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ピカソとクレーの生きた時代展@Bunkamura ザ・ミュージアム [展覧会@マグリット]


 20世紀のはじまり ピカソとクレーの生きた時代展

ドイツはデュッセルドルフにあるノルトライン・ヴェストファーレン州立美術館は、
何気にマグリット作品を数点持っているので、いつか訪れてみたかった美術館。
それが改築工事による休館を契機に向こうから日本に来てくれるというので、
願っても無いと大喜びで昨年末から楽しみにしていた。のに。
観に行ったのは会期終了間際。

ちなみに、パウル・クレーのコレクションで有名だというのは、今回初めて知った。
今迄マグリットしか目に入ってなかったけど、マグリットを持っているということは、
その時代の作品を収集してるであろうことは当然といえば当然だった。


■■ 東京展 ■■
 【会場】 Bunkamuraザ・ミュージアム
      http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/shosai_09_k20.html
 【会期】 2009年1月2日(金)~3月22日(日)


■■ 兵庫展 ■■
 【会場】 兵庫県立美術館
     
 http://www.artm.pref.hyogo.jp/
 【会期】 2009年4月10日(金)~5月31日(日)


■■ 名古屋展 ■■
 【会場】 名古屋市美術館
      
http://www.art-museum.city.nagoya.jp/index.shtml
 【会期】 2008年10月18日(土)~12月14日(日)
 ・名古屋展サイト http://k20nagoya.jp/index.htm ※閉鎖


 

↓ チラシ・外側
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_チラシ外側.JPG
 

↓ チラシ・内側
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_チラシ内側.JPG

↓ リーフレット・外側
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_リーフレット外側.JPG

↓ リーフレット・内側
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_リーフレット内側.JPG

↓ チケット
ピカソとクレーの生きた時代展@bunkamura_チケット.jpg 


チラシは見開きで、別途小さなリーフレットも作る力の入れようは、
Bunkamura 20周年記念企画だからなのか。
ピカソとクレーと銘打ってはいるけど、出品数はピカソは6点、クレーが27点と
点数と扱いに差はあるものの、ピカソはよさげで大きい作品なので、見応えはあったかと。
ちなみに展示総数は60点強。チケット代の高さに比して少ないといえば少ないけど、
観るのに疲れないのは嬉しい。


第1章 表現主義的傾向の展開
  この章で印象的だったのはシャガール2点、
  「バイオリン弾き」(1911年・油彩)と「祝祭日」(1914年・油彩)。
  どこかいつものシャガールとは一味違う感じで。
  点描のマティス作品も興味深い。

第2章 キュビスム的傾向の展開
 ピカソメインのコーナー。
 キュビスムっぽくない作品もあったけど、
 どれも流石ピカソという存在感のある作品ばかりだった。

第3章 シュルレアリスム的傾向の展開
 エルンストあたり、やはり魅力的。
 だけどやはりここはマグリット3点。
 実はマグリット作品の中でもそう思い入れのある方ではないのだけど、
 やはり大きい作品が3点並ぶと、独特の雰囲気が漂う。
 並べて展示してくれて有難う、Bunkamuraさん。

 「人気のあるパノラマ」1926年.jpg  La rencontre / the encounter 1926.jpg  magritte the Titanic Days 1928.jpg
↑展示順通りにから、
・「とてつもない日々」 1928年・油彩
  (仏題:Les jours gigantesques/英題:The Titanic Days)
・「出会い」 1926年・油彩
  (仏題:La rencontre/英題:The Meeting)
・「庶民的なパノラマ」 1926年・油彩
  (仏題:Panorama populaire/英題:Panorama for the populace)

右の「とてつもない日々」、これは描かれている女性がいわゆるいつもの
ジョルジェット風美人系ではないせいか、
この作品そのものよりも、
ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館所蔵の「赤いモデル」(1937年・油彩)↓の
画面右下に落ちてる新聞に描かれてることの方が印象に残ってたりする。
(ゴメンナサイ・・・。)
Le Modèle Rouge III, 1937.JPG  Le Modèle Rouge III, 1937_部分.JPG
部分拡大してみたけど、やっぱりわかりづらい・・・。
足(靴)の右下に落ちてる灰色の塊が新聞の紙切れ。

真ん中の 「出会い」、小さいので画像ではわからないけれど、うっすら目が血走ってたり。
他の作品のビルボケ(西洋剣玉)にそんな描かれ方してたのってあったっけ・・・と、
観る前はこの3枚の中で一番好みかなと思ってただけに、
薄ら寒いというか、怖いというか、微妙な心持に・・・。
 「出会い」 (仏題:La rencontre/英題:The Meeting) 1926年 部分-1.jpg
これもやっぱりこのサイズではわからないか・・・。
(大きい画像が無くてすみません。)
なんと手持ちの本に画像が掲載されていたのでスキャンしてみた。
血管がわかるのはいいが、アップで見るとちと不気味か・・・。

左の、「庶民的なパノラマ」は、何故かよく来日する。親しみが増す様な、新鮮味が薄れる様な。
1994-95年のマグリット展の図録をみると、当時は個人蔵で邦題は「大衆的なパノラマ」。
そして一昨年の「シュルレアリスムと美術」展での邦題は「人気のあるパノラマ」。
マグリットの邦題を統一する難しさは相も変わらず、といったところ。

第4章 カンディンスキーとクレーの展開
 カンディンスキーは3点だけ、その他はドローネーが1点だけで、
 残りは全てクレーのコーナー。
 色々な作風、技法の作品が揃っていて、
 クレーの幅の広さを知ることが出来て興味深かった。



今回嬉しかったのは、作品のレベルが総じて高かったことと、
作品数が少なくて観やすかったこと、そして何より
作品展示リストが展示順になっていたこと。
ちょっとしたことかもしれないけれど、とても嬉しかったりする。
Bunkamuraさん、これからも宜しくお願いします。


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いとも美しき西洋版画の世界@埼玉県立近代美術館 [展覧会@マグリット]

 「いとも美しき西洋版画の世界  -紙片の小宇宙を彷徨(さまよ)う」展

1人のコレクターが50年の歳月をかけて築きあげたコレクションによる、
15世紀から20世紀までの西洋版画の流れが一望出来る展覧会。

■ 埼玉展
会場: 埼玉県立近代美術館
会期: 2008年4月5日(土)~2008年5月18日(日)
http://www.momas.jp/

■ 長野展
会場: 
ハーモ美術館
会期: 2008年5月24日(土)~2008年7月27日(日)
http://www.shinshu-online.ne.jp/museum/harmo/
 
■ 東京展
会場: 
八王子市夢美術館
会期: 2008年12月5日(金)~2009年1月27日(火)
http://www.yumebi.com/

■ 青森展
会場: 
八戸市美術館
会期: 2009年4月25日(土)~2009年5月31日(日)
http://www.hachinohe.ed.jp/artmuseum/


 

