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「澁澤龍彦-幻想美術館」展@埼玉県立近代美術館・その壱 [展覧会@マグリット]

「澁澤龍彦-幻想美術館」展
 2007年4月7日(土)~5月20日(日)

 埼玉県立近代美術館



「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅」展に引き続き、
埼玉県立近代美術館にてシュルレアリスムの作品が展示されている。

 チラシ外側↓

 チラシ内側↓


 図録 表紙↓

※この図録、なんと平凡社の発行となっている。図録というより書籍?


構成は以下の通り。
 第Ⅰ室  澁澤龍彦の出発
   Ⅰ-1 昭和の少年 1928~
   Ⅰ-2 戦後の体験
   Ⅰ-3 サド復活まで
 第Ⅱ室  1960年代の活動
   Ⅱ-1 美術家との出会い
   Ⅱ-2 土方巽と暗黒舞踊
   Ⅱ-3 さまざまな交友
 第Ⅲ室  もうひとつの西洋美術史  
   Ⅲ-1 マニエリスムの系譜
   Ⅲ-2 19世紀の黒い幻想
 第Ⅳ室  シュルレアリスム再発見  
   Ⅳ-1 エルンストに始まる
   Ⅳ-2 傍系シュルレアリストたち
 第Ⅴ室  日本のエロスと幻想
   Ⅴ-1 血と薔薇のころ
   Ⅴ-2 青木画廊とその後
 第Ⅵ室  旅・博物誌・ノスタルジア
   Ⅵ-1 ヨーロッパ旅行
   Ⅵ-2 博物誌への愛
   Ⅵ-3 日本美術を見る目
   Ⅵ-4 ノスタルジア
 第Ⅶ室  高丘親王の航海
   Ⅶ-1 ひそやかな晩年
   Ⅶ-2 最後の旅 ~1987



4/8(日)、「澁澤龍彦との日々」と題した対談
(澁澤龍子さん(澁澤龍彦夫人)と
巖谷國士氏(展覧会監修者)のお2人)
を聴く前に展示を観ようと思ったらば、相当のボリュームの為に2時間では足りず、

途中まで鑑賞→対談聴講→途中から鑑賞という変な見方になってしまった。

澁澤龍彦の仕事の全体、その質量を知ることが出来るよい企画だったと思う。
自分の澁澤龍彦に対するイメージといえば、「シュルレアリスムに造形が深い」、「サド裁判」
程度だったのだけど、こんなに広く深く美術を愛し、膨大な数の翻訳、執筆をこなしたこと、
そして人々に愛されたこと等、その興味、仕事の広範囲さ、知識の深さに圧倒された。
この企画は、特に展覧会監修者の巖谷國士氏が澁澤龍彦と親しかったこともあり、
相当力を入れこんだのではなかろうか。まさに回顧展というか、それ以上のものがあったかも。
アーティスト本人ではない人(自分でも描いていたらしいけど・・・)の名を冠した展覧会が企画出来る事、
そして当人をよく知る人が企画に携わる事、ってすごく贅沢で稀有な企画ではなかろうか。


そしてマグリット作品の展示は、
岡崎市美術博物館所蔵の『魅せられた領域』(1968年・リトグラフ)より、 以下4点。
 「大鳥は宝島の鳥で……」 ↓
   
 「若き女性が優雅に姿をあらわし……」
 
   ※画像探し中
 「扉がビロードのような夜に通じ……」
    ※画像探し中
 「魅惑的な海水の船が……」 ↓
   


ちなみに、図録に記載されているのは、以下4点。
(展示替えは無い様なので、予定変更?)
 「大鳥は宝島の鳥で……」
 「魅惑的な海水の船が……」
 「ボンバルドンが炎の花束を放ち……」
 「海岸には2つのりんごの訪問者がいて……」


前述の「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅」展で、
会場の岡崎市美術博物館も姫路市立美術館も持ってるのに
このシリーズが展示されてなかったのは、後続の展覧会を
意識してのことだったんだろうか。

また、第Ⅳ室では、Ⅳ-1でマグリットがシュルレアリストに分類され、
Ⅳ-2でデルヴォーが傍系シュルレアリストに分類されていた。
意外な様な、成程な様な・・・?


と、構成紹介と全体の感想だけで随分スペースを取ってしまったので、
その他の作品の感想は、また後程。

ちなみに、本日は巖谷國士氏の講演会「澁澤龍彦★美術の旅」を聴きに行こうと
思っていたのに、体調不良で断念。
非常に悔しいので、せめて記事だけでも、と書いてみたが、1度では終わらなかった・・・。
(いつも語り過ぎ・・・。)


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コメント 4

ミカエラ

こんにちは(^^) はじめまして。
私も先日この展覧会に行ってきました。
龍子さんと巌谷さんの講演聴かれたのですね、羨ましいいです><
“澁澤龍子”さんって本名みたいですね、
この展覧会をみるまで芸名であるとだろうと思っていた次第です(笑)
巌谷さんとの筆談のメモも展示されていましたね、
力強い字で書かれてはいましたけれど、病床で書かれたことを思うと、
少々悲しくなってしまいました。
しかし仰るとおり、皆に愛されていていたのだなということがよくわかる、
素晴らしい美術展だったと思います(^^)
TBさせていただきましたのでよろしくお願いいたします。
by ミカエラ (2007-05-09 15:17) 

m25

>ミカエラさん
 折角コメント頂いたのに、レスが遅くて申し訳ありません。
 対談は聴けたのに、講演会が聴けなかったのは残念でなりません。
 夫人のお名前が「龍子」さんなのは偶然なのでしょうけど、なんともお似合い過ぎて驚きました。
 こういう素敵な偶然って、いいですよね。
by m25 (2007-05-15 01:46) 

いっぷく

なぜか懐かしさを感じる澁澤龍彦氏です。
学生の頃にいろいろ読みましたが、
もう忘れてしまった。
by いっぷく (2007-05-27 15:12) 

m25

>いっぷくさん
 色々読まれたのですね。実は自分は1冊しか読んでません・・・。
 でも、日本でシュルレアリスムといえば、
 瀧口 修造、澁澤龍彦、巖谷國士の各氏だというイメージが強いので、
 気になる存在ではあります。
 この展覧会は、自分の知らない澁澤氏を知ることが出来て、
 入門編としてためになりました。
by m25 (2007-05-31 00:12) 

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