「シュルレアリスムと美術」展、横浜展+α [展覧会@マグリット]
シュルレアリスムと美術展、各地で鑑賞した感想を書いたけど、
肝心の出品作品についての感想を書いてなかったり。
横浜展の期間は長いから終わる迄に・・・と思ったのに、気づけばもう残り1週間。
作品の感想は時間かかりそうなんで、横浜展での個人的ツボを少々。
↓チケット(当日券)
1度目に続いてまたしても駆け足の鑑賞になってしまったのだけど、
2度目の鑑賞ポイントは、前回見逃した(というか気づけなかった)、
ハンス・アルプ「トリスタン・ツァラの肖像(1916年のタイトル)、レリーフ、アルプはここにいる
(1920年のタイトル)」の“影(演出)”だけはチェックしなくては、と意気込んで会場に。
なんだけど・・・どーみても物理的に出来る黒い影が何かを表してる様には見えず、
この演出効果というのはどこにあるのだろうと頭を捻りつつふと目を転じると、
そこに透明な“影”が。
(透明な“影”なんて表現としておかしいかもしれないけど、
作品を覆う透明なケースの影、な訳です。
うまく表現出来ずに恐縮ですが、
細いグレーの線が、本来のケースの枠線、
水色が上記に光が当たって出来たシルエット、と思って下さい。
イメージ画像はこちら↓)
この透明な“影”というか“光の枠”みたいなのが
本物より大きなケースを形作って
明るく作品を包み込んでいるのに気づいた時は、ちょっと感動。
(見逃してたのは自分だけかもしれないんだけども。)
担当学芸員さんの「作品は役者、学芸員は演出家」という言葉を
しみじみ噛み締めた。
作品自体は素朴な感じなので、入口正面でこの作品に出迎えられても
強いインパクトを感じるというわけでもないのだけれど、
いったんこの光のシルエットに気づくと、うっとり見入ってしまった。
(入口後方に下って、この作品だけが視界に入る位置で。)
こういうのを、自力で見つけられたらもっと楽しいのに、
その才が無い自分が悲しい。
気を取り直して、懲りずにまた常設展までも駆け足で観ていたら、
展示室間の通路に、こんな案内板が。
なんと、美術情報センター(ライブラリ)にて、
“「シュルレアリスムと美術」展コーナー”と題して関連本が展示されていた。
なんと横浜美術館には、とある画廊からマグリットの家にあった書籍
約500冊を寄贈されたそうで(データベース化はまだらしい)、
マグリット初個展のカタログやエルンストからの署名入献呈本が
「シュルレアリストたちの交友」と銘打って初公開されていた。
流石に手に取って眺めるわけにはいかないけれど、
色鉛筆だかパステルだかで描いた様なイラスト(の表紙)なんて初めて観るし、
初個展や署名入献呈本、だなんてテンションあがるあがる。
張り付いてメモしてたら、職員の方が解説して下さった。(有難うございます。)
そして隣のショーケースには、「各地で開催されたシュルレアリスム展」と銘打って、
過去のシュルレアリスム関連の展覧会のチラシや案内葉書が展示されていた。
このコーナーの展示リストが欲しい・・・(メモしきれず)。
書籍の方のリストだけでも、挙げておきます。
□ 展示されていた書籍リスト □
「反復」
1962年 スピーゲル画廊@ケルン
詩:エリュアール 表紙、挿画:エルンスト
※ エルンストからマグリットへの献呈本
「マックス・エルンスト; 著作と版画作品展」(カタログ)
1963年11月30日~12月31日 トゥール市美術館
※ エルンストからマグリット夫妻への献呈本
「マグリット」展
1927年4月23日~5月3日 ル・サントール画廊@ブリュッセル
※初の個展カタログ 61点掲載(図版無)
ポール・ヌジェとヴァン・エックによる序文掲載
「生活の必要性」
詩:エリュアール 挿画:マグリット
1964年 ブリュッセル リュミエール社
※12枚のイラストを作成
「カミーユ ゲーマンス作品集; 1922-1957」
表紙:マグリット
1970年 アンドレ・ラッシュ社@ブリュッセル
※ゲーマンスの講演録「生きているマグリット」所収
「マルドロールの歌」
著:ロートレアモン 表紙、挿画:マグリット
※77枚のイラスト
「マックス・エルンスト; 作品集1919-1930」
撮影:マン・レイ
1937年 カイエ・ダール社@パリ
※ エルンストからマグリットへの献呈本
「ルネ・マグリット 1898-1967; イメージの詩人」
マルセル・パケ著 2001年 タッシェン・ジャパン社
「シュルレアリスム展」
表紙: アンドレ・マッソン
1971年5月2日~9月1日 ボザール画廊@ボルドー
ダブルイメージのようなものでしょうか、見える人と見えない人もいる。
先日テートモダンに行ったらマグリット作品の展示二点増えていました。
一応確認した所以前のものと計3点になってました。
http://www.tate.org.uk/servlet/ViewWork?cgroupid=999999961&workid=9158
展示はなかったけれどコレクションされてます
http://www.tate.org.uk/servlet/ViewWork?cgroupid=999999961&workid=9159
これも新たに展示されました
http://www.tate.org.uk/servlet/ViewWork?cgroupid=999999961&workid=9162
以前からの常設展示は
http://www.tate.org.uk/servlet/ViewWork?cgroupid=999999961&workid=9160
by いっぷく (2007-12-02 14:35)
>いっぷくさん
沢山のテート情報有難うございます!
(テート以外のマグリット情報もございましたら、宜しくお願い致します!)
ベルギーーイギリス間は海挟んだだけの近さですから、
ブリュッセルと組み合わせて一度はロンドンにも行ってみたいと
思ってはいるのですが、今年は国内を飛びまわり過ぎたので、
当分目処が立ちません。
(今年遊び過ぎなければ、ベルギーまでの航空券代ぐらい
貯まってたと思うんですけどね・・・、えぇ。)
“The Annunciation”は展示中になってませんが、
webの更新が遅れてるだけなんでしょうか?
しかしブロンズだけ未だ画像がないのはどうしてなんでしょうね。
by m25 (2007-12-02 23:34)