↓ チラシ
いとも美しき西洋版画の世界@埼玉展_チラシ表.jpg  いとも美しき西洋版画の世界@埼玉展_チラシ裏.jpg


 ↓ チケット
いとも美しき西洋版画の世界@埼玉展_チケット.jpg


↓ 技法解説
いとも美しき西洋版画の世界@埼玉展_解説 裏.jpg  いとも美しき西洋版画の世界@埼玉展_解説 表.jpg
雰囲気だけですみません。
読める状態にするとサイズが大きくなりすぎてしまうので、
こういう親切なシートも用意されてた、ということで…。




↓ 図録
いとも美しき西洋版画の世界@埼玉展_図録_合成.jpg

カバーが一体化した装丁。(折りたたんだ内側も広げてます。)

章立ては以下の通り↓

第Ⅰ章 誕生から黄金時代へ
      15~17世紀--北方の版画 ドイツ、フランドル、オランダ

第Ⅱ章 多様な展開 線に宿る綺想
      16~18世紀--イタリア、フランスの版画

第Ⅲ章 近代の黎明 諷刺と幻想
      18~19世紀--イギリス、スペインの版画

第Ⅳ章 画家と版画 “画家にして版画家(パントル・グラヴール)”の活躍から世紀末デカダンへ
      19世紀--フランス、ドイツ、イギリス

第Ⅴ章 巨匠たちの饗宴
      20世紀--ヨーロッパ


・・・実はどちらかというと版画にはあまり関心はなかったりする。
なので最初に開催を知った時もさして触手は動かず。
そして協力:町田市立国際版画美術館の文字を見て、
町田の所蔵品を持ってきたのかと激しく勘違いし、
尚更わざわざ足を運ぶまでもないかな・・・と思ったところで、
何故か(展示概要は見逃したくせに)、巨匠の名前が並ぶのが目に入る。
何だか凄そうな面々かも・・・観といた方がいいかも・・・?と迷っていたところに
お得なチケットが目の前に現れ、鑑賞決定。

15世紀から時代の流れを追って展示された作品は、
初めて目にする作家が多い中に超有名どころが現れたり、
その技術の細やかさに感心したりと、予想を覆す見応え。

絵を彫る、という時点でもう感心するのに、
黒一色にも関わらず遠景・中景・近景と色調を段階的に薄くすることで遠近感を出したり、
細かい多数の線で立体感を表現したり、
何気に余白を活かしたり、
まるで写真の様な克明な描写だったり…
等々、その表現力にはただただ感心するばかり。
知ってる画家の作品もそうでない作品も、存分に楽しませてもらった。

ヒエロニムス・ボスやブリューゲル・パパは、本人が作った版画ではなく、
その作品を原画とした版画が展示されていたけれど
(そんな中でクラーナハは本人作!)、
線のみで表現された異形の世界は、また絵画とは違うユーモラスさが漂っていた様な。


↓ ヒエロニムス・ボス(原画) 版刻:ピーテル・ファン・デル・ヘイデ
  「盲人の手を引く盲人」 
1550年代 エングレーヴィング
コピー ~ ヒエロニムス・ボス(原画).jpg



↓ ピーテル・ブリューゲル(父)(原画) 版刻:ピーテル・ファン・デル・ヘイデ
  「最後の審判」 
1558年 エングレーヴィング

コピー ~ ピーテル・ブリューゲル「最後の審判」.jpg


↓ ルーカス・クラーナハ(父) 「聖アントニウスの誘惑」 1506年 木版
ルーカス・クラーナハ(父) 「聖アントニウスの誘惑」1506年 木版.jpg


↓ ヘンドリック・ホルツィウス
  「羊飼いの礼拝」 
1600年頃 エングレーヴィング
ヘンドリック・ホルツィウス「羊飼いの礼拝」1600年頃 エングレーヴィング.jpg
今回のチラシに使われたこの作品、
実は未完の状態のまま、息子が刷って発売したとか。
全体を均等にではなく部分にわけて彫り込んでいく
エングレーヴィングならではの制作過程が窺えるものだそう。
線が本当に細やかで、陰影のつけ方は凄過ぎるとしか言い様が無いかも。

そして未完成であることを活かしてチラシに仕立て上げた
チラシ担当者のセンスは素晴らしいと思う。
集客を考えると、近現代をもっとアピールした方がよかったかもと
思ったりもしたけれども。


・・・その近現代。

“版画”という言葉の印象と展覧会のチラシからは中世メインかという
印象をうけそうだけれど、実はそうそうたる面子が目白押し。
1人1点の作家も多いけれど、それでも挙げるとキリがないので、ちょっとだけご紹介。


↓ オディロン・ルドン
  「そして空から舞い降りた大きな鳥が彼女の頭のてっぺんに襲いかかる……」
  (ギュスターヴ・フロベール『聖アントワーヌの誘惑 第一集』より 第3図)
  
1887年 リトグラフ
コピー ~ オディロン・ルドン.JPG
この人程、黒の世界が似合う人はいないかも、
といっては過言ではないかも?



↓ アンリ・マリ・レイモン・ド・トゥールーズ=ロートレック
  「マルセル・ランデ嬢、胸像」 
1895年 リトグラフ
コピー ~ ロートレック.jpg
こちらの作品、書籍に掲載されたバージョンがなんとお隣はうらわ美術館での
「誌上のユートピア-近代日本の絵画と美術雑誌1889-1915」展
展示されていて、偶然にびっくり。

また、これだけではなくて、ビアズリーのサロメ挿絵も、
両美術館で同じものが展示されていて重ねてびっくり。

版画と本、印刷繋がりでタイアップすればよかったのに、勿体無い~!



↓ ジェームス・アンソール
   「大聖堂」 
1886年 エッチング
ジェームス・アンソール「大聖堂」1886年 エッチング.jpg
ちまちまし過ぎるくらいの緻密さはお手の物といった感じ。


↓ マックス・エルンスト
  「『マキシミリアーナ、あるいは天文学の非合法的行使』より」
  
1964年 エッチング、アクアチント
コピー ~ マックス・エルンスト.jpg
いつものエルンスト作品とはどこか一味違う印象を受ける作品。
でもやっぱり色遣いや画面の質感等、惹きつけるものがある。



↓ ルネ・マグリット
  「オルメイヤーの阿房宮」
  
1968年 エッチング
マグリット「オルメイヤーの阿房宮」1968年 エッチング.jpg
てっきり町田の某作品が出るとばかり勘違いしまくってたので、
この作品が現れて驚いた。
国内にこんなのが個人蔵であったなんて知らなかったと衝撃。
実際の作品はもう少し色肌というか質感が滑らかだった様な気がする。

↓ ジョアン・ミロ
  「岩壁の軌跡 Ⅵ」 1967年
  
エッチング、アクアチント、カーボランダム
コピー ~ ジョアン・ミロ.jpg
展示室のトリを飾っていた作品。
ああ、確かにミロは版画似合いそう、となんとなく納得。
緻密な線の集合がこんなにゆったりまったりに進化したのかと思うと、
なんだか凄いなあとしみじみ。「刷る」ことのなんと多様なことか。


・・・というところで出口を出て、開催概要(ご挨拶)を見逃していたことに気付く。
ここで初めてこれらの作品が個人コレクションだと知ってびっくり。
質量ともにこれだけ充実したものを個人で・・・しかも50年かけてコツコツと・・・。
ただただ恐れ入るばかり。賞賛、そして感嘆。

