo.jp/
 【会期】 2009年4月10日(金)~5月31日(日)


■■ 名古屋展 ■■
 【会場】 名古屋市美術館
      
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/index.shtml
 【会期】 2008年10月18日(土)~12月14日(日)
 ・名古屋展サイト http://k20nagoya.jp/index.htm ※閉鎖


 

↓ チラシ・外側
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_チラシ外側.JPG
 

↓ チラシ・内側
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_チラシ内側.JPG

↓ リーフレット・外側
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_リーフレット外側.JPG

↓ リーフレット・内側
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_リーフレット内側.JPG

↓ チケット
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_チケット.jpg 


チラシは見開きで、別途小さなリーフレットも作る力の入れようは、
Bunkamura 20周年記念企画だからなのか。
ピカソとクレーと銘打ってはいるけど、出品数はピカソは6点、クレーが27点と
点数と扱いに差はあるものの、ピカソはよさげで大きい作品なので、見応えはあったかと。
ちなみに展示総数は60点強。チケット代の高さに比して少ないといえば少ないけど、
観るのに疲れないのは嬉しい。


第1章 表現主義的傾向の展開
  この章で印象的だったのはシャガール2点、
  「バイオリン弾き」(1911年・油彩)と「祝祭日」(1914年・油彩)。
  どこかいつものシャガールとは一味違う感じで。
  点描のマティス作品も興味深い。

第2章 キュビスム的傾向の展開
 ピカソメインのコーナー。
 キュビスムっぽくない作品もあったけど、
 どれも流石ピカソという存在感のある作品ばかりだった。

第3章 シュルレアリスム的傾向の展開
 エルンストあたり、やはり魅力的。
 だけどやはりここはマグリット3点。
 実はマグリット作品の中でもそう思い入れのある方ではないのだけど、
 やはり大きい作品が3点並ぶと、独特の雰囲気が漂う。
 並べて展示してくれて有難う、Bunkamuraさん。

 「人気のあるパノラマ」1926年.jpg  La rencontre / the encounter 1926.jpg  magritte the Titanic Days 1928.jpg
↑展示順通りにから、
・「とてつもない日々」 1928年・油彩
  (仏題:Les jours gigantesques/英題:The Titanic Days)
・「出会い」 1926年・油彩
  (仏題:La rencontre/英題:The Meeting)
・「庶民的なパノラマ」 1926年・油彩
  (仏題:Panorama populaire/英題:Panorama for the populace)

右の「とてつもない日々」、これは描かれている女性がいわゆるいつもの
ジョルジェット風美人系ではないせいか、
この作品そのものよりも、
ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館所蔵の「赤いモデル」(1937年・油彩)↓の
画面右下に落ちてる新聞に描かれてることの方が印象に残ってたりする。
(ゴメンナサイ・・・。)
Le Modèle Rouge III, 1937.JPG  Le Modèle Rouge III, 1937_部分.JPG
部分拡大してみたけど、やっぱりわかりづらい・・・。
足(靴)の右下に落ちてる灰色の塊が新聞の紙切れ。

真ん中の 「出会い」、小さいので画像ではわからないけれど、うっすら目が血走ってたり。
他の作品のビルボケ(西洋剣玉)にそんな描かれ方してたのってあったっけ・・・と、
観る前はこの3枚の中で一番好みかなと思ってただけに、
薄ら寒いというか、怖いというか、微妙な心持に・・・。
 「出会い」 (仏題:La rencontre/英題:The Meeting) 1926年 部分-1.jpg
これもやっぱりこのサイズではわからないか・・・。
(大きい画像が無くてすみません。)
なんと手持ちの本に画像が掲載されていたのでスキャンしてみた。
血管がわかるのはいいが、アップで見るとちと不気味か・・・。

左の、「庶民的なパノラマ」は、何故かよく来日する。親しみが増す様な、新鮮味が薄れる様な。
1994-95年のマグリット展の図録をみると、当時は個人蔵で邦題は「大衆的なパノラマ」。
そして一昨年の「シュルレアリスムと美術」展での邦題は「人気のあるパノラマ」。
マグリットの邦題を統一する難しさは相も変わらず、といったところ。

第4章 カンディンスキーとクレーの展開
 カンディンスキーは3点だけ、その他はドローネーが1点だけで、
 残りは全てクレーのコーナー。
 色々な作風、技法の作品が揃っていて、
 クレーの幅の広さを知ることが出来て興味深かった。



今回嬉しかったのは、作品のレベルが総じて高かったことと、
作品数が少なくて観やすかったこと、そして何より
作品展示リストが展示順になっていたこと。
ちょっとしたことかもしれないけれど、とても嬉しかったりする。
Bunkamuraさん、これからも宜しくお願いします。


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コメント 6

いっぷく

絵画鑑賞に行って何よりも大事なのは質の高い作品を見せてくれることですね。
どんな巨匠でもできのいい作品、そうでない作品を残しています。
ブランド品のごとく画家の名前が前面に出てくると惑わされます、
自分の視点と価値観で見歩くのは楽しいことですね。
by いっぷく (2009-03-16 23:10) 

m25

>いっぷくさん

 >どんな巨匠でもできのいい作品、そうでない作品を残しています。
 ・・・こういうの、やっぱりありますよね。
 コレクションにしろ、展覧会にしろ、取捨選択って難しいなと思います。

 とはいえ、

 >自分の視点と価値観で見歩くのは楽しいことですね。
 これが案外難しかったりします。
 世間の評価を鵜呑みor基準にしてしまう自分が悲しいです。
 (川瀬巴水は嬉しい例外です。)
 
by m25 (2009-03-17 23:25) 

とら

マグリットは3点だけでしたが、それなりに楽しめました。
実は、わたしにとっては、「庶民的なパノラマ」は初見だったのです。
それだけに、今までみたマグリットとは一味違う作品として、ジックリと鑑賞してきました。
m25 さんが側で解説していただけると、もっと良かったのですが・・・。


by とら (2009-03-18 08:25) 

m25

>とらさん

ご訪問有難うございます。

実は、観て楽しめればいいや、なんて思ってたりしますので、
マグリットの解釈等には詳しくなかったりするのです。
ですが、マグリット好きの知人によると、
「マグリットはぱっと見の不可思議さの他に、
 もう一ひねり仕掛けをしてある」のだそうです。
マグリット好きになって随分経ちますが、自分では悲しいことに、
そんなことには全く気付いていませんでした。
その人が今回もそういった仕掛けを発見したと言ってましたので、
ご参考までに、ご紹介しておきます。
http://ameblo.jp/artony/entry-10202674580.html

ところで、こんなこと申し上げるのは僭越ですが、
「庶民的なパノラマ」、一昨年秋の横浜美術館で開催された
「シュルレアリスムと美術」展でご覧になっているはずです。
なので、デジャヴならぬジャメヴを感じさせる力を
この作品が持っているのかもしれないと思ったら、
今迄以上に作品への興味が湧いてきました。
(なんだか現金ですね、自分。)
by m25 (2009-03-18 20:06) 

mizdesign

こんばんは。
粒揃いで、観て楽しい展示でした。
作品がリスト通りに並んでいることは大切ですね。
最近それがバラバラな展示が多くて、不思議でなりません。
by mizdesign (2009-03-23 00:44) 

m25

>mizdesignさん

TB有難うございました。
派手では無いけれどさり気なく上質というか、ほんと粒揃いでしたね。
作品の配分もいい感じだったのではないかと思います。
あまり混雑せずに比較的ゆったり観られたのもよかったです。
by m25 (2009-03-24 01:33) 

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