没後50年 モーリス・ド・ヴラマンク展 <前編> [展覧会@西洋美術]
没後50年 モーリス・ド・ヴラマンク展
久々に(というかめったにないけど)ぞくぞくした展覧会。
イメージ通りのヴラマンクと今迄知らなかったヴラマンクの両方を楽しめた。
当初は観に行くつもりはなかったのだけど、
評判がいいので東京展の会期末に滑り込んだら、大正解。
思わず買うつもりの無かった図録まで買ってしまった。
なぜか東京の後は東海も関西も中国四国もすっとばして九州で2箇所も巡回。
九州内は案外移動が不便だったりもするので、北か南か選べるのは便利かと思われ。
■ 東京展
会場: 損保ジャパン東郷青児美術館
会期: 2008年4月19日(土)~6月29日(日)
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/program/index.html のprogram2008
■ 大分展
会場: 大分県立芸術会館
会期: 2008年7月8日(火)~8月17日(日)
http://geijutukaikan-b.oita-ed.jp/exhibition/project/20080709.html
■ 鹿児島展
会場: 鹿児島市立美術館
会期: 2008年10月3日(金)~11月3日(月・祝)
http://kagoshima.digital-museum.jp/artmuseum/index.html
↓ チラシ
↓ チケット
↓ 図録・カバー
↓ 図録・本体
図録がシンプルでいい。
装幀は凝ってるけど、中身は見開き1頁につき1作品で
(最後の連作版画のみ1頁につき2作品)、
頁を跨ってたりしないから見切れないし、
解説は巻末にまとめて簡潔に掲載。
より掘り下げた情報を求める人には物足りないかもしれないけど、
まったく資料が無いわけでけしてないし、
さっと眺めることが出来て、文章読むのが苦手な人間には有難い。
残念なのは、後述の章立てが、出品リストにも図録にも明記されてないこと。
年代がかぶるものはどちらの章にあたるのか、
目利きでないのでちょっと判断が難しい・・・。
↓ブックレット (左:一般向け、右:ジュニア版)
一般向けは表紙含めて8頁の薄さなので、
数百円というのがコスト的に微妙なとこもあるけれど、
かさばらない上に、ヴラマンクについてコンパクトに纏められているので
入門編の資料としてはお役立ち。
ジュニア版掲載の画像は若干一般向と異なってる。
買うつもりはなかったのだけど、図録とブックレット2冊セットで
お買い得になっていたのでつい吊られてしまった。
↓ 新宿西口地下街の広告
なんかもう気合入りまくりの派手さ。
↓ 広告の旗
こちらは白バージョン無し。
↓ 損保ジャパン東郷青児美術館入口
メインカラーはどピンク。
野獣的とかいうのとはまたなんか違いそうな派手さにくわれそう。
展覧会の構成は、以下の3本立て。
≪1≫ 最初期からフォーヴへ 1900 - 1907年
≪2≫ セザンヌ風の時代 1908 - 1919年頃
≪3≫ スタイルの確立~ダイナミックな風景 1919年頃 - 1958年
≪1≫ 最初期からフォーヴへ 1900 - 1907年
↓ 1900~01年「室内」
暗めの色遣いながら、どこか暖かい感じが気に入った1枚。
まだおとなしめな感じだけど、このぺったり感がなんだかいい。
↓ 1907年「緑のテーブルの静物」
ざっくり描いた感じが、らしいかもと思わせる。
↓ 1907年「白い花瓶の花束」
粗いタッチでも色彩が明るめだからか、
ごつさより明るさ、暖かさが感じられる。
≪2≫ セザンヌ風の時代 1908 - 1919年頃
↓ 1910年頃「橋のある風景」
筆致は兎も角、空の青の色、特にブルーグレーの色合いがいい。
一色でなく微妙にトーンが違うところも。
筆致より空の色に惹きつけられた作品は確か他にも数点。
↓ 1911年「雪の風景」
雪の白ののせ方が、ヴラマンクといえば雪なんだっけ、と
その片鱗を感じさせる作品。
↓ 1912年頃「ポプラのある風景」
おこがましいかもしれないけど、自分が油絵を描いたら
こんな色遣いしそうで親しみがわいた作品。
バランスがよくわからない構図もなんとなくツボ。
↓ 左から、1918年「花束」 / 1918-19年「花束」 / 1918-19年「ひなげしの花束」
予想外だったのは、花の絵。
(花らしい花の絵を描いてるとは知らなかった。)
初期のところで展示されていた花の絵とは全然違う雰囲気で、
そんなに写実的でもないのに、妙に存在感を放っていて印象的だった。
今回は掲載画像が多かったので、サイズは小さめにしたけど、
それでも結構なボリュームなので、
≪3≫ スタイルの確立~ダイナミックな風景 1919年頃 - 1958年
については、また次回に。
今までに何枚か見ているけれど、名前と結びつかなかった。
こんなタッチで描かれる絵は好きですね、自由な筆使いがいいし、
自在に画風が違う感じもいいです。他の絵もいろいろ観たくなりますね、
気になる画家がまた一人増えました。
by いっぷく (2008-08-05 23:06)
>いっぷくさん
上野にきているコローもですが、有名で名前は知っていても
実はよく知らない画家って結構いるな・・・、と思う今日この頃です。
筆致等、画像や印刷物だと伝わりにくいところもある為
実物とは随分印象が違ってるかもと思うので、
この小さい画像でも絵の雰囲気が伝わったなら嬉しいです。
by m25 (2008-08-06 22:19)