実際この展覧会、“いとも美しき”とタイトルに冠していることからわかる様に
主催者側の版画に対する愛情が伝わってくるかの様。
会場入口ではルーペの貸し出しがあり(なるほど版画は線が細い)、
作品リストに加えて版画技法の解説シートも配布されていた。
図録もコンパクトな単行本サイズな上に、厚みはあっても軽いので携帯もしやすい。
ほとんどモノクロ一色の中の数少ないカラーの作品が
一部白黒で掲載されているのだけが少々残念ではあるけれど、
巻末にもやはり版画技法の解説がちゃんと記載されているのはポイント高し。

一見地味な企画ながら、味わい深いよい展覧会だった。静かに満足。
今回の企画は、町田市立国際版画美術館にこそ
相応しい企画だったかもという考えがちらと頭をよぎったのだけれど、
むしろ普段版画に関心のない人にこそ観てほしい展覧会ということなのかもしれない。

・・・でも会期最終日、しかも終わってから記事書くことのなんとも間抜けなこと。
幸い、関東圏は年末に八王子に戻ってくるので、その予告として・・・(というには早すぎる・・・)。



ちなみに、出品は作家70人に作品159点+2組(17点,6点)にものぼる。
長くなるので、出品作家名のみ、“続きを見る”をクリックした先に記載。

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「シュルレアリスムと写真 痙攣する美」展@東京都写真美術館 [展覧会@マグリット]


「シュルレアリスムと写真 痙攣する美」展

会場    :
東京都写真美術館 3階展示室
会期    :2008年3月15日(土)~5月6日(火・祝)
開館時間 :10時~18時(木・金~20時)
休館日   :月曜日(5/5は開館)


2つのシュルレアリスム展が開催されて
シュルレアリスム三昧だった一年がようやく終わったと一息ついた頃に、
今度は写真に的を絞ったシュルレアリスムの展覧会が
東京都写真美術館で開催中。

写真とシュルレアリスムの関係に注目した国内初の大規模展
とのことで、写真美術館所蔵のものを中心に、出品数は約200点。

マグリットは、所蔵品から1点(タイトル不詳/1935年のみの出品

その他、モーリス・タバールの「≪目・海≫マグリットへのオマージュ(多重露光)」
というタイトルの作品(ツァイト・フォト・サロン蔵/1938年)もあり。

AVANTGARDE VOL.5特別号 シュルレアリスム特集.jpg

AVANTGARDE VOL.5特別号 シュルレアリスム特集

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: INTERARTE編集部
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: ムック

    残念ながらマグリットの作品は未掲載だけど、
    ↑のアートマガジンに、出品作品が多数掲載されている。
    また、担当学芸員さんによる原稿や、
    東京都写真美術館館長と巖谷國士氏へのインタビュー等が
    掲載されているので、予習にどうぞ。
    一般書店での扱いは少なさそうで、大規模書店か通販で入手可能。

    amazonが品切れの場合、こちらでも購入可能。
    http://www.fujisan.co.jp/Product/1281682069
    このサイト上では一冊定価:1,680円となっているけど、
    書店での購入価格は2,415円。
    定期購読するなら安くなる、ということなのだろうか?




    この展覧会、すごいことにシンポジウムや講演会が目白押し。
    しかもスケジュールがびっしり。
    楽しみだけど、頭から煙が出そうでちょっと心配・・・。


【フロアレクチャー】
担当学芸員による展示解説

期日: 会期中の第2・第4金曜日14時~

※展覧会チケット持参で会場入口に集合



【連続記念講演会「写真とシュルレアリスム」
講師: 巖谷 國士教授(明治学院大学)
会場: 東京都写真美術館階アトリエ
定員: 70

■プログラム
・1日目: 
2008年4月26日土)
    14時~  
部: マン・レイとオブジェの発見
    
16時~  第2部: ナジャ、パリ、痙攣的な美

・2日目: 2008年4月27
    14時~  第3部: 1930年代のシュルレアリスム
   
16時~  第4部: 旅、超現実、日々の魔術

展覧会チケット半券持参で参加可能。
※開催当日10時より、1階受付にて整理券配布先着順



【関連シンポジウム「シュルレアリスムの宇宙」
期日: 2008年4月20(日)
司会: 神保京子氏(東京都写真美術館学芸員) 
会場: 東京都写真美術館1階ホール
定員: 19


■プログラム
部: シュルレアリスム美術をどう語るか
    14時~   鈴木 雅雄教授(早稲田大学)
    14時半~  林 道郎教授(上智大学)
    15時~   ディスカッション

部: シュルレアリスムと複製文化
    16時~   塚原 史教授(早稲田大学)
    16時半~  千葉 文夫教授(早稲田大学)
    17時~   ディスカッション

展覧会チケット半券持参で参加可能。
※開催当日
10時より、1階受付にて整理券配布先着順


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美のひととき展@宮崎県立美術館 [展覧会@マグリット]


         


美のひととき展

 「観た。聴いた。知った。美の誕生と旅の軌跡。」と銘打って、
作品の来歴を辿ったり、アトリエや展示空間を再現したりと、
一味違った展示方法でコレクションを楽しめる展覧会。


会場    :宮崎県立美術館
会期    :2008年1月11日(金)~2月3日(日)
開館時間 :10時~18時(入館は閉館30分前迄)
休館日   :1月15日(火)、21日(月)、28日(月)

 


展覧会の構成は、下記の通り。

【ひととき1: ここから美が生まれた】
  □ 宮崎県立美術館のコレクションといえば、まず瑛九。
    絶筆「つばさ」を描いたアトリエを再現し、点描作品に囲まれた展示空間を実現。
 
【ひととき2: 作品名はメッセージを読み解く鍵となる】
  □ コレクションの目玉となれば昨年のシュルレアリスム展でも存在感たっぷりだった、
    マグリットの「現実の感覚」もはずせないところ。
    前述の展覧会での作品タイトルを解説するキャプションはわかりやすくて秀逸だった。
    企画展の成果をコレクション(展)に還元出来るのっていい流れだと思う。

    そして今回の展示では、背面の壁を黒のフェルトで覆い、展示位置を通常より高くし、
    揺り椅子に座って、「現実の感覚」の浮遊感をより楽しめる様に工夫が凝らされてるとのこと。
    しかも、なんとアクリル板を外した状態で観られるそうな。客の要望に応えてくれるのが嬉しい。

  □ マティスの「ジャズ」を、ジャズ音楽が流れる空間をイメージした部屋に展示。

  □ 加納光於のシリーズ版画を初公開。
 

【ひととき3: 世界を旅した作品たち】
  □ ピカソやクレー等の作品から、作品の裏に残る展示来歴や作品輸送用木箱の秘密を紹介。
  □ アメリカで活動した宮崎出身の伊達孝太郎の作品も紹介。
 

