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「川瀬巴水展 東京風景版画」展@江戸東京博物館 [展覧会@川瀬巴水]

「川瀬巴水展 東京風景版画」展
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/josetsu/dai2/2008/0219/0219.html

会場: 江戸東京博物館・常設展示室
会期: 2008年2月19日(火)~4月6日(日)


↓チラシ
「川瀬巴水展 東京風景版画」展@江戸東京博物館_チラシ表.jpg  「川瀬巴水展 東京風景版画」展@江戸東京博物館_チラシ裏.jpg

川瀬巴水といえば、大田区立郷土博物館での素晴らしい展示の印象
いまだに残る今日この頃に、“江戸”の博物館らしく
東京をテーマにした作品をずらりと並べた展覧会。
しかもただ並べただけではなく、下絵(原画)や試摺等が一緒に並べられて
見比べられるというのだから、巴水の世界を堪能するのに絶好の企画。
出品も所蔵作品からだなんて、いいものもってますな、と賞賛したくなるというもの。


DSCN6527.jpg  DSCN6594.jpg

常設展示室内の企画展スペースは小さいので、そんなに沢山並べられるのだろうかと
疑問だったけど、問題なく並べられていた。

DSCN6605.jpg  DSCN6608.jpg



章立ては、以下の通り。

第1章 川瀬巴水の東京風景
第2章 川瀬巴水の版画と原画-「東京ニ十景」を中心に
 第1章と第2章に、「東京十二題」「東京二十景」などが勢ぞろい。
 巴水が描いた風景の現在の写真や、下絵に試摺、変摺が
 ずらっと並んでたのだけど、メモを取るのをサボってしまったので、
 どう展示されていたかの記憶が曖昧に。
 ここは、いい加減なことを書くよりも、詳細に画像つきで
 レポートされてらっしゃるブログをご紹介させて頂くのが得策と判断。
 
 ・弐代目・青い日記帳
  川瀬巴水展-東京風景版画」 
  
 ・はろるど・わーど
 
 
「川瀬巴水 - 東京風景版画 - 」 江戸東京博物館(常設展内企画展示室)

 そして各章の解説を簡潔にまとめられてる上に、
 過去の展覧会記事リンク付で巴水を満喫出来るこちらのブログもご紹介。
 ・Art & Bell by Tora
 
川瀬巴水展 東京風景版画 @江戸東京博物館


 
   

第3章 川瀬巴水の活躍-資料展示
 アメリカでの展覧会を紹介した新聞記事等を展示。
 丸善での展示では版画の下に写真が掲示されていた、
 外国人向け観光ポスターの実物が観られた。
 観光ポスターは伊藤深水版も作成されたと書いてあった・・・様な。
 (やっぱり記憶が曖昧・・・。)

第4章 広重の江戸、巴水の東京
 出品作品のメモを取れたのは以下の作品のみだったけど、
 展示数は多くても5点程度だったと思う。

・日本橋
 広重 「東都名所 日本橋魚市」         1840年頃
 巴水 「日本橋(夜明)」              1940年

・増上寺
 広重 「江戸名所三つの眺め 芝増上寺前」  1840年頃
 巴水 「雪の増上寺」                1922年1月18日

・木場
 広重 「名所江戸百景 深川木場 (複製)」   1856年
 巴水 「木場の雪」                  1934年3月

第5章 清親の東京、巴水の東京
 第4章と第5章はそれぞれの作家が同じ土地を描いた作品を対にして並べてあった、が。
 描いた場所の地名が一緒というだけで、描いた情景がまったく違ったりして、
 並べただけ、で終わっていたのが残念。
 もっと掘り下げると面白くなるテーマだと思うのだけど。 

第6章 巴水の戦後の東京
 タイトル通りに戦後に作成した作品。
 変り行く東京を受け入れられなかったのか、東京を描いた作品は減ったとか。

第7章 映画「版画に生きる」
 展示室の外に、モニターがあり、表題の映画(約42分)が上映されていた。
 大森で上映されたのは見逃したので、ちゃんと最初から観る。
 この映画は巴水の版画の制作の過程(スケッチ→下絵→彫り→摺り)を、
 「法隆寺西里」(1956年)という作品の制作時に撮影したもの。
 制作した作品の現物もモニター脇にちゃんと展示されてるのが嬉しい。
 文章だけではイメージしづらい作業を映像で観ることが出来るので
 素人には有難かった。(ちょっと長いけど。)
 巴水はこの映画の完成を待たずに亡くなってしまったそう。


・・・と、ちょっと尻すぼみな感じもしたけれど、なかなかいい企画だったと思う。
展示数が多すぎないのが好きなので、これぐらい、もしくは
第1章と第2章だけでも十分満足。

が。

それはなかろう!と暴れたくなる事態発生 → 図録、早々に売り切れ
会期間際にさばけてしまったのかと思いきや、3月18日に売り切れたと
残り半月以上もある状態で売り切れなら、在庫が足りなくなることも予想出来るだろうに、
なぜ増刷をかけなかったのか。
(増刷してたとしても、結局そんなに早くなくなりゃ同じだけど。)

だからといって作品リストが置いてあるわけでもないし。
所蔵目録代わりに再発行してもよいのでは?
(それとも今回展示した作品が全てだと思うなよ、ぐらいに他にも沢山持ってたりするんだろうか。)

館内ショップには、「心よりお詫び申し上げます」といった様なお詫びの言葉もあったけれど、
公式サイトにはお詫びの言葉は無く、「完売いたしました。誠にありがとうございます」などと
嬉しそうに書いてあるのが腹立たしいことこの上なかったり。
まあ、まさかこの規模で図録が売り切れる事態が発生するなどと夢にも思わずに、
そっち方面に用事が出来るかもしれないからそれとあわせてなんて暢気に構えてた自分が
甘かったわけだが。もう二度とこんなヘマはするもんか・・・!と固く誓う。

余談だけれどメモをちゃんと取れなかったのは、
結果的には映像を全部見るのに時間がかかったのもあるけど、
意地でもいつの日にか図録を入手したいという願掛けみたいなみたいなものがあったり。
しかし、大田での展覧会図録のオークションでの高騰ぶりは目を疑う程だったりするので、
あまり期待出来そうにない・・・。
渡邊木版美術画舗さん、多少の上乗せありで構いませんから、
大田での展覧会に引き続いて今回の図録もそちらで販売して頂けませんか?
売れると思います、是非!


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コメント 2

いっぷく

江戸東京博物館が所蔵するのにふさわしい東京風景版画ですね。
図録が売り切れなら予約でもさせて販売するのが経費軽減にもなるというのに仕事が増えるのを嫌うんでしょうね。これじゃあね、民間ならありえない。不満の一つも言いたいね。
by いっぷく (2008-04-25 09:09) 

m25

>いっぷくさん
仰る通り、企画自体は館の特性をいかした好企画でした。
だからこそ、無念さと苛立ちが倍増します。
独立行政法人化だかなんだかで、
公立の美術館だって利益をあげる必要があるだろうに、
みすみす儲ける機会を逃すなんて、ほんとに開いた口が塞がりません。
賛助会員だのなんだの募る前にやることあるよね、と。
by m25 (2008-04-27 00:55) 

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