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よみがえる黄金文明展@大丸東京 [展覧会@文化系]

21世紀の大発見 よみがえる黄金文明展
 
~ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝~
  http://www.yomigaeru-gold.jp/


■■ 東京展 ■■
 【会期】2009年1月29日(木)~2月15日(日)
 【会場】
大丸ミュージアム東京

■■ 広島展 ■■
 【会期】2009年2月21日(土)~3月31日(火)
 【会場】
広島県立美術館
 

■■ 静岡展 ■■
 【会期】2009年4月11日(土)~5月15日(金)
 【会場】
静岡県立美術館

■■ 福岡展 ■■
 【会期】2009年5月23日(土)~7月5日(日)
 【会場】
福岡市博物館

■■ 北海道展 ■■ ※終了
 【会期】2008年9月13日(土)~11月7日(金)
 【会場】
北海道立近代美術館

■■ 石川展 ■■ ※終了
 【会期】2008年11月15日(土)~12月23日(祝・火)
 【会場】
石川県立美術館

■■ 新潟展 ■■ ※終了
 【会期】2009年1月2日(金)~1月25日(日)
 【会場】新潟伊勢丹アートホール


↓チラシ
s-よみがえる黄金文明展@大丸東京_チラシ表.jpg  s-よみがえる黄金文明展@大丸東京_チラシ裏.jpg

↓チケット
s-よみがえる黄金文明展@大丸東京_チケット表.jpg


↓展覧会公式?チラシ(全会場共通の模様)
s-よみがえる黄金文明展@大丸東京_四つ折チラシ外側.jpg  s-よみがえる黄金文明展@大丸東京_四つ折チラシ内側.jpg
※なんと通常チラシの四倍サイズで地図や年表も記載してあるので、
トラキア文明の概要を知るのに便利。ありがたや。

出かけるついでに折角だから何かハシゴでも、と大丸ミュージアムのサイトをみたらば、
丁度この展覧会が初日を迎えたところだった。
学生の頃はインカやシカンに興味があったので、年間パスのある気軽さで足を運んでみた。
ら。
何気に予想以上によかった・・・。
黄金文明といえば中南米というイメージがあるので、ヨーロッパ、しかも
馴染みの薄い(すみません)ブルガリアに黄金文明があったというだけでも新鮮なのに、
エジプトやメソポタミアより古い時代にブルガリアにれだけの文化があったという驚きに加え、
派手に宝石がごてごてつけられていないシンプル且つ精緻な細工の技巧の見事さ、
美しさにすっかり見入ってしまった。
平日で初日だったせいかゆったり観られたのもよかった。

展示品は指輪等の装飾品から、剣や兜等の武具、陶器に酒器、墓の埋蔵品などなど。

かの有名な
トロイの木馬で活躍したのもトラキア人だとか。
s-トロイの木馬.jpg ← 流石に展示されてません(写真のみ)
好戦的な民族である上に騎士になれたのは裕福な貴族だったそうで、
馬が大事にされたそうで、馬具や馬をモチーフにした展示品も幾つかあり。


s-すね当て 前4世紀.jpg
これが何かというと、「すね当て」(前4世紀)だったり。
この細工の流麗さは何ぞやと。
フィット感を無視せず考慮しているところがまた器用。


指輪もなかなか多彩。

↓指輪 (前5世紀第3四半期)
s-指輪 前5世紀第3四半期.jpg
図像が凹ではなく、凸になっているのがなんだか珍しい様な。


↓指輪 (前5世紀後半)
s-指輪 前5世紀後半.jpg
装飾だけでなく実用を兼ねていたり。
水晶で作られていて、両面を装飾用と印章用に
使い分けることが出来る取り外し可な仕様。