【ひととき4: 生活の中で美は楽しまれてきた】
  □ 日本間におさまった襖絵(山内多門作「芦雁図」)、
    行灯に浮かび上がる屏風絵(岡部南圃)、
     床の間に掛けられた掛軸(根井南華「松鶴図」)と、
    日本画を和の空間で味わえる様になっている。
    「金刀比羅宮 書院の美」展や相国寺での若冲展でも和室を再現していたけど、
    こういうのは作品の味わい深さが増すので大歓迎。
    
 
【ひととき5: 収蔵された作品は・・・】
  □ 収蔵庫の仕組やブロンズ彫刻の石膏原型を公開。

  □ 光の変化で表情が変わる彫刻作品の魅力を紹介。
    シュルレアリスム展でのアルプの「植物のトルソ」で凄く感じたけど、
    ライティングや背景等で、絵画以上まったく表情を変えるのが彫刻。
    学芸員の腕の見せ所でもあるかと。
    


展示に加えて、関連イベントも楽しめそうで期待大。

  ■ 学芸員によるギャラリートーク
    会期中の日曜日、11時~と14時の2回開催。
    チケットが必要。

  ■ アートゼミ「県美のコレクション」
    1月12日(土)・19日(土)・26日(土) 10時半~11時半。
    展示作品を中心に、収蔵作品への理解を深めるゼミ。
    チケットと事前申込が必要。

  ■ 学芸員体験コーナー
    会期中実施。
    掛軸の扱いや作品の展示方法、照度調整等が体験出来る。
    無料。
    (これは楽しそう…。)

  ■ アートゲーム 〔展示室4(彫刻展示室)・です〕
    県立美術館名品のアートカードを使ったゲーム。
    会期中の土曜日、15時~15時半まで実施。
    無料。
    小学生以上対象だそうだが、大人がやってもいいんだろうか?


展示詳細はこちらの公式サイトからどうぞ。割引券もあり↓
http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/box/tokubetsu.html


ちなみに、サイトには“安らぎの「ひととき」をお過ごしください。”との一文があるけど、
それは無理じゃなかろうかと…。
ゆったり楽しめそうな反面、普段観れないものが観れるなんて、盛り上がってテンション高くなりそうだ。
しかし遠い・・・何故宮崎はこんなに遠いのか・・・。(そして釣り糸を垂れるのか・・・。)


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「シュルレアリスムと美術」展、横浜展+α [展覧会@マグリット]

シュルレアリスムと美術展、各地で鑑賞した感想を書いたけど、
肝心の出品作品についての感想を書いてなかったり。
横浜展の期間は長いから終わる迄に・・・と思ったのに、気づけばもう残り1週間。
作品の感想は時間かかりそうなんで、横浜展での個人的ツボを少々。

↓チケット(当日券)



1度目に続いてまたしても駆け足の鑑賞になってしまったのだけど、
2度目の鑑賞ポイントは、前回見逃した(というか気づけなかった)、
ハンス・アルプ「トリスタン・ツァラの肖像(1916年のタイトル)、レリーフ、アルプはここにいる
(1920年のタイトル)」の“影(演出)”だけはチェックしなくては、と意気込んで会場に。

なんだけど・・・どーみても物理的に出来る黒い影が何かを表してる様には見えず、
この演出効果というのはどこにあるのだろうと頭を捻りつつふと目を転じると、
そこに透明な“影”が。
(透明な“影”なんて表現としておかしいかもしれないけど、
 作品を覆う透明なケースの影、な訳です。
 うまく表現出来ずに恐縮ですが、
 細いグレーの線が、本来のケースの枠線、
 水色が上記に光が当たって出来たシルエット、と思って下さい。
  イメージ画像はこちら↓)


この透明な“影”というか“光の枠”みたいなのが
本物より大きなケースを形作って
明るく作品を包み込んでいるのに気づいた時は、ちょっと感動。
(見逃してたのは自分だけかもしれないんだけども。)
担当学芸員さんの「作品は役者、学芸員は演出家」という言葉を
しみじみ噛み締めた。

作品自体は素朴な感じなので、入口正面でこの作品に出迎えられても
強いインパクトを感じるというわけでもないのだけれど、
いったんこの光のシルエットに気づくと、うっとり見入ってしまった。
(入口後方に下って、この作品だけが視界に入る位置で。)
こういうのを、自力で見つけられたらもっと楽しいのに、
その才が無い自分が悲しい。

気を取り直して、懲りずにまた常設展までも駆け足で観ていたら、
展示室間の通路に、こんな案内板が。

  

なんと、美術情報センター(ライブラリ)にて、
“「シュルレアリスムと美術」展コーナー”と題して関連本が展示されていた。

なんと横浜美術館には、とある画廊からマグリットの家にあった書籍
約500冊を寄贈されたそうで(データベース化はまだらしい)、
マグリット初個展のカタログやエルンストからの署名入献呈本が
「シュルレアリストたちの交友」と銘打って初公開されていた。
流石に手に取って眺めるわけにはいかないけれど、
色鉛筆だかパステルだかで描いた様なイラスト(の表紙)なんて初めて観るし、
初個展や署名入献呈本、だなんてテンションあがるあがる。
張り付いてメモしてたら、職員の方が解説して下さった。(有難うございます。)
 
そして隣のショーケースには、「各地で開催されたシュルレアリスム展」と銘打って、
過去のシュルレアリスム関連の展覧会のチラシや案内葉書が展示されていた。
このコーナーの展示リストが欲しい・・・(メモしきれず)。

書籍の方のリストだけでも、挙げておきます。

□ 展示されていた書籍リスト □

「反復」 
 1962年  スピーゲル画廊@ケルン
 
詩:エリュアール  表紙、挿画:エルンスト
 ※ エルンストからマグリットへの献呈本

「マックス・エルンスト; 著作と版画作品展」(カタログ)
 1963年11月30日~12月31日  トゥール市美術館
 ※ エルンストからマグリット夫妻への献呈本

「マグリット」展
 1927年4月23日~5月3日  ル・サントール画廊@ブリュッセル
 ※初の個展カタログ 61点掲載(図版無)
     ポール・ヌジェとヴァン・エックによる序文掲載

「生活の必要性」
 詩:エリュアール  挿画:マグリット
 1964年 ブリュッセル リュミエール社
  ※12枚のイラストを作成

「カミーユ ゲーマンス作品集; 1922-1957」
 表紙:マグリット
 1970年  アンドレ・ラッシュ社@ブリュッセル
 ※ゲーマンスの講演録「生きているマグリット」所収
   

「マルドロールの歌」
 著:ロートレアモン  表紙、挿画:マグリット
  ※77枚のイラスト

「マックス・エルンスト; 作品集1919-1930」
 撮影:マン・レイ
 1937年  カイエ・ダール社@パリ
 ※ エルンストからマグリットへの献呈本

「ルネ・マグリット 1898-1967; イメージの詩人」
 マルセル・パケ著 2001年 タッシェン・ジャパン社

「シュルレアリスム展」
 表紙: アンドレ・マッソン 
 1971年5月2日~9月1日  ボザール画廊@ボルドー


 


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シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅-@姫路展 [展覧会@マグリット]

「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅」
 
2007年9月15日(土)~10月28日(日)
 姫路市立美術館

 http://www.city.himeji.hyogo.jp/art/kikaku/index.html



チラシ(ポスターも同デザイン)↓
  

気になるポスター、埼玉、岡崎とおそろいだったものの、
山梨、宮崎はオリジナルだったので、
さて姫路はどうくるかと楽しみにしていたら、原点回帰。

こんなポスターも↓

最初のデザインに戻ったんだ、と気を抜いていたら、
しっかり違うバージョンもつくってたとは。
別デザインの小サイズをつくったのは姫路だけじゃないだろうか。
(各地の鉄道系の吊広告までは確認出来てないけど。)


チケット↓
  
ここでチケットはいきなりマグリットづくしを覆してデルヴォー登場。
しかも所蔵作品ではないところがまたミソ、というか、そうきたか!って感じ。
黒と緑のテーマカラーに作品がぴたりと絶妙にあうのが堪らない。
そして。
何故もぎられるところにデザインを入れるのか・・・。凝りすぎ。
もぎられたくなくなるではないですか・・・。


と、半年以上の長期にわたって国内を巡回した
「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅」も、
とうとう最終地での終盤を迎えた。


最後だし1度しか観れないので、名残を惜しんでじっくり鑑賞したかったのだけど、
前日からの駆け足で朝一で無理矢理兵庫県立美術館行きをねじ込んだ為に、
なんともばたばたの鑑賞となってしまった。
(でもいつまでも後ろ髪引かれるよりも、よかった・・・のか??)

展示室入口に向かう長い通路の壁に、
展示室の章毎のレイアウトと主要作品の展示位置が図解してあった。
親切!

この美術館の企画展示室は長方形なので、
縦長に2分割してUターンする形式で展示されていた。
順路がわかりやすくて、動線がスムーズなので観やすくて助かる。
また、壁に番号を振る形で順路が示されていたのが有難かった。
(矢印の案内板だと、どこを指してるのかまごつくことも結構多い。)
結果、
ロープと一緒に作品が仕切りの役目を果たしているのが不思議な感じ。
それ故にぐるっと作品を360度眺めるというのが出来なかったのが
ちょっと残念だったけど。

デルヴォー、マグリットはコーナーを使ってL字形ではあるけれど、
壁にずらっと並ぶのでなかなか壮観。
他の会場も廻ってきたのに、この美術館ならではという気がしてしまうのは
ベルギーファンの欲目かな。

アルプの植物のトルソは、本体自体に現れた影の柔らかい陰影と、
壁面に投影される影のラインがまた趣きあり。
彫刻には疎いし、観てそれが何かなんてわからない造形なのに、
ハルプに惹かれつつある様な。


そして担当学芸員さんの解説会にはぎりぎりで駆け込む。
出品作品をスライドで表示しながら、作家と技法について一通り説明後、
ここの美術館らしく、ベルギーのシュルレアリスムに焦点をあてた話に。
2つの雑誌が刊行されたことや、マグリットの作品の技法の遷移、
デルヴォーの出品作品についての解説などなど。

そして、最後に図録の紹介で〆られた。
今回、通常版(埼玉展の記事参照)と特装版が作成されたのだけど
当初は全部、メレット・オッペンハイムばりにファー(毛)仕様にするつもりだったそうで、
でも手作業だと数がこなせないから特装版にしたとか。
通常版も、お土産版シュルレアリスムとして、オブジェといえる出来映えの自信作で、
見た目だけではなく、中身(解説)にも力を入れたとのお話。
実際、手触りにロゴのデザインとか、凝っていると思う。デザイナーさんの存在感大。

迷ったけど、今回の記念に特装版(¥5,500)を追加購入。でも勿体なくて未だ開封出来ず。
(写真は小さいけど宮崎展の記事参照。)


これで、2つのシュルレアリスム展のスタンプラリーもとうとう終了。
横浜の方の展示はまだまだ長いので、しばし余韻に浸りたい。
(展示作品についても、語れたら、とは思うけど、はて・・・。)


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おまけ。
↓こんなんつくってました・・・!
  
いわゆるフリーカードで、割引券も兼ねてるもの。
地元民でないとGETするのに苦労するというよりまず不可能なので、
展覧会グッズのポストカードとして売って欲しかった程そそられる品。
GET出来て感涙。


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「シュルレアリスムと美術 イメージとリアリティーをめぐって」@横浜展 [展覧会@マグリット]

 
「シュルレアリスムと美術 イメージとリアリティーをめぐって」展
 
2007年9月29日(土)~12月9日(日) 
 横浜美術館

 http://www.yaf.or.jp/yma/exhibition/2007/special/03_surrealism/index.html



↓チラシ(ポスターも同デザイン)
 
※ 見開きの内側は、豊田展と同じなので割愛。
   但し、折込の作品リストは無し。
   展示室内での配布は無いけれど、美術館受付で図録からのコピー版を貰える。


 ↓チケット(招待券)


 


宇都宮、豊田と巡回した「シュルレアリスムと美術」展、
最終地横浜での展示が先月末に始まった。
一部期間平行で、
姫路市立美術館での「シュルレアリスム展」も開催中。

10/7(日)14:30~担当学芸員さんによるスライドレクチャー @横浜、
10/8(日)14:00~担当学芸員さんによる解説会 @姫路。

横浜展は開催期間が長いのに、何故に担当学芸員さんの解説がたったの1度だけ?
他にもイベントは盛り沢山だけど、毎週ギャラリートークやって下さいなんていわないけど、
せめて月イチペースでやってもらえないものか・・・。
(・・・と思ってたら、事前レクチャーなるのものが登場してた。
 でも1回5000円要予約の団体向け。機会があれば、だな。
  http://www.yaf.or.jp/yma/detail.php?num=0


この連休は、姫路での解説会にあわせて、
10/8(日)迄の川村記念美術館所蔵
「巨匠と出会う名画展」@兵庫県立美術館も
観ようと思ってたのに、どうしたものか。

結局、直前迄悩みに悩んだ挙句、
10/7(日)  午後: 横浜展鑑賞&スライドレクチャー聴講
          → 新横浜から新幹線で関西に移動
10/8(日)  午前: 兵庫県立美術館で鑑賞
          → 姫路に移動 → 姫路展鑑賞&解説会、
という(自分にとっては)超ハードスケジュールに。
案の定、ばたばたの駆け足になってしまった。


そして、早く書かねば、姫路展が終わってしまう・・・のに、
時系列でつい横浜展から書いてしまうんだな・・・。


豊田展に同じく、ポスターは大家族、でもその他の垂幕等は文字のみのスタイル。




時間がないくせに、一層焦る羽目になるとわかっていて、しっかり食べる。

 ↓ピザトーストプレート&ラスベリーソーダセット@Cafe小倉山

企画展限定の特別メニュー。
どのへんがどうシュルレアリスムなのか不明だと思ってたら、
Cafeのスタッフが出品中の作品をイメージしてつくったメニューだそう。
モチーフとなった作品がどれかはご想像にお任せ、だそうな。
一瞬頭をよぎった作品があるけど、微妙に違う。アレンジ版か、別の作品か、はて。