↓黄金の花冠 (前4世紀中頃)
s-黄金の花冠(全体) 前4世紀中頃.jpg
オリーブの枝と葉と実をデザイン。
シンプルな美しさがいい。

s-黄金の花冠(部分) 前4世紀中頃.jpg
↑前面中央にいるのはフィアラ杯(酒盃)を持ったニケ。
  やはり戦闘には勝利の女神はつきものってことで。


残念ながら画像が無いのだけれど、
イヤリングの細工の細かさと美しさは相当なものだった。
逆につるんとした表面に装飾のない腕輪」 (前5000年紀後半)↓
それはそれで美しかったり。
s-腕輪 前5000年紀後半.jpg


その他、チラシに使われた「トラキア王の黄金のマスク」 (前5世紀後半)
(たいていは薄い金箔で100gもしないものなのに、
これは厚い金板を伸ばしていて重さが672gもある)などなど、
紀元前5000年紀(6000年以上も前!)のブルガリアの古代墓地から
1972年に発見されたヴァルナの黄金の違宝は約2000点、総重量は6kg以上。
その数字を聞いただけでその黄金のボリュームに圧倒されるけれども、
それ以外の細工も前述の様に見事なものばかりで、
ギリシャあたりの他文化との交流を偲ぶことも出来る赤絵や黒絵の陶器もあったりと

どれも見応えのある品物ばかり。
(それだけに展示リストが無いのはかなり辛い・・・。)


初日にレセプションでもあったのか、先着2000名のプレゼントであるバラの香り紙と一緒に
ブルガリアワインの試飲会チケットも頂き、美味しいワインを堪能。
(その後観るはずだった展覧会を延期する羽目に・・・。)

しかし存在感のある品々ばかりの中で、とりわけ印象的だったのは、
キャプションにあった、ヘロドトスが『歴史』巻5-4に記した以下の言葉かも。

「トラキア人は、子供が生まれた時はその人生に起こるだろう数々の苦労を嘆き悲しむが、
誰かが死んだ時は憂き世の苦労を免れて至福の境地に入ったと言い嬉々として埋葬を行う」


・・・一夫多妻制で、夫が死んだ時に殉死するのが名誉なことで
殉死対象に選ばれないのは一番愛されなかったという屈辱だったというのは、
えーとーって感じでコメントしようがないが、↑の思想にはぶんぶん首を縦に振りたくなるものがある。

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コメント 6

Tak

こんにちは。

こちらからはTB送れたようです。
設定は特に設けておりません。

それにしてもブルガリア・・・
by Tak (2009-02-04 07:55) 

m25

>Takさん
TB有難うございました。
送るのはエラーになりますが、受けることは出来ました。
こちらも特にPCやブログの設定は変えていないはずなので、謎です。

#「それにしてもブルガリア・・・」ってなんだか意味深な・・・?
by m25 (2009-02-04 14:15) 

いっぷく

装飾品、宝飾品はあまり変質、劣化しないで出土されるので、
当時の様子がしのばれますね。
こういう品々を見るのは楽しみです。
黄金文明に恥じないすばらしい数々ですね。

by いっぷく (2009-02-04 17:42) 

m25

>いっぷくさん
装飾品や宝飾品は劣化し難いのですか。
修復等は施されてるでしょうけれども、状態のよさというか見事さは相当なものでした。
その質量と年代には驚くばかりで、そりゃ歴史も書き換えられるだろうなという感じです。
この品々、イギリスでも展示されたのでしょうか。
by m25 (2009-02-05 20:35) 

いっぷく

イギリスで展示されたかは不明ですがあるとすれば大英博物館の宝飾部門と最近改装再展示されたV&Aミュージアムの宝飾品部門は充実しています。
はじめ仮面を見た時にアテネで見た黄金の仮面だと思っちゃいましたよ。
みんな汚れて出土するわけですが特に金などは劣化しないので修復すれば当時の輝きに戻ることでしょう。

by いっぷく (2009-03-16 23:21) 

m25

>いっぷくさん

そうか、大英博物館ならなにかありそうですね。
それにしても、気が遠くなる様な大昔の出土品が、
修復すると今作られたと見紛うばかりに輝くなんて、
不思議で驚くばかりです。凄いですよね。
by m25 (2009-03-17 23:32) 

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