Cafeにはどこから見ても草間彌生な椅子なんかも。座りたかった。


鑑賞前に上記写真奥のショップに走ると、入口前こんなディスプレイが。



ところ変われば展示も変わる。
展示室が複数に分かれているので、前2展と雰囲気が随分違ってる様に感じる。
(具体的に何がどう、と説明は出来ないのだけれど。)

惜しいのは、章や節に分けたテーマの解説ボードが、進行方向に見えないこと。
目に見えてる壁の向こう側にあったりして、気づいたら次のコーナーに入ってしまってたり。


今回の展示、最初に注目すべきは、アルプの作品。
ライティングで出来る影に注目、なんだけれども、見逃した・・・。(次回の宿題。)

作家別ではなくテーマ毎に展示されてるのだけれど、
マグリットは比較的固まっているので、ソファに座って堪能・・・
する時間がこの日はない。
そそくさと次のコーナーに進むと、
ヴィフレド・ラムの「アダムとイヴ」が随分高い位置に掛かっていた。
スペースの都合上、高い位置に掛けざるを得なかった作品も幾つかあったそうだけど、
これは、作品の浮遊感を感じてほしかったから敢えて高い所に掛けたそう。
観てもらえばわかると思うのだけど、成程。

ざっと観た後は、文字通り駆け足で常設展へ。(しかも逆まわりで・・・。)
( ※ マン・レイが撮影したシュルレアリストたちの写真、
     ミロとデルヴォーの版画もあるので、コレクション展もお見逃しなく!)


今回、マグリットの展示は写真4点だけ↓だと思っていたら。



なんと、展示室外(エントランスホールの階段の所)でレカミエ夫人発見。

  

   



普通の展示なら横からしか観れないので、
いつもは観られない上からの眺め堪能。
常設は撮影可なので嬉しくてあほの様に撮りまくり。

そんなことしつつ、無理矢理スライドレクチャーに間に合わせる。 

てっきり、お話はシュルレアリスム入門的なものかと思っていたら、
シュルレアリスムの解説には違いないんだけど、基本のきとは異なる趣き。
メモを取るのが追いつかなくて大変だったけど、流れる様に話題が進み、
担当学芸員さんの独自の解釈など聴けたのが興味深かった。
(ダリの作品が、彼を金の亡者と批判したブルトンへの皮肉として、
 題材に神話を選んだのではないか、という説等。)


・・・と、なんだか取り留めの無さ過ぎる感想だけど、
ちゃんと整理出来てからなんて言ってるといつになるかわからないので、
取り急ぎ、記事をUP。


印象に残ったのは、担当学芸員さんが、「作品は役者、学芸員は演出家」だと仰っていたこと。
如何に作品の魅力を伝えるか、感じてもらうか、苦心されてるのだなとしみじみ。

今年のシュルレアリスム並行スタンプラリー、姫路がラストだったんだけど、
前述の宿題もあるし、地の利も活かしてあと1~2回は横浜展を観てみたいと思う。
2つのシュルレアリスム展の相違や共通点を考えながら。
(考えたからってすぐ結論が出たり閃いたりするわけでもないんだけども。
 それでも、というか、それだからこそ、というか。)


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シュルレアリスムと美術 イメージとリアリティーをめぐって」展@豊田市美術館 [展覧会@マグリット]

※ ちょびっと本文を修正しましたので、お読み頂けると幸いです。
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やっぱりもう終わってしまった後だけど・・・

 
「シュルレアリスムと美術 イメージとリアリティーをめぐって」
 
2007年7月3日(火)~9月17日(月) 
 豊田市美術館

 http://www.museum.toyota.aichi.jp/


↓チラシ・表(ポスターも同デザイン)
  
↓チラシ・裏
  
見開き2頁。(大きいチラシって最近流行ってるのだろうか?)
作品リストが別紙で折り込まれているという親切かつ豪華版。

↓チケット




さて、マグリットの代表作の一つに数えられるだろう「無謀な企て」を持ち、
独自性の強そうなイメージもあり、気になっていた豊田市美術館。

マグリットメインのシュルレアリスム展が巡回するならば是非行かねばと
思って
ギャラリートークにあわせて訪問。

坂道を登っているとその先に・・・



シュルレアリスムと美術展の垂幕が見えてきた。
トンネルを抜けると雪国だった・・・というのとはかなり違うけど、
こういうのはわくわく感が募る。

が、美術館入口まで辿り着いてみると、
垂幕には文字のみで、ポスターにはあった「大家族」の姿がない。


↑美術館入口

と、展示室の入口も、やはり文字のみ。
宇都宮美術館がポスターやチラシに「大家族」をどーんと持ってきてたので、
豊田市美術館は「無謀な企て」をポスターやチラシに持ってくるかどうかと
期待していたのだけれど、それはなかった。


↑企画展入口


そしてギャラリートークは、担当学芸員さんがシュルレアリスムの
言葉の意味や成り立ち、技法等を丁寧に説明して下った。
そして、ギャラリートーク終了後に質問させて頂いたのだけど、
ここで阿呆過ぎる質問を・・・。
回答して下さったばかりのことに対して、
同じ回答をリピートすることになる質問を繰り返すなんて、
もう呆れるを通りこして不愉快に思われたに違いないかと。
しかもそれを2度。もう申し訳ないやら恥ずかしいやら、
穴が無くても掘って入りたかった。
本当に申し訳ありませんでした。

でも恥をかいてでも行った甲斐はやはりあって。
展覧会ポスターの「大家族」に釣られてけれど、
あくまでテーマは「マグリットとシュルレアリスム」ではなく、
「シュルレアリスムと美術」。
そんなの改めて言うまでもないのだけれど、
ついマグリットに盲目になるあまり、そんな一番の根本を
履き違えていたのではないかと気づけたこと。

ポスターやチラシをマグリットメインにするにしても、
各館マグリットの作品も持ち合わせてるので館毎に変えることだって出来るのに
それをしなかったのは、「シュルレアリスムの展覧会」としての
統一感を出したかったからだとか。

今、それを踏まえて改めて振り返ってみると、
前述の垂幕や壁面が展覧会タイトルの文字だけだったのは、
まず○○ありき、ではなく、「シュルレアリスム」というものが
どういうものであったのか、そして美術とどう関わっていったのかを
観て欲しい、知ってほしいという気持ちの表れではないかと思われた。
今頃になって、そんな主催者の思いがじわじわひしひしと伝わってくるかの様。

展覧会のテーマにあわせた作品を選ぶのも、
これまた当たり前というかそうする以外何があるのかということだけど、
質問させて頂いたことを反芻しながら会場を回っていると、
丁寧に作品を選定したのだろうなということを実感することが出来た。

これまた思い込みで、今回の企画は、宇都宮と豊田と横浜のコレクションを持ち寄って、
他館のコレクションで補完したものかと思っていたら、そうではなくて、
展覧会の趣旨にあう作品をまず選定して、3館のコレクションから作品を補完したのだとか。
実際、出品数からいくと圧倒的に3館のコレクションが多いのだけど、
そういう作品選定をしていたなんて意外だった。
でも、であればやはりコレクションが豊富だといえるということだな、と思っていたら、
コレクション以外からも借用したシュルレアリスムの全体像の中でまた、
コレクションをより深く理解してもらうという意図もあったそう。
こういう形式でコレクションの存在意義を伝えるなんて、目から鱗というか奥が深いというか、
その手法の巧みさと熱い思いにただただ感心するばかり。


同じ展覧会でも、やはり会場によって印象が変わるということを、
改めて、というより今迄以上に強く実感した。
学習効果をすぐに出せる程器用ではないのが心配だけど、
この反省を活かして、横浜展を素直に感じられれば、と願うのみ。



さて、出品作品については、後日書くことにして(横浜展開催前は無理でも終わる迄には・・・)、
美術館の屋上というか、広大そうな庭に繋がる一画の写真でも。

 

 

 

お昼は併設のレストランで。
あんかけみたいなパスタは美味しかったんだけど、
ちょっと塩味がきつかったかな。
(呑みながらだったのでよかったのかもしれないけど。)

 



・おまけ
  
ミュージアムショップは、細長いスペースに書籍がぎっしり。
青空の傘もMOMA版とマグリット版の2バージョン揃ってるのがgood。
でもMOMA版の方がマグリットぽくて、
マグリット版のが全然マグリットぽくないのは何でだ・・・。

           


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シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅-@宮崎展 [展覧会@マグリット]

宮崎は太陽も美術館もあつかった!

 「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅」
 
2007年7月21日(土)~9月2日(日)
 宮崎県立美術館

 http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/


埼玉で観れたので、本当はシュルレアリスム展の巡回にくっついていく予定なんて全くなく。
が、岡崎展は所用で大阪に行く途中で寄り道可能、山梨展は関東からなら日帰り圏内と、
ついつい足を伸ばしてしまった。こうなるとついつい他の会場まで気になってしまう。
そして何よりも今回は、マグリット単独展ではないにもかかわらず、
ポスターもチラシもチケットもマグリットづくし。
埼玉展と岡崎展では「現実の感覚」がどーんと迫り、
山梨展では「レディ・メイドの花束」がにこやかに微笑み、
美術館前に設置されてる看板の「白紙委任状」の後押しを受けながら迫ってきては、
もはや一本釣りされるのみ。

一番遠い宮崎展は、スケジュールも予算も交通・宿泊の予約も厳しかったけれど、
前々から「何故宮崎にマグリットの大作が?」と気になっていたので、
岡崎市美術博物館学芸員の村松さんの講演会、
宮崎県立美術館学芸員の園田さんのアートゼミにあわせて宮崎へ飛んだ。

 

まず気になるポスターは・・・がらっと変えてきた。

↓チラシ(ポスターも同デザイン)
   
宮崎=「現実の感覚」は当たり前過ぎる、でもこの作品は外せない。
そして「現実の感覚」だけではなくお宝は他にもてんこ盛りなんだぞ・・・という
アピールがこのデザインを生んだとか。
他の巡回展と一味違うけれど、黒地に緑字という基調カラーが統一感を醸し出してたり。


↓チケット
 
最近は展覧会毎のデザインではないとか。コスト削減の波がここにも。


が、図録は頑張ってる。限定部数特装版(各会場50部)有り↓

右の普及版(これだってロゴとか質感が凝ってる)を購入済だけど、
記念に欲しくなる毛皮ふっさーな感じの特装版の誘惑。
黒地に緑字のテーマカラーといい、この展覧会はデザインにも気合入れまくり。



それにていも宮崎は…半端なく暑かった。普通なら余裕で歩く距離もタクシーに乗ってしまう程に。
熱中症になるんじゃなかろうかと思っていたら、帰った直後に熱出してぶっ倒れてしまった。
(知恵熱だったと思いたい…。)

が、太陽だけでなく、美術館も熱かった。
夏の太陽を照り返す白っぽい建物も目に眩しかったが、
とにかく県民の為の、開かれた美術館、という印象。好感度大。
 
↑美術館正面。日差しが跳ね返る。

 
↑裏から見るとまた全然違った雰囲気。


 
↑今回は「白紙委任状」@看板はお休み。


まずは初日、アートゼミに参加。
展覧会チケットが必要だったのでギャラリートーク形式かと思っていたら、
展示室ではなくアートホールにてまず講義。
10名程度の参加だったので、自己紹介に始まってこぢんまりとアットホームな雰囲気。
でも内容は盛り沢山。しかも、講義を受けた後は、展示室でギャラリートーク開始。
一粒で二度美味しい!!感激。

アートゼミでは、この展覧会の企画の発端を聴くことが出来たのが非常に興味深かった。
そもそも宮崎県立美術館では、郷土の作家として瑛九の作品をコレクションをしつつ、
彼の絵に影響を与えたアーティストの作品をあわせて収集していった結果、
シュルレアリスムのコレクションが形成されたそう。
「現実の感覚」もそうやって所蔵された作品の一つだった。
そして2年前のデルヴォー展でも、村松さんが講演会の講師としていらっしゃったそうで、
色々話をしていく中でこの企画の種が蒔かれたとか。
それが今年こうやって実ったんだと思うとなんだか感慨深い。
(て、一観客に過ぎないんだけど。)

そして園田さんは、宮崎県立美術館に赴任された直後に「現実の感覚」を目にして
すっかり惚れ込んだそうで、その出会いの衝撃や夕暮れの空のグラデーションの美しさを
熱く語って下さった。
実は自分自身は、作品の存在を知るのが遅かったこともあって、
「現実の感覚」は「ピレネーの城」と「心の琴線」を足して2で割った様な印象だったのだけど、
園田さんが熱く語って下さったおかげで、この作品そのもののよさに気づくことが出来たのが収穫。
嬉しい。

そして2日目は、講演会を聴講。
岡崎展の展示を拝見して、(いい意味で)神経質でインテリっぽい文学者系の人かと想像していた
村松さんは、人当たりのいい穏やかな人だった。いや、親父ギャグまで交えてくれるなんて想定外。
(シュルレアリスムをわかりやすく身近に感じてもらう為の苦肉の策だったらしい…。)
講演会での収穫(といっていいんだろうか)は、マグリットとフーコーが親しくなかったという事実。
フーコーの「これはパイプではない」にはマグリットからの書簡が収録されていたので、
てっきり哲学を縁に楽しくやりとりをしていたのかと思いきや、そうではなかったらしい。
フーコーがパイプの絵をごちゃごちゃ解析するのにマグリットが腹を立て、
絵を観た少女が「これで煙草は吸えないよね」といったのが正解だと言っていたとか。
(この一言で片付いちゃったら、この絵を喧々諤々論じてきた人々は形無しになりそうだ…。)


展示全体の印象としては、展示の動線がわかりやすいのが観易くてよかった。
また、マグリットやデルヴォーは一つのコーナーが設けられている感じで、
その世界にゆったり浸かることが出来たのもファンには嬉しい。

写真に関しては、作品保護の為に照明がかなり落としてあったので
暗くて見えづらかったのが残念だけど、仕方ない。
また、デルヴォーの「森」やペリエ邸の扉絵の上方に当たる照明が少々絵に
白く反射してしまったのが、ガラスが無かっただけに残念。
が、その照明のおかげで、今迄気づいてなかった扉絵の筆致(重ね塗りした様な形跡)に
気づくことが出来たりして、何が幸いするかわからない。

山梨展で陰影の美しさを放っていたジャン・アルプの「植物のトルソ」は、
やや明るめの光の中で(周囲の壁がクリーム色か白だった)、
360度からぐるっと眺められる様に展示室の中程に設置されていた。
展示が変わればやはり印象が変わるもので、柔らかい感じ。

展示室出口には、展覧会を紹介した新聞記事と一緒に、各会場のチラシが。




そして企画展に気をとられて見逃しそうになった常設展、これがまた侮れず。
子供向けの美術館探検企画が催されていて、遊具まで設置された展示室内には子供多し。
中でも見逃してはいけないのが、「シュルシュル街4番地」と銘打たれた2階の小部屋。
各会場のチラシがこのコーナーではまた違ったレイアウトで展示されていて、
これがまた凝っていて、個人的にはツボだった。
作品数はそう多くないけれど(エルンストのコロタイプは企画展とかぶるのも一部あり)、
デルヴォーの水彩2点(個人的に好みな色遣い)にマン・レイのシルクスクリーン2点等々、
ミロ、アルプ、マッタ、ベルメール、ダリ、エルンストら、、早々たる顔ぶれ。
しかも、この常設展だけなら無料で観れるという太っ腹!

その他美術館のハード面では、館内にミュージアムショップにライブラリコーナーも
しっかりあるのが嬉しい。
特筆すべきは、スタッフの皆様の接客態度というソフト面。
もてなしの心があるというか、兎に角思いやりが感じられてお気遣いが有難かった。
なんて素晴らしい美術館の“顔”。
この場を借りてお礼申し上げたいと思います。大変お世話になり、有難うございました。


  ※ いつも、時間差あり過ぎなタイミングで記事書いてますが、
    宮崎展、9月2日迄やってます!
       ギャラリートークもまだあります。是非。(って明後日だけど。8月26日(日) 14時~。)
    

-------------------------
おまけ。
美術館1階ロビーにて流れてた映像。









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シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅-@山梨展 [展覧会@マグリット]

山梨展のチラシ、前2館を踏襲するかと思いきや、埼玉展、岡崎展のスタイリッシュな
格好いいデザインとは打って変わった爽やかで優しい雰囲気のデザインに。
夏という暑い季節、これまでの山梨県立美術館のポスターの雰囲気等を考慮したそう。
印象が180度くらい違うけど、これはこれでいい感じ。
岡崎展と山梨展のみの出品となった「レディ・メイドの花束」を持ってきてるけど、
白を基調としたポスターの雰囲気になかなかあってたり。
季節や客層まで意識するなんて細やかな気配りだ。


チラシ(ポスターも同デザイン)↓
   

チケット↓
 


さて、6月最終日、5時半起床。

自分にとってはありえない時間に起きたせいか、雨が降るどころか、
某高速バスの発券システムがダウンしていた。
寝坊の可能性があるからあえて予約せずに当日券買うつもりだったのに、
日頃の行いが悪いせいか?!
窓口は長蛇の列、というか全く動かないので、諦めて電車にしようかと思いかけたところで、
なんとかの残り1席の乗車券をGET。
が、車内には空席多し。しかし指定席だし満席のはずなので、
座席移るのも躊躇われ(←小心者だから)、通路側は寝にくいと思いつつも熟睡。

10時頃、甲府駅前バスターミナルに到着。10時半過ぎの路線バスに乗って、
山梨県立美術館に到着。


ゆったりした敷地内で緑に覆われた、低めの煉瓦っぽい建物。
壁面にはミレーの写真が掛けられている。流石ミレーの美術館。

そして入口に目を転じると。「現実の感覚」を使った大きなボード。


そしてさらに目を転じると記念撮影用のミレーの「種まく人」が。
 ← 顔は正面向いて体が横向きだと微妙だ。



まずはミュージアムショップの下見を済ませて、併設のレストランへ。
が、これが外れで・・・。
展覧会企画メニューがないのは、ちょっと寂しいけど別にいい。
が、折角ワインどころなのに、メニューに並ぶワインは外国産ばかり。
グラスワインがもしかしたら地元産かもしれないけど、
地元のワインと明記したものが無いなんて、寂しいったら。
もしかして自分が見落としただけで、個別メニューでもあったんだろうか。
料理の方には肉や魚に地元産素材を使用してたけど。

今回はカルボナーラを注文。
スープとサラダがついてくるのだけど、この2つをさあ食べようというタイミングで
早々とパスタ登場。スープとサラダ食べてある間に伸びたり冷めたりしそうで、
なんだかなーと思いつつカルボナーラを食べてみれば、味がない。
自分の舌が鈍いだけなのか、麺を茹でる時に塩を忘れたのか、どっちなのか・・・。
外食して、まずいって思うことめったにないんだけどなぁ。
果物からお酒から美味しいものがありそうな土地なだけに、残念。

  ← 室内の雰囲気はよかったのに。


と、観る前にテンションが下がってしまったけれど、気を取り直して展示室へ。
折角ここまできたのにミレーを観ないなんて勿体ないけれど、時間の都合上、常設展は断念。

そして展示は、三度目だからか、展示室の空間のせいか、
ゆったりさくっとまわれて観やすいのが嬉しかった。
山梨展で印象に残ったのは、第4章「無垢なるイメージを求めて」のオブジェ。
彫刻はさっぱり・・・、の自分を惹き付けたのが、ジャン・アルプの「植物のトルソ」。
角のコーナーに設置された(為、裏側からは眺められない)
白いボディに照明が描く影の表情がなんとも。
一瞬、すっと伸びたトカゲの様にも観えたけれど、女性の体を思わせるラインでもあり、
すらっとした曲線の陰影に何故かひきつけられる。
第4章のコーナーだけ展示室の壁面が一面黒にしてあったのも
演出効果を増してたのか、ライティングで表情が変わるのをしみじみと実感。
彫刻作品の美しさに気づかせてくれた展示に感謝。

 ←ジャン・アルプ 「植物のトルソ」 1942年


一通り展示を観た後、ギャラリートークに参加。
担当学芸員さんのお話はわかりやすく、色々なお話を聴けて興味深かった。
ミレーの美術館らしく、ミレー作品を流用したダリの「不死のための10の処方」を
取り上げるというサービスもちゃんとあり。



・・・そもそも今回のシュルレアリスム展、国内所蔵作品を持ち寄って巡回、なのに、
山梨県立美術館からの出品はゼロだったりする。
何故かというと、コレクションがないがために展示出来ない不足を、
企画展を招致することで補完する、ということだそうで。
そういえば数年前にいマン・レイ展も開催していたけど、
ミレーを売りにしつつも、それだけに拘るのではなく、
地元の方達に多様なアートの世界を提供しようという姿勢に感心。


------------
おまけ。
イベントのお知らせでこんなもの作ってらっしゃった!
こういったものに、ファンはついつい反応してしまう・・・。
         ← 実はプリマヴェーラもアイコンみたく登場してたり。


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